米空軍弾薬ロードマップのイメージは?

担当准将が「mix-and-match」方式を念頭にと
目的に応じてシーカーと弾頭と推進装置を組み換え
軍需産業と綿密に事前協議して基盤安定と効率化を

munitions roadmap3.JPG昨年末あたりからKendall空軍長官など米空軍幹部が言及し始めた「弾薬ロードマップ:Munitions Roadmap」について、担当するJason Bartolomei空軍准将が米空軍協会のインタビューに答え、情勢変化に応じて柔軟に弾薬調達は進める必要があり、目標に応じて柔軟に対応可能なシーカーや弾頭や推進装置を組み換え可能な「mix-and-match」方式を追求したいと語っています

同准将は元々空軍司令部弾薬部長ですが、2022年秋に空軍長官から「Munitions Crosscutting Operational Enabler, or COE」に命じられ、同ロードマップとりまとめの共同責任者に就任しているとのことです

munitions roadmap2.jpg2024年度予算(2023年10月以降をカバー)は「暫定弾薬ロードマップ」で予算案を組みつつあるが、同ロードマップは主に今後5年間に焦点を置きつつも、その先の展開も見据えて柔軟に変更する「生きた文書」ととらえ、その中では「very well be modular」であることを追求すると慎重に語っています

同准将は、同ロードマップが柔軟に修正しつつ活用される性質のものであることから、公開版を作成するかについて回答を避けていますが、作戦運用者と兵站調達関係者等々が一つになって慎重にニーズを検討して進めるべきものだと表現しています

munitions roadmap.jpgそして、同ロードマップ作製チームは、作戦運用、情報、調達、科学技術分野からそれぞれの担当専門家が参加して編成されており、一時的なチームではなく、継続的に本件を米空軍全体の視点からフォローしていくパートナーとして存在しており、新たな技術情報や考え方が絶えず注入されているチームだとも語っています

また同ロードマップの大きな方向性として同准将は、「open systems architecture and modularity」導入を前提として、多様な目標に包括的対応が可能となるような、シーカーや弾頭や推進装置の「mix-and-match」方式が適していると語っています

munitions roadmap4.jpgそしてそこでは、チームの各担当者が軍需企業とより協力分野を絞り込み、組み合わせるパーツ選定に注力して製造コスト減につなげつつ、各パーツのシステム融合が可能となるような意思統一に努力して、全ての作戦ニーズに対応可能な形を目指していると説明しています

同時にLaPlante調達担当国防次官が最近強調している、弾薬調達予算が安定せず、原材料調達や機器や人員がきわめて非効率に投入されてきた歴史的事実及び、ウクライナ事案から痛いほど学んだ安定的で有事増産に対応できる弾薬製造基盤の重要性を踏まえた、将来の弾薬ロードマップが考慮すべき要素も加味されていると1月20日付米空軍協会web記事は紹介しています

更に同ロードマップが同盟国等の役割も含め規定しているかとの質問に対し、同准将は検討対象で関心を持っていると慎重に言葉を選びつつ、同ロードマップ検討が米空軍のみならず、米海軍や同盟国等の広範な理解が必要な大きなタスクであるとのみ語っています
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Kendall air force.JPGKendall空軍長官は昨年12月のCFR講演で、弾薬だけでなく、輸送機&空中給油機、そして電子戦を極めて重要な「cross-cutting capabilities」としてロードマップ作成を指示していると語っており、同准将もトップの強い意向を受け努力しているところです

同准将の述べた方向性は「なるほど」と思わせる内容ですが、インタビューでは「情勢に応じて変化すべきもの」、「当面5年間を見据えつつ」などと、長期的な縛りは避けたいとの思いもにじんでおり、空軍長官に対する「面従腹背」的な印象もぬぐえません(完全なマングースの邪推ですが・・・)

弾薬というものは、主要装備の「残予算」で、「おまけ」「付け足し」「つじつま合わせ」で購入されてきた黒歴史を持つもので、その流れを硬直的な軍社会で帰るのは容易ではない・・・ということです

米国情報機関トップのDNIが語る
「露は弾薬不足に対処できそうもない」→https://holylandtokyo.com/2022/12/08/4032/

弾薬量の圧倒的不足
「米軍は弾薬にもっと予算配分を」→https://holylandtokyo.com/2022/12/02/3990/
「賛否交錯:輸送機からミサイル投下」→https://holylandtokyo.com/2022/11/15/3936/
「弾薬不足:産業基盤育成から」→https://holylandtokyo.com/2022/10/19/3758/
「ウ事案に学ぶ台湾事案への教訓9つ」→https://holylandtokyo.com/2022/03/15/2806/
「Stand-inとoffのバランス不可欠」→https://holylandtokyo.com/2020/07/01/562/

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