緊要兵器や今後大規模増産が想定される兵器を念頭に
生産増強のネックを特定し、実現に国防省がなすべきことも提示要求
「何年も必要な開発サイクルは許容不可」と国防副長官
また「リスクを負い、身銭を切るような覚悟示せ」とも
11日付Defense-News記事は、対象企業は対イラン作戦で大量消費され在庫急減が懸念されている「防空ミサイルPPAC-3やTHAAD」、並びに「トマホーク巡航ミサイル」や「地対地精密誘導ミサイル」等を製造する「Boeing、 Lockheed Martin、RTX(旧レイセオン)など」のほか、
近未来を見据え2028年度予算案でテコ入れを米国防省が打ち出しているより広範な「16の重要プログラム」、つまり「次世代迎撃ミサイル(Next Generation Interceptor)、国家先進地対空ミサイルシステム(NASAMS)、移動式防空レーダー、宇宙配備型ミサイル追跡システム」など増産検討中の分野も「Memo」の対象範囲となっているようです。
記事冒頭でご紹介したように国防副長官Memoは、関連企業に具体的な設備投資や施設拡張案の提示や、国防省に協力を求める部分と手段の説明を求めるほか、企業側の国家要請に対する覚悟や決意を示せと強く求める異例の文言が含まれるものですが、当然米国防省として兵器や装備増産に向けやるべきことがあるはずで、この点に関しDefense-News記事はMemo内容を解説し、
「覚書は企業に対し、(重要兵器や装備に関し)増産を可能にする部分を特定し、その実現に国防総省に何を求めるかを提示するよう求めている。企業回答を基に国防省は、各企業の増産要求への対応状況や、必要な追加資源を判断する予定だ」と説明しています。
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上記で話題となっている、対イラン作戦で消費したPAC-3は在庫の2/3で回復には約42ヶ月、THAADは約1/2で回復には約53ヶ月と推計したCSISレポートや、8月3日に米国防省が両兵器の大増産に向け、Northrop Grumman社とロッキード社と、下請け企業も巻き込むことを示した包括合意文書に署名し、
PAC-3製造能力を3倍に、THAADは4倍にすることを目標に設定したことを過去記事でご紹介しましたが、この国防副長官Memoは、より広い分野を対象とした増産を検討する一環だろうと想像しています。
また弾薬大量消費の教訓を受け、より安価で大量生産可能な兵器開発を目指し、国防省や米軍が、最近1-2カ月で大量の情報提供要請(RFI)を関連企業に短い期限で出していることもご紹介してきましたが、これらがどのような具体的な成果を生み出すのかは、今秋以降のお楽しみとしておきましょう
国防副長官名のMemo紹介記事
→https://www.washingtonpost.com/technology/2026/08/08/pentagon-presses-defense-firms-build-weapons-iran-war-depletes-stocks/
主要弾薬の在庫急減関連
「米陸軍ATACMS等はほぼゼロに」→https://holylandtokyo.com/2026/08/12/15399/
「PAC-3とTHAAD在庫急減」→https://holylandtokyo.com/2026/08/06/15351/
「トマホーク能力の代替緊急募集」→https://holylandtokyo.com/2026/08/03/15299/
弾薬の緊急代替追求
「安価CMを5年で3万発」→https://holylandtokyo.com/2026/07/27/15247/
「半値PAC-3を企業が提案」→https://holylandtokyo.com/2026/07/24/15267/
「ウと欧州がペトリの1/6価格で」→https://holylandtokyo.com/2026/07/01/15097/
「日本も迎撃ドローンを」→https://holylandtokyo.com/2026/06/24/15045/
「欧米懇願のウ迎撃ドローン」→https://holylandtokyo.com/2026/03/17/14163/


8月5日、米国防省がSteve Feinberg副長官名で、対イラン作戦で在庫が急減した兵器や将来大量需要が予期される兵器分野の関連企業に対し、21日以内に「重要兵器や装備に関する、迅速かつ積極的な納入スケジュールや増産計画」提出を求める「Memo」を発出しました。