世界最大の武器輸入国インドを巡る米露競り合い
ロシア製兵器中心から米国製や自国産追及開始の印は
印首相の2月訪米時にトランプ氏がF-35提供約束!?
印航空ショーでF-35とSU-57 が揃い踏みアピール
インドは2008年から23年の間の世界最大の武器輸入国で、世界の武器輸入の10%を占める巨大市場ですが、同期間の輸入先は 62%が露から、11%は仏から、10%は米国から、7%はイスラエルからとなっていました。ただ 2019年から23年で見ればロシアからの輸入は36%で、それ以前の4年間から 3割以上も露兵器の輸入は減少し、米国製兵器輸入が増加傾向にありました
米国からのインドへの輸出品には、C-130J、C-17A、P-81哨戒機、CH-47F 輸送へリ、MH-6OR やAH-64Eへリ、ヘルファイアやスティンガーやハープーン対艦ミサイル、最近では31機の無人攻撃偵察機 MQ-9の6000億円契約成立が話題となっているところです
そんな中の2月に訪米したモディ印首相は13日にトランプ大統領と共同声明を発表し、「米印の戦略的利害一致傾向が深まっている」との認識を共有しつつ、両国は防衛関係前進のため、2025年後半に新たな10年間の防衛協力枠組みへの署名を予定していると明らかにしていますが、
最も注目を集めたのは、共同声明で米側が「印への第5世代戦闘機の提供政策を再検討している」と述べ、トランプ氏が「最終的にインドにF-35を提供する道を切り開く」と発言したことで、機密性の高いF-35をディール材料にするトランプ氏の姿勢が、印露の緊密な車事関係を知る世界の関係者を仰天させました。
もっとも、ベンガル開催の航空ショーでは、兵器の国産を推進するモディ印首相肝いりで 2034 年導入を目指すインド製第 5世代先進戦闘機(AMCA:Advanced Medium Combat Aircraft)の実物大模型が初展示され、派手なデモ飛行を見せたF-35とSU-57の売り込みが、単純な2者択一ゲームではないことを世界に印象付けています。
また専門家は、インドが国内工場で製造している露設計の主力戦闘機Su-30MKIが組み込まれた戦術ネットワークに、米国だけでなく西側の中核戦闘機F-35を組み込むことは到底容認されないだろうと見ており、米印首脳会談でのトランプ氏の売り込みにどこまで勝算があるのか「?」と見られているようです。
/////////////////////////////////////////////////////////
このほか同記事は、インドが中国との航空戦力差を懸念していること、インドが次年度国防予算を9.5%増の12兆円規模にすると2月に発表していること、ロシア側は現在Su-30MKI を製造しているインド国内工場でSU-57を製造可能だと売り込んでいる点などを紹介しています。
モディ印首相の訪米は、石破首相の訪米直後だったと思いますが、トランプ大統領就任を受け、世界はさまざまに動いているということです。
少ないですが米印関係の過去記事
「米印空車演習にB-1が印再展開」→https://holylandtokyo.com/2023/04/17/4528/
「2021年米爆撃機が75年ぶり印へ」→https://holylandtokyo.com/2021/02/10/259/
「印戦闘機選定に特別仕様F-16で」→https://holylandtokyo.com/2019/02/28/6811/

