ロッキードがF-16人気でニンマリ

21日の投資家説明会でCEOが発言
F-35はサプライチェーン混乱もF-16は影響小

Possenriede.jpg21日、ロッキードが投資家向け収支報告会を実施し、CEOのKenneth Possenriede氏が、F-35を購入できない国々からのF-16人気が強く、同機への発注が「新たな波」となってくるだろうと語り、またF-16製造に関係するサプライチェーンもコロナの影響が軽微で、F-35と異なりほとんど影響がないと説明しています

サプライチェーンに影響が少ないのはF-35が共同開発国を繋ぎ留めるため部品製造拠点を各国に分け与え、米国内でも広く議員の支持を集めるため全米50州に部品生産を分散させた影響が出て混乱している推測される状況とは対照的に、冷たく扱ってきたF-16生産は効率重視で、部品製造拠点を集約したのが「吉」と出たものと邪推しています

F-16.jpg記事は、今後F-16を購入する可能性がある具体的な国名として、正式に契約や発表があった以外も含め、バーレーン、ブルガリア、スロバキア、ボツワナ、台湾、モロッコ、エジプト、アルゼンチン、チリ、インドネシアを挙げており、200機以上は固い雰囲気です
F-35への各種資源集中で、冷や飯を食わされてきたF-16ですが、ここに来て母屋を支える孝行息子となり、交代したばかりの新CEOを喜ばせる働きを見せ、欠陥旅客機とコロナでの民航機需要激減で苦境に苦しむボーイングとは対照的な春を、ロッキードにもたらしているようです

22日付Defense-News記事によれば
21日、ロッキードCEOは四半期に一度実施される「earnings call:投資家向け収支報告会」で、F-16への関心の高まりが波となって訪れつつあると述べ、アフリカ、南米、東南アジアなどを示唆しながら語った
同CEOは「率直に言うと、現時点でF-35を購入する余裕がない国々にとって、F-35への移行の中間的な需要を満たすためにF-16がちょうどよい役割を果たしているように感じている。決してF-35とF-16が競合関係にあるわけではなく、相互補完関係にあると思う」と説明した

Possenriede2.jpg●またCEOは、F-35と異なり、F-16の製造ラインにはコロナウイルスによるサプライチェーン問題がほとんど発生しておらず、F-35ラインで発生している数か月の製造遅延は見られない、と述べた
昨年同社は、テキサス州でのF-35生産拡充に向け、F-16製造ラインをテキサス州からサウスカロライナ州へ移転したが、そこで2018年に受注したバーレーン向け70機の「Block 70型」の製造を行っており、バーレーンとの契約後に受注した、ブルガリア用6機、スロバキア用14機、そして米国政府が調整している台湾向け66機も、順次生産に入る

●同CEOは、「相手国からの発表許可が出ていないので具体的な国名には触れられないが、他にも契約に向け詰めの交渉を行っている国がある。南米や東南アジアの国がF-16に関心を持っている」と述べるにとどまった
航空宇宙産業評論家のRichard Aboulafia氏は、F-16関連の交渉が現実する可能性は高いと述べ、「ロッキードはここしばらく、将来はF-35しか無いとの頑なな姿勢で、高価なF-35を購入できない国を忘れ去ったかのような態度だったが、F-16のような4世代機には確固とした需要がある。ロッキードがこの市場を顧みなかったのは誤りだった」とコメントしている

F-16 2.jpgアフリカ市場で契約が成立する可能性が高いのが、以前から戦闘機に関心を示しているボツワナで、そのほかにはF-16を既に納入しているモロッコとエジプトに更新需要がありそうで、モロッコへは2019年に米国務省が輸出許可を出し、新型機と既存機改修の交渉が進められているはず、と同氏は述べた
また南米では、長年アルゼンチンへの売り込みが行われているが、チリへの第2弾の売り込みの方が成立の可能性が高いと同氏は分析している。更にアジアでは、インドネシアへの売り込み成功の可能性が最も高い、と同氏は見ている
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記事では「F-16を忘れ去り、ひどい仕打ちをした」との評論家の言葉が紹介されていますが、F-35開発が大炎上状態であったことから、F-16に手が回らなかった・・・との見方もできましょう

4月21日に時点では、既にコロナ感染による「第2の世界恐慌」との表現も使われ始めており、ロッキードの皮算用に投資家の皆さんの反応がどうだったのか気になるところですが、少なくとも、公的資金投入をトランプ大統領に泣きついたボーイングよりは大丈夫・・・ということでしょう

F-16関連の記事など
「F-16生産拠点移設であと200機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-3
「米軍F-16延命へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「稼働率8割はF-16だけが達成見込み」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-06
「インド機種選定に特別仕様F-16で挑む」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-02-22
「台湾F-16V型ようやく納入」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-27-2
「哀愁の台湾F-16能力向上」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-23
「ボーイングへの公的資金投入」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-18

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