「歩兵」「特殊部隊」などの近接戦闘部隊用の中核兵器だが・・・
M7に重さ・長さ・高圧弾への不満&問題指摘相次ぐ
11万丁購入計画し、既に5万導入済も方針転換
導入済M7の今後の扱いは検討中とか
配備した前線部隊から「M4より(スコープや消音器含め)2㎏重くて2.5㎝長くてたまらん」、「6.8×51mm弾がM4の5.56mm弾より重くて摩擦熱も凄くてたまらん」「弾倉パックが70発少なくて1㎏も重い」等々の苦情が相次ぎ、2025年10月から新規発注を中止し、製造Sig Sauer社
に改良を求めた結果、新たなM8ライフルして2026年12月から部隊配備を開始、と報じています。
Sig Sauer社はM7への非難を当初は門払いしていたようですが、今では「M8はM7よりはるかに優れたライフルだ。M7では、米陸軍指定の設計基準や要求性能で縛られ、我社の思いとは異なっても陸軍要求を満たさざるを得なかった」と手のひら返しの姿勢で、「M8は前線兵士の意見を反映したライフルだ。早く投入したい」とメディアに語っているようです。
M7からM8への改良点は
・長さと重さに関し→銃身を短く銃床を折り畳み式から伸縮式に変更等の工夫で450g削減。ただ銃身削減で射程距離犠牲。付属品無し全長は、M4比較でM8は2.9㎏と3.3㎏
・弾薬の重量増に対し→弾倉パックを、M7時20発×7個(計140発)で弾薬総重量4.4kgを、M8では25発×6個(計150発)で4.3kg。ただし、M4時は30発×7個(計210発)で3.4kg
ちなみにM7もM8も1挺75万円程度とのことですが、その前のM4は量産によりコスト低下が進んで15万円程度だったとのことです。
既に部隊配布済のM7ライフルの扱いに関しては未定ながら、オプションとして検討中の案には
・M7を新兵の基礎訓練課程や州兵や予備役部隊に回す案
・M7をM8ライフルに改造するキット(conversion kits)の調達する案。Sig Sauer社幹部は「ねじを数本取り外す軽易な交換作業で、約5分以内にM7をM8に改造可能」と説明
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YouTuberによるM7とM8比較紹介(約18分)
米陸軍が2017年から行った「将来小火器の在り方検討」では、M4ライフルの5.56㎜弾薬では貫通不能な最新防弾チョッキ・敵の簡易陣地レンガブロックに対処可能で、かつ遠距離での威力や照準性能向上が必要と判断され、陸軍や海兵隊部隊で半年以上試行運用した結果も踏まえ、
NGSW(Next Generation Squad Weapon)計画として M7導入が決定されたとのことですが、一般陸軍部隊では「近接戦闘(CQB)や装甲車両への乗り降りの際、非常に重く長く、取り回しが悪い」となったようです。
M7のデモ試作品試験には海兵隊も2023年後半から積極的に参加していますが、海兵隊は2026年2月に6.8×51mm弾使用のM7やM8導入を行わない方針を最終決定しています。
米海兵隊は機動的な作戦や上陸近接戦闘を最優先し、「米陸軍のライフル威力増強+長射程」追求から生じる、6.8x51mm弾や消音器や照準スコープセットによる重量化が、海兵隊には不向きと判断しました。また既存のNATO共通5.56mm弾使用による同盟国との作戦協力や補給の円滑さ優先の観点からも、今後も引き続きM27歩兵自動小銃を主力小銃として使用する方針です
ところで、米陸軍がM7導入を検討の際、ウクライナの教訓を参考にと議論した際、ウクライナ側から「露のドローン対処に、YouTube撮影用やスマホカメラに広く採用されている手振れ補正機能付の照準スコープをすぐに送ってくれ・・・」と要求されたそうです。
2022年のウクライナ開戦前の2017年から米陸軍が実施した「将来小火器の在り方検討」に、どの程度ウクライナの教訓が取り込まれているか「?」ですが、この観点も含め、様々な論点が満載の「地上部隊の小火器の将来」は、とても興味深く「噛めば噛むほど味が出る」テーマです。
2024年から配備開始したばかりなのに・・・
「新ライフルM7と新機関銃M250導入」→https://holylandtokyo.com/2023/12/27/5379/
そのほかの小火器の話題
「特殊作戦軍が6.5㎜弾のMRGG-A配備」→https://holylandtokyo.com/2026/06/09/14922/
「海兵隊の新型狙撃銃MK22 ASRがFOC」→https://holylandtokyo.com/2024/12/16/6602/
「世界のベストセラーAK-47」→https://holylandtokyo.com/2015/03/01/8085/


10月6日付Defense-Newsは、米陸軍が2017年から実施した「将来小火器の在り方検討」結果を踏まえ、2023年には米海兵隊まで参加して試行運用を行い、2024年から「歩兵」「特殊部隊」などの近接戦闘職種部隊にM4ライフルの後継として導入を開始し、調達予定数の4割以上(5万挺)を導入済のM7ライフルに関し、