Bayraktar TB-2で「ウ」やアゼルバイジャンで名をはせた企業
自社投資開発で自由にどんどん改良予定
兵器搭載量3300ポンドで空対空や空対艦M搭載可
12月14日、ウクライナやアゼルバイジャン軍で大活躍した無人機Bayraktar TB-2製造で世界的名声を得たトルコの無人機メーカーBaykar Tech社が、自社開発の自称無人機戦闘機「Bayraktar Kizilelma」の初飛行に成功し、その映像を公開しました。
同機は2021年夏に構想が発表され、2022年9月にプロトタイプ用エンジンの融合試験や地上滑走試験を行い、初飛行を2023年に実施すると同社が発表していましたが、自社投資独自開発である自由度を最大限に生かし、予定を大幅に早めて14日の約18分間の初飛行となった模様です
製造企業発表の初飛行動画(1分20秒:トルコ語)
初飛行したのはプロトタイプ機で、今後エンジンをアップグレードする構想など開発の方向性は様々に検討されており未確定な点が多いのですが、とりあえずBaykar Tech社やネット上で共有されている「Bayraktar Kizilelma」の概要について、ご紹介しておきます
19日付Defense-News記事等によれば
●プロトタイプ用のアフターバー無しのエンジンを1基搭載した機体は、巡航速度0.6マック、最大速度0.9マック、行動半径500nm、連続飛行時間5時間、上昇高度4万フィートの性能
●完全自動で離着陸が可能で、短距離離着陸性能に優れ、強襲揚陸艦甲板での運用も可能と同社はアピールしている(カタパルトなしでスキージャンプ離陸可能か不明)
●米軍が開発のXQ-58に見られるような、エンジンノズル部分にステルス配慮は無いが、ステルス性を追求しており、ステルス性と相反する機動性確保のためカナード翼を装備(中国のJ-20のようだと下の映像は解説)
●兵器搭載量は3300ポンドで、ステルス維持のため機体内部弾薬庫を保有し、翼下のパイロンも含めると、トルコ国産空対空ミサイルや対艦巡航ミサイルが搭載可能
●AESAレーダーを搭載し、他のISR装備も搭載可能と言われており、また衛星通信で操縦すると同社は公表しているが、地上から主に管制するのか、飛行中の有人機から操縦するのか等の運用構想など細部は不明
●今後より強力なエンジンを搭載して超音速飛行可能な形態を目指し、将来的にはエンジン2基搭載型も検討されている模様
●今年夏にはBaykar Tech社長が、コスト面を度外視した開発は行っておらず、安価に大量導入が可能な機体開発を目指している・・・と語っている
軍事YouTubeサイトの同機紹介(8分15秒)
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映像で紹介されている同機開発責任者がとても若く(40代か?)、初飛行を前倒しで行う積極性に開発の勢いを感じます。
米空軍が取り組む無人機ウイングマンCCAのような性能レベルなアセットだとは思いませんが、十分に脅威であり、柔軟に色々な用途に改良して発展していきそうな気がします。今後の展開に注目いたしましょう
Baykar Tech社無人機TB-2が大活躍
「ウクライナでも大活躍」→https://holylandtokyo.com/2022/03/05/2787/
「アゼルバイジャン軍の無人機大戦果」→https://holylandtokyo.com/2020/12/22/348/
米空軍の無人ウイングマンCCA開発
「研究機関のACP提言」→https://holylandtokyo.com/2022/12/15/4056/
「自立型や群れ開発格上げ」→https://holylandtokyo.com/2022/11/22/3948/
「Broun参謀総長まだまだやることあり」→https://holylandtokyo.com/2022/09/08/3614/
「空軍長官:1機数百億円」→https://holylandtokyo.com/2022/05/09/3193/