米空軍改革：教育訓練体系の改革現状

新しい「Airman Development Command」の準備状況
何が変化するのか中身が見えませんが・・・
Allvin 米空軍参謀総長へのインタビュー記事から

12月4日付米軍協会 web 記事が、米空軍大改革の3本柱の一つ「教育訓練体系の再整理」に関し、Allvin 米空軍参謀総長へのインタビュー等々を踏まえて進捗状況を紹介していますので、新しい組織の名称紹介が主になって、変化の中身が良く分からないですが、とりあえず取り上げます

何度もご紹介していますが、米空軍大改革は大まかに、「新規装備品構想や開発管理を一手に担う新コマンド Integrated Capabilities Command 創設」と「即応態勢の向上」に、「ACE構想実現のための兵士多能化等を目指した教育訓練体系改革」を加えた3項目から構成されています。

米空軍が2月発表した「教育訓練改革」概要は
●現在の教育訓練コマンド「Air Education and Training Command」を「Airman Development Command」に改編し、ACE構想（Agile Combat Development）に基づく作戦運用が実施可能となるよう、「Mission-Ready Airmen」養成を目指し、新兵教育から上級者レベル教育まで一貫（ゆりかごから墓場まで）した教育訓練体制を構築する。
●その際、従来の「多能力兵士 Multi-Capable Airmen」養成との認識でなく、多能力兵士が標準との認識を表現する「Mission-Ready Airmen」との言葉で表現する兵士育成を目指す。

●IT分野とサイバー分野にとりあえず限定し、空軍内で最初に上級レベルの高い練度を保有する兵士に「Warrant Officer：准尉」の階級を創設し、能力相応の給与水準向上を目指すだでなく、専門技能分野に特化した高い技量を伴う専門家のキャリアパスを、通常の士官養成とは異なるルートで設定可能にする
（なお、この准尉創設（厳密には復活）は、2月の復活発表から1期生教育完了まで296日との迅速さで行われた）

4日付米空軍協会 web 記事は最新状況に関し、
●2025年に「Air Education and Training Command」が改編され、「Airman Development Command」が創設される
●新コマンド創設に先立ち、既にいくつかの新組織が現コマンド内に創設され、初期運用体制を確立している。例えば・・・

・12月2日に、土官入隊と募集サービスを統合した入隊センター（AFAC: Air Force Acces sions Center）が初期連用能力を獲得

・専門技能の集中育成を目的とした、計7つの「Center of Excellence（CoE）：卓越センタ一」を開設予定
・・開設済→今秋から運用「Flying CoE」、12月から活動「Enterprise Learning Engineering CoE」
・・今冬中に開設 CoE→「Institutional 組織制度？」「Information Warfare」「Logistics」「Command and Control」「Combat Power」

●Allvin 参謀総長はインタビューで、「注目を集めたり、見出しを飾る性格の改革ではないが、人的戦力開発を一元化することは、兵士の即応体制準備の効率化と加速に貢献する」、「新コマンドは、空軍組織全体での兵士の生涯にわたる戦力開発を司る」、「全てのプロセスは規定に沿って国防省から米議会に申請され、審議されている」と改革の進展に自信を示しています

別の改革項目「即応態勢確保」関連で同大将は
●航空任務部隊（Air Task Forces）を創設し、平時から前線派遣を前提とした指定部隊の体制準備を行っている。
●11th Air Task Forceは現在、フロリダのTindal 基地で敵攻撃を受けた際の「機能維持と戦力回復」訓練を実施中で、12th Air Task Forceは現在、陸軍 Fort Bliss で「部隊防護」訓練を行っており、来年初めに「11th」と「12th」は、場所を入れ替えて即応体制強化訓練を続ける。
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