2027年度予算案の補足説明資料から読み解く
F-47機体と次世代エンジンNGAP予算の両方が同じ推移
2028年度予算で試験機体を複数同時調達か?
専門家が2029年以降は具体的な製造体制確立EMDへ移行と推定
(EMD:Engineering and Manufacturing Development phase)
F-47開発に関しては、2025年9月に当時のAllvin空軍参謀総長が「2028年には初飛行するだろう:would likely fly for the first time in 2028」との発言以降、2026年2月に米空軍巨大プロジェクト統括責任者のWhite空軍大将が「F-47開発は、2028年中の初飛行に向け極めて順調」と言及したものの、
翌月17日には下院軍事関連委員長である共和党重鎮議員が「2030年代半ばまで運用できないだろう(won’t be available until the mid-2030s)」と「あっさり明言」し、運用開始時期ついて「あいまい戦術」を採っていた空軍幹部を慌てさせていたところでしたが、重鎮議員の発言が「妥当」だと感じさせる解説になっています。
GE社とP&W社が競って実施している次世代エンジンNGAP開発は、当初F-35に搭載予定でしたが、開発遅延と搭載改修経費見積もり爆増で米空軍が2023年に断念し、その後、正式にF-47への搭載発表があったわけではありませんが、戦闘機エンジン開発製造基盤維持の必要もあり、次世代
エンジン開発研究費を予算化し、F-35用エンジンをF-47に搭載可能なより小型エンジンに再設計&開発しつつ現在に至っています。
ただ、世界で3000機程度製造されるF-35と異なり、高価なF-47は米空軍が100~200機程度導入する目途しかなく、安保専門家や国防省関係者が、米国の戦闘機エンジン企業2社体制や高度技術者を維持確保する必要性から、何らかの形で継続的な最先端エンジン開発予算を確保する方策を検討するよう各方面に訴えているところです。
5月4日付米空軍協会web記事によれば
●2026年度以降のF-47とNGAP予算見通しは(27年度予算案の関連資料によれば)


●F-47研究開発予算は、2026年度に約5300億円で、27年度案は7500億円と増加し、28年度には8000億円越でピークとなる見通し。29年度以降31年度までは6200→5000→4500億円と減少に移行
●NGAP研究開発予算は、2026年度に約490億円で、27年度案は770億円と増加し、28年度には1400億円に急増してピークとなる見通し。29年度以降31年度までは1200→530→530億円と減少に移行
●ミッチェル研究所Heather Penney研究部長(元F-16操縦者)は
・予算計画から判断すると、2028年度末である2029年頃までに、米空軍はF-47機体とNGAP両方で研究開発フェーズの困難部分をほぼ完了し、EMD(エンジニアリング&製造開発)フェーズに移行する可能性がある
・米空軍は関連資料で、今後のEMD(エンジニアリング・製造開発)予算の計画額を公表しなかったが、R&D予算の推移からすれば、その後は実戦配備に向け量産技術成熟に向かうのが自然な流れ
・(過去の開発例から、)2028年度の予算ピークはテスト用機体の大量購入を想定した額ではないか。試験用機体導入は研究開発(R&D)費扱いであり、調達(procurement)費ではないからだ。
・ピーク前年度の2027年度予算案には、ネバダ州Nellis空軍基地にF-47用の格納庫や関連インフラ建設予算が約1100億円計上されており、翌年度にテスト用機体を購入するとの仮説と合致する
・また、NGAP予算推移がF-47機体R&D予算と同じパターンであることからも、米空軍がF-47開発に真剣に向き合っていることが再確認できる。米国のエンジン開発は注目を浴びることが少ないが、航空機の優位性を維持するため忘れてはならない
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前政権の計画を覆し、「F-47」や「Golden Dome」や「トランプ級戦艦とGolden艦隊」等の巨大プロジェクトを「次々と」打ち出したトランプ大統領の任期は2029年1月までですから、2027年度予算案での国防費を前年度比1.5倍とした勢いが、2030年度予算以降どうなるかは極めて不透明です
F-47開発が「2028年中の初飛行に向け極めて順調」なのは結構なことですが、超巨大プロジェクト「次期ICBM計画」も含め、遠くない将来に取捨選択を迫られることは避けられない・・・とまんぐーすは思います
F-47関連の記事
「議会重鎮:運用は30年代半ば」→https://holylandtokyo.com/2026/03/25/14198/
「28年初飛行に向け順調」→https://holylandtokyo.com/2026/03/06/14063/
「既に初号機製造開始」→https://holylandtokyo.com/2025/09/25/12836/
「行動半径はF-22の2倍」→https://holylandtokyo.com/2025/05/20/11601/
「ロ社F-47決定に反論せず」→https://holylandtokyo.com/2025/04/25/11392/
「高価過ぎ同盟国は購入不能」→https://holylandtokyo.com/2025/04/22/11201/
「優先度低く予算枠外だった」→https://holylandtokyo.com/2025/04/03/11185/
「ボーイング製 F-47に決定」→https://holylandtokyo.com/2025/03/24/11099/
米国のエンジン産業存続の危機感
「Trump:新エンジン双発の戦闘機開発」→https://holylandtokyo.com/2025/05/19/11613/
「先端エンジン開発継続の必要性訴え」→https://holylandtokyo.com/2024/10/18/6380/
「AETP の F-35搭載を断念」→https://holylandtokyo.com/2023/03/16/4422/
「産業基盤崩壊訴え」→https://holylandtokyo.com/2022/08/24/3562/


5月4日付米空軍協会web記事が、2027年度米空軍予算案の補足添付資料である今後5年間の予算見積を専門家と共に読み解き、次期戦闘機F-47と同機への搭載が予期される次世代エンジンNGAP(Next-Generation Adaptive Propulsion)の各年度毎の予算額が、共に2028年度にピークとなり、その後は減少していく推移を示していると指摘し、F-47の研究開発フェーズが2028年度末の2029年には「峠を越え」、2029年度からは機体製造量産体制に向けたEMDフェーズ(Engineering and Manufacturing Development phase)に移行する模様だと解説しています。