次世代制空機エンジン開発を機体メーカー含め契約

AETPエンジン開発のGE社とP&W社に加え
おなじみの機体開発企業3社もエンジン開発に参画契約
NGADとAETPコンビは技術的飛躍なので・・・

NGAD9.jpg8月22日付米空軍協会web記事は、同19日に米空軍が発表した次世代制空機NGAD用エンジンであるAETP(Adaptive Engine Transition Program)開発に関する契約に、AETPをそれぞれ開発しているGE 社(XA100エンジン)とPratt & Whitney社(XA101エンジン)に加え、競い合っているはずの機体開発3企業ボーイング、ロッキード、N-グラマンも含まれたことが話題になっていると報じています

この新エンジン開発契約は2032年までを対象とし、NGAD用プロトタイプAETPエンジン開発を約1300億円上限で契約するもので、新エンジンの「設計・分析・基礎試験・プロトタイプ試験・機体等との融合試験を通じて、新エンジンの技術的成熟や開発リスク低減」、「デジタル設計開発への転換」を狙いとしています

AETP XA-100.jpgなお、最近AETP関連で空軍長官等が発言して騒ぎとなっているのは、“F-35のエンジンを現F135からAETPに換装するのか、F135を改修して継続使用するかどうか?”に関してであり、当初から次世代制空機NGAD用に開発されていたAETPとNGADとの関係に問題が発生しているわけではなく、今回の契約はNGAD開発の状況を知るための貴重な情報としてお知らせするものです

ちなみに米国の第5世代機用エンジンは、1980年代後半から検討が開始された先端戦闘機開発(ATF)計画のなかで開発が進められ、F119とF120が試作され、F-22にはPratt & Whitney社製のF119エンジンが採用されました。そしてその後開発されたF-35には、F119を改良したF135が採用されています

AETP XA-101.jpg今回のAETPエンジンは、一世代先を行く次世代制空機用に新たに開発される新世代エンジンで、「第三の空気の流れ:third stream」等との新たな発想を取り入れていることから、まだNGAD主契約企業も決まっていない段階でのエンジン開発契約に、可能性のある全ての主契約候補企業を含めた模様です。

このあたりの背景について記事は、軍需産業連盟・先端技術研究所の上級研究員(元米空軍チーム科学者)Mark J. Lewis氏の見方を紹介し、「AETPは例えば、推力重視か航続距離重視かの2者択一の問題に対し、両方のニーズを柔軟に反映することが可能なエンジン技術に立脚しており、機体設計全体と当初から連携することでより能力を発揮できる」、「第三の空気の流れ導入により、機体内での配置を従来とは少し変える必要がある」等の点から、エンジン開発にNGAD主契約企業候補も当初から組み込まれたと推測しています

Kendall air.jpgNGADに関しては、2022年6月にKendall空軍長官が、「NGADはEMDフェーズ(engineering and manufacturing development phase)に入った」と発言し、基礎的な技術要素確認段階を終え、本格開発に向けた一歩を踏み出したことが明らかになりましたが、依然として主契約企業は競争段階にあると後に補足説明しており、まだまだ「謎」に包まれたままです

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「EMDフェーズに入った」→https://holylandtokyo.com/2022/06/03/3315/
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「次期制空機のデモ機を既に初飛行済」→https://holylandtokyo.com/2020/09/17/482/

F-35のエンジン問題
「空軍長官:AETP搭載を主張」→https://holylandtokyo.com/2022/08/09/3515/
「数か月で決着すべき」→https://holylandtokyo.com/2022/05/26/3260/
「上院でエンジンとODIN議論」→https://holylandtokyo.com/2022/05/18/3223/
「下院軍事委員長がAETPに関心」→https://holylandtokyo.com/2021/09/09/2184/
「民間監視団体が酷評」→https://holylandtokyo.com/2022/03/25/2933/
「エンジン問題で15%飛行不能」→https://holylandtokyo.com/2021/07/27/2022/
「エンジンブレードと整備性問題」→https://holylandtokyo.com/2021/02/17/263/
「Lord次官が最後の会見でF-35問題を」→https://holylandtokyo.com/2021/02/03/254/

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