夏の後半までテストには必要とののんびりムード
敵に5Gで妨害を受けることを知られたくないのか???
米国の民間通信企業による5Gサービス開始に伴い、民間航空機の電波高度計に干渉して精度に影響が出るとして、ボーイング777型機の運航が停止なったり、空港周辺での5Gサービス開始延期が決定がなされるなどドタバタが米国内で起こっていますが、米軍はゆっくり夏後半まで影響を検証するようです
米国の通信大手Verizon とAT&Tは、19日から全米で5Gサービスを開始し、4Gよりも早く大容量の通信を売り出していますが、17日に運輸長官・連邦航空局長・連邦通信委員長等が連名で通信会社に電波高度計への影響リスクを訴え、主要飛行場の2マイル以内では5Gを提供するなと書簡を出した結果、上記通信覆大手2社は空港周辺での5Gサービス開始を当面延期すると18日発表するに至りました
一方で同じ電波高度計を使用する米軍基地周辺での5G運用制限については、米空軍も、上記通信大手2社もメディアに回答せず、状況が良くわからない状態にあります
2021年初のCバンド電波オークションの際も、米国防省として断固阻止する姿勢は示さず、影響を局限する方向を追求するとの態度を示しており、なんとなくもやもや感があります
本件に関し米空軍報道官は、「米国防省は連邦航空局と連携して5G問題に対応している」、「JI-FRAI(Joint Interagency FiveG Radar Altimeter Interference)チームを設置し、5G影響の迅速確認テストを開発する」と説明していますが、実際のテストは1月中に開始するが、結果が出るのは夏の後半になるだろうと同報道官は述べています
また米空軍の「安全センター」は、商用ベースの5Gサービス提供は始まったばかりであるが、5Gとの干渉から生ずる問題について現時点では全く報告を受けていないとしているようです
更に、電波高度計の主要メーカーの一つ「Honeywell」は、「我々の製品に対する新たな要求はどの政府機関からも受けていない。わが社の製品は連邦航空局や関係機関の定めたすべての要求事項を満たしている」、「ただし、仮に何か新たな措置が必要になったなら、直ちに対応するし、連邦航空局や国防省、航空機メーカと共に、以前から5G干渉に関する試験に取り組んでいる」と説明しているところです
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米軍や国防省の落ち着いた・ゆったりっモードの対応は、米軍飛行場が市街地に近くないからなのか、軍事仕様で元から干渉に強い設計になっているのか、下手に騒ぐと中露に弱みを見せるからなのか、よくわかりません。
前回の関連記事の繰り返しになりますが、世界の公共財ともいえる「GPS信号」への5G通信の影響が気になります
5Gと干渉問題
「民航機の欠航相次ぐ:5Gと電波高度計干渉」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-01-19
「電波高度計への5G干渉問題:まず影響確認」→https://holylandtokyo.com/2021/02/02/253/
「5G企業へのCバンド売却で電波高度計に懸念」→https://holylandtokyo.com/2020/12/25/351/
「炎上中:5G企業へのGPS近傍電波使用許可」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-14
「5G企業に国防省大反対の周波数使用許可へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-11
「米議会でも国防省使用の周波数議論」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-05
「軍事レーダーの干渉確認」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-05
「5G企業とGPS関係者がLバンド電波巡り激突中」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-22-2
「戦略コマンドが5Gとの電波争奪に懸念」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-27