18日付米空軍web記事によれば、北米防空コマンドがワシントンDC防空のために2セット目の飛行船型レーダー(JLENS)をメリーランド州に設置する模様です
JLENSは「Joint Land Attack Cruise Missile Defense System」の略で、名称に「巡航ミサイル防衛」が付いていますが、首都を「無人機」から守ることも大きな試験の狙いのようです。
同レーダーシステムは、1セットに2つの気球と地上統制装置等が含まれ、VHFレーダーとXバンドレーダーの2つを組み合わせた「2バルーン」からなる監視システムで、米空軍のNORADシステムとの連接がポイントのようです
18日付米空軍web記事によれば
●北米防空コマンドは、19日に2セット目のJLENSを設置すると発表した。同システムは、米陸軍と統合の首都圏防空ネットワークに情報を提供する
●JLENSは最高高度3300mで係留され、地上設置レーダーの弱点である地上建造物や山などに妨害されずに、見通し線の確保が可能となる。
20日付米空軍協会web記事は
●北米防空コマンドは、首都ワシントンDCを巡航ミサイルや低高度飛翔体から守るため、それらを探知、追尾する能力向上に懸命に取り組んでいる
●1セット目のJLENSは、2014年12月に同じメリーランド州に設置され、約3年間試験することになっている。
●北米防空コマンドは、JLENSを地上配備のイージス艦防空システムと連結し、目標の探知追尾能力を向上させようと考えている
1セット目設置時の記事(2014年12月)
●約500kmの捜索範囲を持つVHFレーダーが探知した目標について、Xバンドレーダーで細部精密情報を入手する仕組み
●専門家は今回の試験について、米国防省は首都周辺空域での「無人機」の活動に懸念を強めており、カメラ搭載無人機と航空機のニアミス事案を受け、ワシントンDC周辺での無人機飛行を禁止した事と関連している、と見ている
●NORADはバルーン設置に際し、「JLENSが既存のNORAD防空網情報と上手く融合して機能するかを確認する試験であり、3年後には成果が確認できる」とコメントを発表
●加えてNORADは、バルーンがカメラを搭載しておらず、周辺住民の監視活動を行わないとも明言している。また周辺の湿地帯や動植物に細心の注意を払い、特にイヌワシとハクトウワシへの影響を良く見極めながら実施するとしている
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巡航ミサイルや無人機の脅威を考えれば、まだまだ不十分なレベルでしょうが、それでも脅威の変化に向き合っている姿勢は感じ取れます。
それに引き替え日本は・・航空自衛隊は・・・、「戦闘機命派」に都合の良い情報だけが取捨選択され、報告されるような「フィルター」が恐らく完成しているのでしょう。
今日も反省の色無し・・・ですね
JLENS1セット目設置時の記事
「無人機対処の強化か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-24