Cope West演習に参加・中国から遠い場所ですが
中国とも近く、米国に塩対応が多いインドネシアですが・・・
天皇皇后両陛下のご訪問とスウェーデンB-1初展開と同タイミング
6月19日、インドネシアに米空軍のB-52戦略爆撃機が史上初めて展開し、12日から22日の間で実施されている米国との戦闘機メインの空軍演習「Cope West」に参加すると、米太平洋空軍報道官が発表しました。スウェーデンにB-1爆撃機が2機展開したのと同じ日の出来事でした・・・
インドネシアに展開(Kualanamu Airport)したB-52は、定例の爆撃機ローテーション派遣「BTF:Bomber Task Force」の一環として、6月14日に米本土(Minot Air force Base, N.D)からグアム島のアンダーセン基地に約200名の要員と共に展開した4機の一部で、乗員の時差解消もそこそこに、インドネシアに初着陸したようです
インドネシアは、多数の島々を合わせると世界で10番目の面積を有し、人口では世界4番目で、世界最大のイスラム国家との位置づけにある国ですが、経済成長著しい東南アジア諸国においても、有望な市場として期待される国の一つで、日本企業の進出も盛んな国です。
難点は、対中国姿勢が不明瞭で、中国と米国など西側諸国を天秤にかけているような「イライラさせる国」である事で、日本との関係では新幹線導入を「どたキャン」し、金に目がくらんで中国製を選択して大後悔している様子が日本のSNSで「面白おかしく」報じられていましたが、突然のびっくり仰天、B-52展開と同じタイミングで日本の天皇皇后両陛下が久々の海外訪問先として選ばれ、現地での歓迎模様が大きく報じられたところです
B-52の初展開を報じた21日付米空軍協会web記事は、ハーバード大研究機関の「歴史的に西側と中国の両方との関係維持を目指してきた国であり、米中間の緊張が高まった際には、インドネシアの非同盟姿勢が試されるだろう」との分析を紹介し、
更に米空軍大学教授の「情勢緊迫時に米国と中国が軍事的対立状態に至った場合にも、似たような周辺国と共に米国側について参戦するとは考えにくいが、課題や懸案は存在しても、意志と創造的な努力で課題を乗り越え、関係を強化することが可能だ」との4月の論文の一節を紹介しています
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一方で5月11日には、同国を訪問した米陸軍参謀総長に対しインドネシア国防相が、「インドネシアは全ての国、特に全てのmajor powers国との関係維持を望んでいる」と強調するなど、「非同盟」を貫く同国の姿勢は、そう簡単には変わらない(変われない)のかもしれません
最近よくASEAN諸国の対米姿勢をご紹介していますが、フィリピンがマルコスJr大統領就任後、米政府報道官が「驚くべき:stunning」と表現したほど米国寄り姿勢を鮮明に打ち出したほかは、インドネシアもタイ(F-35購入希望を米が拒否)も動きが鈍いです。
ただ、習近平や中国外交トップがブリンケン米国務長官との会談を6月21日に受け入れるなど、中国に毒された日本のメディアが報じない中で、「不動産バブル崩壊で中国経済大失速&大混乱」を受け、ひたひたと中国情勢のベースは変化しつつあるような気がします
最近の米インドネシア関係
「インドネシアは米国に塩対応継続」→https://holylandtokyo.com/2023/05/24/4640/
「戦闘機の機種選定」→https://holylandtokyo.com/2022/01/06/2581/
「米軍が活動拠点求め」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-02-16-1
フィリピンとタイの米国関係関連の記事
「米比が33年ぶりに比で空軍演習」→https://holylandtokyo.com/2023/05/08/4597/
「米比2+2とBalikatan演習」→https://holylandtokyo.com/2023/04/20/4524/
「タイがF-35購入拒否される」→https://holylandtokyo.com/2023/05/30/4702/