高市首相が英国を恫喝し今後4年のGCAP資金確保か?

【7月4日追記】
7月1日・日英伊政府機関と3か国企業連合が18か月間の開発契約締結発表
●7月1日に3か国政府機関連合GIGOが、(わずか)1年半だけの契約を約9000億円で締結と発表
●契約発表に際しGIGOは、「契約により、本計画の構想および評価段階の完了、そして更なる詳細設計および開発が可能になる」とのコメント発表
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暫定契約切れ当日に英がGCAP資金含む中期国防投資計画発表
米メディア「高市首相が英国訪問中止を盾に英を脅した」
ただ英国の経済苦境は変らず書面上の合意履行は極めて不透明

7月1日付Defense-Newsは、匿名の関係筋や英軍事メディア編集者からの情報を交え、日英伊3か国の次期戦闘機開発GCAPにおける英国の資金調達目途が立たないために、2025年に締結予定だった3か国政府機関GIGOと3か国合弁企業Edgewing間の機体開発製造請負契約が成立せず、今年4月から6月末までの暫定契約(約1500億円)で辛うじて延命措置されてきたところ、

暫定契約期間の最終日に当たる6月30日に、既に辞任を表明して後任者が決定するまで職務継続中のスターマー英首相が、これも昨年には決定し開始予定だった英国の今後4年間の中期国防投資計画(DIP:Defence Investment Plan)を(生煮えのまま)発表し、その中にGCAP経費(約1.8兆円)も含まれていたことから、この資金計画を基に今後4年間のGCAP機体開発製造請負契約が締結されるだろうと報じました

同記事はこのドタバタの経緯や背景を
●匿名の情報筋によると、中期国防投資計画DIPに含まれたGCAP資金により、3か国政府機関連合GIGOが3国合弁企業Edgewingに対し、7月20日から英国で開催予定のFarnborough航空ショーまでに、機体開発請負契約を与えることが可能となった。

●また英国軍事メディア「Defence Analysis」の編集者Francis Tusa氏は、(首相辞任など与党支持が激減で英国政権が不安定な中、)GCAP資金確保が不確実視される中、イタリアと日本は苛立ちが募り、日本の首相は(GCAP資金確保が確約されなければ、)6月のG7サミット直前に計画していた英国とイタリア訪問の内、英国訪問は中止して仏訪問に切り替えると恫喝してきたと聞いている、と取材に答えた。
●そして同編集者は、日本の首相が訪英中、スターマー首相が英国として関連資金確保にコミットする旨が記載された文書に署名した、と語っている

●ただし同編集者は、スターマー首相が退任直前に、しかもGCAP暫定契約切れギリギリで発表した今後4年の国防投資計画DIPに「リスクが無い」とはとても言えず、英国防省が要求していたDIP増額6兆円が3兆円しか認められなかった上に、
●英国防省は今年のDIP遂行に必要な1兆円の捻出を求められ、更に来年以降で2.3兆円の経費節減を迫られており、これを受けた英国防相が6月11日に怒りの辞表提出に出てスターマー首相辞任表明につながっていることからも、(DIPの実行可能性が高いとはとても言い難く、)英国がDIP発表で示したGCAP資金は、日伊の圧力を当面は緩和するが、(資金確保の)詳細は先送りされている状態(still details to be worked out)だ、と語っている
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Defense-News記事は、スターマー氏の後任が有力視されているAndy Burnham氏は、GCAPへの関与を履行するだろうと書いていますが、英国を恫喝して目先の資金確保を書面上で約束させたとしても、ボロボロの労働党政権とひん死の英国経済の現状からすれば、機体完成目標時期まで約10年もあるGCAPを、少なくとも英国が支えていくことは不可能と断言できます。

英国の今後4年の中期国防投資計画DIPでの主要項目には
●核抑止体制の維持に13兆円
●弾薬補充と生産体制整備に2.3兆円
●ドローン等自律型無人機体制整備に1兆円
●そしてGCAPに1.8兆円

・・・が含まれていますが、英国の脅威対象であるロシアは、元から通常兵器での西側との対峙を実質あきらめ、核兵器での抑止と対峙を中心に据えてきている国家ですし、ウクライナとの戦いで国家が疲弊して通常兵器の脅威が急低下している現状で、英国としてGCAPへの「1.8兆円」は、軍事的合理性から優先度を下げるべき投資分野だと思います。

日本の「戦闘機命派」は、自衛隊の制服組から産業界に至るまで、原点に立ち返って、日本の地理的特性や脅威の変化を真摯に再評価して戦闘機への投資を削減し、高市首相の負担や日本の外交資源の浪費を削減すべく、日本のために行動すべきです。

GCAPと英国関連
「高市首相がG7前に英伊訪問」→https://holylandtokyo.com/2026/06/29/15077/
「3か月暫定契約」→https://holylandtokyo.com/2026/04/06/14400/
「米報道:遅延と経費増」→https://holylandtokyo.com/2026/03/13/14152/
「伊が英国の姿勢を酷評」→https://holylandtokyo.com/2026/02/02/13845/
「英が踏みとどまる」→https://holylandtokyo.com/2024/11/12/6529/
「英伊が日本に:逃げるな!」→https://holylandtokyo.com/2023/02/14/4299/

VOICE7月号が新時代の日本の防衛を特集
「GCAP投資の無駄を指摘」→https://holylandtokyo.com/2026/06/12/14978/

英国はAUKUS枠組みで、豪州への攻撃原潜供給や英原潜派遣で対中国に十分大きな負担を
(AUKUSでの英国による豪州支援全体像説明の防衛省資料リンクもあり)
「西豪州に米英海軍の原潜支援展開施設」→https://holylandtokyo.com/2026/06/15/14989/

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