豪とボーイングの無人ウイングマン初号機披露

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豪首相が出席して大きくアピール
これから地上試験し、年後半に初飛行へ
米空軍のXQ-58A計画と並ぶ無人僚機構想海外版

Airpower Teaming System.jpg4日、シドニーで豪州空軍とボーイング社が取り組んでいる無人ウイングマン構想試験機の初号機(3機セットの1番機)の披露式典が開催され、豪州のScott Morrison首相も出席して「豪州と豪州の国防革新における歴史的瞬間になった」と挨拶して場を盛り上げました

まだ4月に組み立てられたばかりのホヤホヤ状態の機体で、今後地上での試験を開始し、今年後半には初飛行をもくろみ、各種飛行試験を通じて、まだぼんやりしている「無人ウイングマン」なる構想をどの方向で具体化して戦力化するかを煮詰めるようです

豪州にとっては「Loyal Wingman Advanced Development Program」との計画ですが、ボーイングとしては世界市場を対象にした「ATS:Airpower Teaming System」開発の一環であり、他国への売り込みの弾みにしたいところのようで、このような派手なお披露目となったようです

XQ-58 Valkyrie.jpgこの無人ウイングマン機は安価で犠牲になっても負担が少ないながら、AIで自律的に飛行し、編隊長機と共に行動して編隊任務を遂行し、空飛ぶ弾薬庫や高性能センサー機であったり、電子妨害に特化した役割を担うことなどを期待されており、任務に応じて様々な機能をモジュール化して機体に組み込んで多様な任務に応用するなどのイメージもあるようで、様々な構想がどこまで可能かを多様な試験を通じて確認するようです

無人ウイングマンには、米空軍もSkyborg構想で取り組んでおり、空軍研究所とKratos Defense and Security社が協力開発したXQ-58 Valkyrieが2019年3月に初飛行し、2023年の実用化を目途に試験検証を行っているところですが、本日はボーイングが海外での最大の無人機投資と力を入れる豪州版無人ウイングマン試験機の様子をご紹介いたします

5日付Defense-News記事などによれば
初号機が公開されたATSは、昨年2月に豪州エアショー@アバロンで模型が展示されたばかりだが、迅速に実機の製造が進んだ。初号機は長さ38フィートで、先端部分は8.5フィートの取り換え可能なモジュールとなっており、使用者の要望により多様なセンサーやシステムを搭載可能となっている点をボーイング担当者はアピールしている

Airpower Teaming System2.jpgATSのステルス性について同社は言及を避けたが、「当然重要な検討要素の一つであり、もう一つの重要な要素である価格とのバランスを考え仕上げていく」と述べるにとどめ、最大のライバルであろうKratos社のXQ-58 Valkyrieとの競争も意識している様子である(注:XQ-58Aは100機以上で1機2億、それ以下で3億と言われている)
同社は価格低減への新技術について、4つしか可動部がないシンプルな形状としたことや、「digital twin」とのバーチャルな機体で設計や維持整備上の諸検討を進めていることや、同社として最大の樹脂混合の機体構造部材を使用して加工を容易にしたことなどを説明した

飛行試験での検証ポイントとして同社は、有人機が無人ウイングマンを細かに操縦する必要のない自律性を持たせることは既定の方向だとしながらも、無人機側から有人機側にどの程度の情報を送信共有させるかや、何を飛行中の有人機から指示させるか等々の程度を煮詰める必要があると語った
豪空軍Mel Hupfeld参謀総長は式典で、「このプロジェクトは、軍需産業との協力で何をなしうるかを示す、革新的で極めて優れた事例である」と述べ、豪州企業35社が試験機製造にかかわり、ボーイング社が全社の英知を結集して迅速に具体化した同機への期待の高さを表現した

ボーイングは同時に、米国防省ともATSの活用について話し合いを進めており、特に先端部の交換可能なモジュール部分を、今後米軍内でも煮詰められていく無人ウイングマン構想に応じて、アレンジして提供するなどの可能性がある
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無人ウイングマンは、米空軍の将来制空構想NGADや次期制空機PCA議論に必ず登場する重要なパーツです。米豪が協力し、分担して進めているとも考えられます。本当は日米でもやりたいのでしょうが・・・日本は・・・

Airpower Teaming System3.jpg中国やロシアを想定した「強固に防御された空域」での作戦では、有人機への被害を避けるため、有人機とともに行動し、または有人機に先行して犠牲をいとわず任務を遂行するプラットフォームが求められています

このコンセプトは海上作戦での無人艦艇でも同じですが、具体的に有人機と無人機の任務分担や、AIにどこまで制御させるかなど、具体的な活用法は今後の課題となっています。末尾の過去記事もご確認ください

まぁそれでも、無人機が離陸する根拠基地が敵の攻撃目標となることは間違いなく、その点での課題は克服できるものではありません

無人ウイングマンの位置づけ
「日米が協力すべき4分野」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-18
「戦闘機族ボスがNGADを語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-28
「CSBAの米空軍将来提言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-24
「連接重視で航空アセット削減へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-28
「次期制空機検討は急がない、急げない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-19
「米空軍が次期戦闘機検討でギャンブル」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-05
関連の記事
「豪州とボーイングが共同で」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-2
米空軍の計画
「米空軍の無人ウイングマン構想」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-27
「XQ-58AのRFI発出」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-04-06
「XQ-58A 初飛行」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-09-1
「空母搭載の小型無人機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-03-03
「空軍研究所が関連映像公開」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-31-3
米海軍を巡る動きと議論
「米国防省が空母2隻削減案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-22
「米海軍が半年で空母再検討」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-12
「CSBAが提言:大型艦艇中心では戦えない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10
「5年計画で新型大型艦艇設計」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-14

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