カメラ映像システムRVS 2.0を他機と非接触で確認
今後2028年導入開始に向け一連の試験を
この不具合解消まで追加75機契約は断固拒否と空軍側
10年以上に発覚していながら、依然として未解決のこの「第一級不具合」は、給油操作員が相手機をカメラ映像システムで視認する際、太陽光や周辺状況によっては、相手機給油口を明瞭に視認できなかったり、奥行き確認が困難等の状況が発生し、給油ブームが相手機に損傷する危険性の他、操作員が使用中に眼精疲労や頭痛を訴える等の問題が発生している件です。
そんなKC-46型機ですが、老朽KC-10退役やKC-135稼働率低下で作戦運用に支障が出始めたことから、不具合を承知の上で時の空軍輸送コマンド司令官が2022年9月に「無理やり(可能な範囲での)戦闘任務承認」を発令し、2年後の2024年10月初旬には中東への実戦派遣が命令されています。そして2025年6月にイラン核施設に巨大貫通弾を落とした「Operation Midnight Hammer」や26年2月末からの「Operation Epic Fury」にも「なし崩し」投入され現在に至っています。
そんなKC-46ですが、米空軍は当初導入計画で188機購入予定だったところ、2025年7月に追加で75機を購入すると発表し、2025年12月に100機目を受領するなど、米空軍が認定した「第一級不具合」を抱える問題機体を、ボーイング社が「のらりくらり」と10年以上も解決できない状態なのに、実質的に「ボーイングの言いなり」で、新システム「RVS 2.0」の導入開始時期も複数回の遅延の後、最近は「2028年から受領」で納得させられているところです。
既に導入済のKC-46への「RVS 2.0」搭載については、ボーイングが「13年必要」とごねたところ、改修キット提供と要領を教えてくれれば、空軍兵士が取り換えるから「7年で完了可能にしてくれ」と要望し、5月上旬にやっとボーイングと合意に至ったとの「聞くも涙」の状況です。
なお、6月2日発表の「RVS 2.0の「最初の飛行試験成功」後について、ボーイング広報担当は「今後作業には、空軍と協力実施する追加の地上および飛行試験、その他の正式な認証活動が含まれる」と説明するのみで、「2028年から空軍へ提供開始」までの具体的なスケジュールは明らかになっていません。
米空軍側は「強気の姿勢」を示すためか、他にも残っている「第一級不具合」の「給油ブームが固着してA-10攻撃機等に給油できない」問題等への各種対応が完了するまで、75機の追加購入契約は締結しないと断固主張しているそうですが、過去記事でも扱っている「グダグダ経緯」を見返すまでもなく、空軍は「足元を見られている」のが実態です
更に、受領済みのKC-46稼働率が、最新データの2024年で「64%」と低く、空軍幹部が5月中旬の米議会で「依然として機体の即応性問題を抱えている」と認め、空軍とボーイング社は「短期的に約6%の稼働率向上を図り、、2030年までに20%以上の稼働率向上を狙っている」と苦しい説明を強いられている現状もあります。
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KC-46の開発製造は、契約当時は画期的と言われた「固定価格契約」に基づいて進められ、ゆえに、複数の「第一級不具合」改善は「ボーイングの自腹経費」となっており、既にその総額は「数千億円」と言われています。当時のボーイングCEOによる「実行可能性無視」の「契約確保追及姿勢」が元凶とされていますが、企業の実態を見抜けず、「固定価格契約」の夢に目がくらんだ空軍側の責任も指摘されています
ちなみにKC-46を導入している国は、米国以外では日本とイスラエルだけで、日本は2025年10月までに当初計画の6機を受領完了し、今後は15機体制に増強する方向です。イスラエルは今年5月27日に1号機を受領したばかりで、計8機体制を予定しています。RVS不具合の航空自衛隊への影
響については全く耳にしていませんが、大丈夫でしょうか?
米国以外の最新型空中給油機市場は、欧州エアバス社開発のA330 MRTTが9割以上のシェアを占めており、西側主要国(英・仏・豪・韓・シンガポール・中東諸国等々)で高い評価を受けているところです。
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6月4日、KC-46A空中給油機を開発製造しているボーイング社が、導入開始当初の2016年に発覚した給油操作員が給油相手機を視認するカメラ映像システムRVS(Remote Vision System)の「第一級不具合」に関し、改善用の新システム「RVS 2.0」の給油相手機との接触を伴わない「最初の飛行試験」に成功したと発表しました。