B-1やB-2に続き、やっとB-52に米海軍主導でLRASM搭載へ

間もなく米海軍主導でロッキード社とB-52へのLRASM搭載改修契約を
2019年に一度は海軍がB-52への搭載を試みたが停滞し・・
米海軍はF/A-18のみがLEASM搭載可でF-35BやCへの搭載遅れ中
LRASMの射程900㎞に対し、海軍対艦ミサイルは射程250-500㎞程度

10月7日米海軍航空システム部門が、射程約900㎞の長射程対艦ミサイルLRASM(Long-Range Anti-Ship Missile)をB-52爆撃機に搭載(翼下と機内に計20発搭載可)する契約(関連機体改修やソフト改修と関連試験、機体修理点検機器の改修などを含む)を、ロッキード社と締結する予定だと公示しました。

米軍が保有する最も長射程の対艦ミサイルLRASMの搭載が、F/A-18以外の米海軍艦載機(F-35B型とC型)になかなか進まない中、中国脅威に対処する切迫した必要性から、米海軍がプライドをかなぐり捨て、今年6月27日にB-2ステルス爆撃機(16発搭載可)からのLRASM発射試験を行い、対艦攻撃に消極的な米空軍を国防省の力も借りて説得し、今後30年以上使用されるB-52爆撃機への長射程対艦ミサイル搭載へ動き出しました。

対艦ミサイルLRASMは、空対地ミサイルJASSMの改良版で、JASSMと同サイズのミサイルであることから、JASSMが搭載可能なB-52へのLRASMの搭載は契約が終われば問題なく進むと考えられます。ちなみに、JASSM搭載可能な米空軍機には、F-15、F-16、B-1、B-2、B-52、C-130があり、F-35A(ステルス犠牲の翼下搭載)やB-21次期爆撃機(内部兵器庫)にも搭載準備が進んでいるところです。

「対艦攻撃に消極的な米空軍」とか「F/A-18以外の米海軍艦載機(F-35B型とC型)にLRASM搭載が進まない」と上で表現しましたが、複雑な経緯や背景を探ってみますと・・・

●2015年:米軍が保有する最も長射程(900㎞)の対艦ミサイルLRASM(AGM-158C)完成
(米海軍保有の空母艦載機搭載の他の対艦ミサイルは、射程が250㎞程度のAGM-84 ハープーンと派生型のAGM-84H/K SLAM-ER) 
●2018~19年:米海軍F/A-18と米空軍爆撃機B-1で、LRASM運用態勢準備完了

●その後は、以下の理由で、対中国で重要なはずのLRASM搭載機の拡大進まず
・JASSMとLRASMはロッキードの同じラインで製造され、LRASM製造ペース上がらず。FA-18やB-1用の備蓄に精一杯で、多機種への拡大の実行可能性低く
・空母艦載F-35C型やB型は、LRASMを内部兵器庫に搭載できず、搭載すればF-35のステルス性を犠牲にするため、搭載決心できず、内部兵器庫に搭載可能なノルウェー製の射程最大500㎞のJSM導入を優先

・米空軍B-52はエンジン換装やレーダー換装を伴う機体史上最大の改修(B-52J化計画)に入っており、LRASM搭載改修スケジュール調整に消極的
・米空軍も2024年から、F-35内部兵器庫に搭載可能なノルウェー製の射程最大500㎞のJSM導入開始

●新政権誕生後から、中国海軍の急速膨張(空母や駆逐艦の量産)と、「米海軍の空母艦載機だけでは航続距離と発射弾数が圧倒的に不足」との現実に向き合い、国防省が主導して「軍種間の縄張り」を排除し、米空軍爆撃機による対艦攻撃能力構築(飽和攻撃能力)を最優先に

・国防省がロッキード社にJASSMやLRASMの「第2工場」を建設させ、製造能力倍増計画に合意
・2026年6月27日、秘密裏に準備されたB-2からのLRASM発射試験を、日米共同演習「Valiant Shield 2026」中に実艦艇撃沈訓練(SINKEX)として実施し成功

・F-35Cのステルス性維持優先でノルウェー製JSM導入を優先した米海軍も、「F-35のBlock4ソフトの開発遅延」や「空母艦載機翼下への大型兵器搭載の困難さ」に苦しみつつも、F-35CへのLRASM搭載(最大4発搭載)試験を加速

●2026年9月にロッキード社は、弾頭などをモジュール化して対地も対艦攻撃にも使用可能な「AGM-158 JASSM-FLEX」構想(自主開発で提案)を発表

・JASSM(対地)とLRASM(対艦)で細部別構造となっていたミサイルを「FLEXミサイル」に一元化し、作戦用途に応じ現場で弾頭部を対地又は対艦モジュールを選択して使用可にし、大量生産とモジュール化による兵器近代化を迅速化
・ミサイルの推進装置部分もモジュール化し、航空機発射型だけでなく、あらゆる軍種が地上や艦艇(潜水艦も)や車両からの発射可能な、共通の万能ステルス巡航ミサイルを構想
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「B-52にLRASM搭載試験へ」との小さな報道を、ググって少し掘り下げ、「弾薬製造能力拡大」や「軍種間の縄張り崩し」や「対中国が及ぼす影響」にも触れてみました。それにしても、対中国での長射程対艦ミサイル不足への対応が遅かったですねぇ・・・

またブログ過去記事で「細切れ」にお伝えしてきた内容を、「横串」「横糸」で結ぶことも試みてみました。少しでも皆様の頭の整理に役立てば幸いです。やっと天気も秋らしくなり、体重増加気味の「まんぐーす」でした。

関連の「細切れ」ブログ過去記事
「B-2と海自潜水艦で撃沈」→https://holylandtokyo.com/2026/07/09/15113/

「ロ社が廉価版JASSMやLRASM開発」→https://holylandtokyo.com/2025/03/26/10960/
「ロ社がJASSMやLRASM第2工場」→https://holylandtokyo.com/2023/04/13/4498/

「陸海空自も長射程兵器」→https://holylandtokyo.com/2026/04/08/14387/
「空自もJSM契約」→https://holylandtokyo.com/2019/03/18/6783/

「100歳まで頑張るB-52J型へ改修」→https://holylandtokyo.com/2024/02/27/5575/
「米空軍が30年ぶり外国製ミサイル導入へ」→https://holylandtokyo.com/2024/06/25/5996/

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