3月28日にF-35が展開して約2週間後
現在はF-35とF-15EとF-15Cの3機首@沖縄
4月10日付米空軍協会web記事は、老朽化著しいF-15C戦闘機が徐々に米国に帰還し始めている米空軍嘉手納基地に、4月8日、米本土ノースカロライナ州からF-15Eストライクイーグル戦闘爆撃機が展開し、F-22とF-16が母基地に帰還したと伝えています
F-15Eの展開により、米空軍が昨年11月に嘉手納基地から2年間かけてのF-15C段階的撤退を発表してからの約5か月間で、米空軍の保有する全ての戦闘機クラス(F-15C/Ds, F-15Es, F-16s, F-22s, and F-35s)が嘉手納に展開した事になります
F-15C戦闘機(48機)の撤退発表後の動き
●2022年11月1日 F-15C戦闘機の段階的撤退発表
●同年11月5日 アラスカからF-22(推定8機)展開
●同年12月1日 F-15C撤収第一弾(推定8機)が米本土へ帰還
●2023年1月16日 ドイツからF-16(推定16機)展開
●同年3月28日 アラスカからF-35展開
●同年4月8日 F-22アラスカへ帰還、同10日F-16ドイツへ帰還
F-15Eの嘉手納への到着を受け、同基地の第18作戦群司令官は「F-15Eは既に実戦で証明されたいくつかの特異な能力を備えており、既にわが基地に展開している強固な戦力との組み合わせで、実力を発揮してくれるだろう」と語っています
なお、昨年11月から嘉手納に展開し、4月8日に帰還するまでアジア太平洋地域で活動したF-22部隊は、フィリピンとテニアン島(グアム島近傍)に初展開して第5世代機のプレゼンスを示し、展開期間中に総計1100ソーティーもの飛行を行ったとの事です
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すこし「ひねくれた」表現になりますが、ウクライナでロシアと米軍含むNATOの両方の戦闘機が全く活躍できないことに、米空軍幹部の心中は穏やかではありません
「事態のエスカレーションを避けるため」との大義名分はありますが、ロシアの地対空ミサイルS-400などの強固な防空網を前に、リスクを冒せない現実もあり、米空軍幹部による「航空優勢の重要性が改めて確認されている」などの関連発言には「歯切れの悪さ」が目立ちます
台湾有事の際にも、恐らく「核戦争へのエスカレーションを避けるため、中国本土への攻撃は避ける・・・」との縛りが、少なくとも開戦当初はあるはずで、パイロットの救難救助体制も不十分な中国や台湾正面で、ステルス機であっても戦闘機の活躍場面は限られるはずです
欧州大陸とは異なり、中国が保有する大量の弾道&巡航ミサイルを前に、戦闘機クラスが展開する拠点確保自体が難しい中、「平時」のうちに戦闘機をアピールしておくしかないのかもしれません
嘉手納基地F-15撤退と代替戦力派遣
「アラスカからF-35展開」→https://holylandtokyo.com/2023/04/04/4482/
「ドイツからF-16展開」→https://holylandtokyo.com/2023/01/19/4178/
「第1陣の8機米へ帰還」→https://holylandtokyo.com/2022/12/06/4021/
「米空軍幹部発言から大きな流れを学ぶ」→https://holylandtokyo.com/2022/11/09/3904/
「衝撃、11月1日から段階的撤退」→https://holylandtokyo.com/2022/10/31/3817/
「嘉手納でelephant walk」→https://holylandtokyo.com/2022/11/25/3981/