米空軍のF-16後継や将来検討に進展なし!?

昨年の2030年代も使用発言が、14日には2040年代までと
現有約900機で、2030年時点でも約700機以上保有

F-16 Viper2.jpg8月14日、米空軍マテリアルコマンド主催の「Life Cycle Industry Days」でF-16担当幹部が講演し、2021年5月頃にBrown空軍参謀総長らが表明した「将来戦闘機体系の検討開始」の中で示唆された、F-16後継想定のMR-X(malti-role Fighter)開発やT-7練習機の改修に関する指示は全くないと述べ、依然として米空軍司令部や戦闘コマンドACC検討チームの掌中にあると言及しました

そして、約20年間の延命を可能にする1機数億円相当のF-16への延命改修SLEP(service life extension program)改修はほぼ終了し、現時点で約900機保有で、2026年までに124機削減しても2030年時点で700機以上保有しているF-16は、2040年代まで現役として活躍しているであろうと表現しました。

F-16 Viper5.jpgこの「2040年代にも」との表現は、昨年5月頃に将来戦闘機体系検討の話が出た当時の「2030年代にも」との表現を一歩拡大したもので、2030年代半ばに登場が示唆されていた「MR-F」検討に新たな指示なしとの話と合わせ、予算難の米空軍にあって、今後も多様な任務に対応可能なF-16が重宝されそうな方向に益々傾いていることを示しています

具体的に同イベントで担当空軍幹部は・・・
●F-16計画担当リーダーTim Bailey大佐
「我々は2040年代に入っても、数百機のF-16が現役として活躍していることを予期している。」

●戦闘機担当計画執行責任者Dale White准将
White F-16.JPG「F-16後継機検討開始に関する指示は一切受けていない。MR-FやMR-Xと呼ばれるものや、T-7練習機の改修案などに関しても、米空軍マテリアルコマンドには一切要望は届いていない」

※ なお、MR-Fに関してBrown参謀総長は2021年5月当時、「5世代機マイナス」「ステルス機は意図していない」「必ずしも高い生存性は求めていない」「費用対効果」と表現し、当時のACC司令官Homes大将はT-7練習機を武装することも一つのオプションで、資金や維持整備能力に限界のある諸外国への輸出用にも可能性があると発言していました
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ちなみに、2021年5月当時の将来戦闘機検討の方向性は

現在の7機種から「4機種+1」へ
・「4機種」とは、F-22後継イメージのNGAD、F-35、F-15EX、そしてF-16かその後継機
・「+1」はA-10攻撃機

2021年から今後10年の方向性
(2021年5月14日付米空軍協会web記事報道)
・米空軍が旧式アセット早期引退を急ぐ背景
— 航空アセットの44%が当初の運用寿命オーバーで使用中
— 米空軍航空機の平均年齢は28.6歳 老朽化
— ちなみに米陸軍は15.3歳、海軍は14.4歳
— 豪空軍は8.9歳、英空軍は16.6歳
・以下の早期引退進め、近代化加速でも、年間7-8千億円資金不足

・米空軍が2026年までに退役させたい戦闘機421機
(以下の退役規模は2010年初頭の250機以来の規模)
— F-15C/Dを234機、F-16を124機(残り812機に)
— A-10を63機 (ただし2023年までに:現281機)
・一方で2026年までに新規導入希望304機
— F-35Aを220機、F-15EXを84機

・F-22は2030年から退役開始
— NGADが後継となる方向
— 今も近代化改修中も、20年後はハイエンドで戦えない
・F-15EXの方向性
— 2022年に11機、23年に14機、その後年19機導入
— 遠方からハイエンド紛争に参画、それ以外では制空任務も
— 極超音速兵器や、空対地ミサイルAGM-183A・ARRW搭載へ
— また中国の長射程空対空ミサイルPL-15に対抗
長射程空対空ミサイルAIM-260搭載か

・維持費高止まりのF-35調達ペースは
— 2022年度は48機要求も、以後2023-26年は年43機ペースに落とす
— これにより2023-26年調達機数を240機から220機に削減
— 当初の年間1機維持費見積4.5億円だったが、現時点では2036年でも8.5億円
— F-16とA-10全ての後継機のはずが、維持費下がらず方向転換へ
— 一応空軍は「Block4」が完成したら調達ペース上げると言い訳

・2035年頃から導入MR-X(malti-role Fighter)
— 約600機のF-16後継をイメージ。6-8年後から検討開始
— デジタル設計技術導入で、開発期間短く、短期間使用で維持費抑制
— 早いサイクルで次世代機導入で陳腐化避ける
— ハイエンド紛争には限定的役割も、多用途で任務あり
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LCID.jpgF-35のエンジン問題(AETPへ換装か、現F135改修か)や、NGADが1機数百億円するとのKendall空軍長官発言もあり、とても戦闘機の将来体制を議論する余裕がないのが現実でしょう

対中国作戦での戦闘機操縦者の救難救助体制再構築も全く見通しが立たない中、今年の夏も盛りを過ぎようとしています・・・・

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