コソボと対立のセルビアが無人機大国へ
中国製やイスラエル製や自国製が増殖中とか
イラン製を発注との情報も・・・
11月21日付Defense-Newsは、「世界の火薬庫」バルカン半島でコソボとの緊張が再び高まるセルビアが、2019年にバルカン半島国家第1位の軍事費を投入し、輸入無人機と自国製の無人機を組み合わせ、半島最大の無人機保有国になっていると紹介しています
セルビアは元々民間機分野(composite aircraft)で航空機産業基盤があるらしく、自国製のISR無人機Vrabacを運用して展示会に出品したりしているようですが、同時に中国やイスラエル等からの輸入無人機も導入運用し、イラン製にも興味を示しているとイラン政府関係者がメディアに語っているようです
同時にコソボ軍との緊張が高まる中、セルビア大統領が最近、「飛行禁止空域」に進入したり、軍事施設に接近するドローンをすべて撃墜せよと命じるなど、周辺国からの無人機の脅威にもセルビアは直面しており、「脅威の変化を最前線で体感している国」とも言える状態にセルビアは置かれています
2020年秋、アゼルバイジャンとアルメニア軍の戦いにおいて、ロシア製兵器で防御するアルメニア軍を、イスラエルやトルコ製の無人機で圧倒したアゼルバイジャン軍の記憶が生々しい中、今年秋には「遅まきながら」無人機の有用性に気付いたロシア軍が、イラン製無人機を急遽導入してウクライナ発電所などエネルギーインフラに大打撃を与える様子が世界に発信されるなど、安価な無人機の「脅威」が「やばい」と広く認識され始めた中での動きです
同記事からセルビア軍の無人機には
●最新無人機としては2020年6月に導入された中型の中国製攻撃無人機CH-92A(行動半径250㎞)
●セルビア製ISR無人機「Vrabac」
●上記「Vrabac」を改良し武装可能にした無人機(40㎜弾薬6発搭載)
●セルビア製空中待機型攻撃無人機「Gavran」(搭載15㎏、30分在空待機可)
●セルビア製偵察無人機Silac 750C
●イスラエル製ISR無人機「Orbiter 1」などなど
(そのほか噂では、ウクライナ軍使用で緒戦で話題になったトルコ製TB2の導入希望を繰り返しセルビアは公言しているが、イラン政府幹部がセルビアはイラン製無人機導入に手を上げている22か国のうちの一つであると発言した以降、TB2の話は立ち消えになった模様)
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いつもにも増して「断片的」な情報でしたが、セルビアのような中小国にとって、「無人機」は軍事作戦に革命・革新をもたらす兵器だとの直感に基づき、無人機活用に邁進する様子をご紹介しました
そしてこんなところから、軍事作戦の大きな変革の波は訪れるのだろうと思います。大国は変化が難しいです。
急速に脚光を浴びる無人機
「イラン製無人兵器がウで猛威」→https://holylandtokyo.com/2022/10/20/3787/
「アゼルバイジャン大勝利」→https://holylandtokyo.com/2020/12/22/348/
「Asia/Africaへの中国無人機の売込に警鐘」→https://holylandtokyo.com/2022/06/16/3339/
「ウで戦闘機による制空の時代は終わる」→https://holylandtokyo.com/2022/02/09/2703/
無人機対処にレーザーや電磁波
「対処用のエネルギー兵器動向」→https://holylandtokyo.com/2022/07/14/3432/
「JCOが小型無人機対処3機種吟味」→https://holylandtokyo.com/2022/05/17/3233/
「2回目:安価で携帯可能な兵器試験」→https://holylandtokyo.com/2021/10/08/2280/
「カタール配備のC-UASと陸軍のIFPC」→https://holylandtokyo.com/2021/06/02/1708/
「1回目:副次的被害小な兵器試験」→https://holylandtokyo.com/2021/04/19/110/
「国防省が小型無人機対処戦略発表」→https://holylandtokyo.com/2021/01/12/295/