B-21爆撃機を米軍事メディアはどう報じたか

唯一突っ込んだ観察記事を書いた某編集長の記事より
この道30年John A. Tirpak氏の取材と分析

B-21 Calf.jpg12月2日の夕刻に初披露されたB-21爆撃機に関し、あまりに新たな情報の公開が無かったので、米軍事メディアもこれまでの情報をまとめて改めて紹介する程度の記事しか出ていませんが、まんぐーすの知る限りで、唯一少しは突っ込んだ観察記事を書いているのが米空軍協会機関誌「Air & Space Force Magazine」編集長のJohn A. Tirpak氏ですので、「つまみ食い」紹介いたします

12月2日付で初披露会場周辺等で聞き取りした内容を、そして5日付で正面からのみ遠目で観察した結果から「B-2爆撃機との8つの違い」との記事を米空軍協会webサイトに発表していますので、取り上げます

12月2日付記事によれば
B-21 Cerem4.jpg●オースチン国防長官はスピーチで、「B-21は他の爆撃機より長い航続距離を誇り、作戦遂行地域に拠点を構えて整備支援を受ける必要がなく、(世界中の)どの目標にも対応可能である。最先端の防空システムであってもB-21を探知することに苦労するだろう」
●Andrew Hunter空軍調達担当次官補は、「デジタル設計技術を駆使して、デジタル空間内で既に完成度を高めており、試験用の6機を製造中だが、6機すべてが量産用機体とほぼ同じと考えており、テスト後6機すべてが作戦投入用に部隊配備される」

●国防省高官「『中国の軍事力レポート2022版』発表とB-21の初披露がほぼ同時期に行われたのは、偶然ではないと考えられるだろう」

B-21 Cerem5.jpg●NG社幹部は会場で、「B-2よりステルス性に優れ、ステルス塗装の維持整備性や信頼性でもB-2より優れており、毎日でも完全ステルスモードで飛行できるだろう」、「B-2で機体の継ぎ目等を隠すために使用していた特別なテープが、B-21では不要になった」
●Brown空軍参謀総長は式典前に記者団に、「B-21はhigh cycle aircraftであり、at great frequencyで任務飛行可能だ」

12月5日付記事「B-2爆撃機との8つの違い」によれば
1 Intake(空気取り入れ口)
B-21 B-2 2.jpg●B-2に比較し、エンジンへの空気取り入れ口が細く、機体からの盛り上がりも小さい。十分な空気取り込みが可能か素人は懸念するが、大気の流れを乱さない小さな取り込み口は、大気の流れを乱さず十分な空気取り込みを可能にする
●2018年にRob Wittman下院議員が、B-21は空気取り入れ口からエンジンまでの空気の流れで課題に直面しており、エンジン製造のP&W社とステルス形状確保を優先する設計側で議論が行われていると、極秘の情報に言及して物議を醸した
2 機体の大きさ
●B-21の機体サイズが非公開で、初披露時も正面からしか確認できなかったので正確なB-2との比較は難しいが、B-21がB-2より小さい。翼部分の長さがB-2の150フィートに対し、22フィートは短い

3 機体の厚み
B-21 Cerem.jpg●B-21はB-2より機体の厚さがあり、より大きな兵器搭載庫や燃料タンクが搭載できると推測できる
●期待を支える足が長く、B-2より機体の高さが高い。ちなみに車輪のタイヤは、B-2が4個だったが、B-21は2個である
4 機体表面の滑らかさ
●B-2はステルス性を上げるため、機体表面の滑らかさ確保に苦労して継ぎ目にテープ等を貼る等の対策を行っていたが、B-21表面はキャノピー部分も含め、テープなど使用することなく極めて滑らかに仕上がっている

5 操縦席の窓
●B-21操縦席の窓は、特殊な形状の2枚の台形型と横長の2枚の窓からできており、機体との段差が全く確認できないような一体化が図られている
6 着陸用足を格納するドア
●B-2のようなギザギザ形状のドアではなく、B-21はシンプルな形状のドアとなっている

7 機体先端のくちばし
B-21 B-2.jpg●B-2には機体の先端にくちばしのように見える形状が見られたが、B-21でも同様な形状が確認でき、B-2より長く平らな印象を受けた
8 機体の色
●B-2爆撃機は夜間作戦を想定して「FS 36118 Gunship Gray」色を機体に採用していたが、B-21はそれよりも少し明るい色で、恐らく「FS36375 Light Compass Ghost Gray」色を採用し、昼間の可視光や赤外線放射の低下を狙っているように見える

B-21 N.jpg機体の後方が確認できず、「エンジンを何機搭載しているか?」さえ明らかになっていないが、開発関係者によれば、出来る限り長く隠せるものは隠す方針の様である。

ただし、屋外でのエンジンテストや地上滑走、更に初飛行を行えば高性能レンズで待ち構えるメディアやマニアにより、様々な角度から機体が撮影されることは時間も問題であり、様々な更なる分析が行われるであろう
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クリスマス前の「記事枯れ」の時期で、しつこくB-21爆撃機をご紹介しています。
B-21に関する過去記事も含め、ご覧ください

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