ヘグゼス長官が自律戦闘コマンド創設や将官削減1割追加など指示

1年以内に「Autonomous Warfare Command」を立ち上げ
昨年指示の将官1割削減に加え、追加で1割削減指示
自給能力向上に「Fortress America」構想でミニ原発やSupply Chain強化推進
Elon Musk参加の将来戦争研究「Project Meridian」
2万人規模新基地建設「Next Great American Base」構想
5つの大学に新「士官候補生養成組織」設置
国防長官直属の「Office of Religious Affairs」設置

9月30日、ヘグゼス国防長官が毎年恒例の所信表明的な性格を持つ演説「State of the Force」を行い、冒頭で列挙させて頂いた「Autonomous Warfare Command」の創設、「将官の削減1割追加」、「基地&施設の自給力向上にミニ原発とSupply Chain強化推進」、Elon Musk氏等が主導の将来戦争研究「Project Meridian」開始、「2万名規模の次世代米軍基地の新規建設」、「5大学に士官候補生養成組織」設置、そして「国防長官直属の宗教問題局」設置を発表しました。

以下では同日付米空軍協会web記事から同演説の概要をご紹介
(補足説明として、ググった内容も記述)

【Autonomous Warfare Commandの創設】
●同コマンドは、まず「Project Agincourt」(1415年のAgincourtの戦いに由来:DIU所長と元海軍SEAL Max Strasiser氏がリーダーに)で、国防省DIUやDrone Dominance programの取り組みを加速推進する。その際、作戦運用者と起業家をマッチングや、迅速な意思決定と前線への予算配分を重視する
●大将が司令官に就く構想の同コマンドが、既存の各軍種の自律化構想とどのように関わるかは不明。
●導入される自律システムを適切に運用するため、各軍種は新たな専門職を段階的に導入する。「次世代の自律型戦闘員のためには、組織的な知識とキャリアパスが必要」

補足説明→人工知能、ロボット工学、ドローン、無人兵器に特化した新たな統合軍(戦略軍や宇宙軍や輸送軍や特殊作戦軍と同列)を2027年10月1日までに新設

【将官の削減1割追加】
●「将官を減らし、兵士を増やす」方針に基づき、昨年指示した将官1割削減(段階的に進行中)に加え、更に追加で1割削減し、全体で2割を削減

補足説明→具体的指示として、「2027年1月1日までに、将官ポストの総数を(実数を)純粋に20%削減せよ」、「約800の将官枠から、実際に約170のポストを完全に消滅または格下げし、約680体制にする」と

【基地&施設の自給力向上にミニ原発推進+Supply Chain強化】
●「Fortress America」との新たな構想を作成し、「仮に、敵がサイバー攻撃や破壊工作等により送電網を麻痺させたとしても、我が基地が稼働し続け、指揮統制が中断しないようにする」と述べ、電力確保面で、米軍基地や施設が所在地域の民間電力会社の電力網に完全依存しないよう、米国内の主要基地にミニ原発建設を更に推進。更にレアアース等のSupply Chain強化も謳っている。

補足説明→8月末に米陸軍が5基地を決定して2028年9月までにミニ原発設置を発表。米空軍はアラスカの基地で推進中。電力確保面だけでなく、軍事に必要なレアアース、特殊金属、半導体、ミサイル推進剤(プロペラント)Supply Chainサプライチェーンを100%米国内(+同盟国)に取り戻すことも重要な柱に

【将来戦争研究Project Meridian】
●戦争の未来を研究する新たなプロジェクト「Project Meridian」を発足させ、テクノロジー業界のPalmer Luckey氏(Anduril社)やElon Musk氏(SpaceX社)、更に元下院議長Newt Gingrich氏を共同リーダーとして、検討実施

補足説明→官僚的な役所仕事の停滞を排除し、次世代兵器の開発スピードを加速するため、話題のテック企業幹部をリーダーに。上記共同リーダーは国防長官演説の会場に臨席

【Next Great American Base構想】
●米軍人1.5万~2.5万名を収容可能な新たな軍事施設を建設。候補の各州知事と州兵司令官が国防省で、候補地を提案する予定

補足説明→「官僚的な縛りを排除し、土地の提供や軍人家族への最高のサポートを約束できる州に、世界で最も近代的で強力な基地を新設」との長官演説が示すように、独自の発電能力や最新の防空システム、最先端技術が標準装備された、約40年ぶり新設の「巨大なメガ軍事基地」を、全米の州知事に入札させ選抜を経て建設

【5つの大学に新たな士官候補生養成組織を設置】
●Hillsdale大学(ミシガン州)、Louisiana州立大学、Liberty大学(バージニア州)、Mississippi州立大学、Tuskegee University(アラバマ州)新たに士官候補生部隊(new corps of cadets)が創設され、これらの部隊から士官が優先的に選抜

補足説明→憲法やアメリカの伝統、戦士としての精神を重視する大学から愛国心のある軍指導者を育成することを目的。5大学は「殊勲軍事大学 (Distinguished Military College)」や「名誉校 (Honor School)」に指定され、将校任官における優先権を得る

【国防長官直属のOffice of Religious Affairs設置】
●国防長官直属の「宗教問題局」を設置し、従軍牧師が国防省幹部と意思疎通や連携がとりやすい体制を整備

補足説明→長官は演説で「これまで宗教は軽視され、ポリコレや世俗的人道主義ばかりが優先されてきた」と過去の体制を批判し、軍内部における宗教の自由の保護と、従軍牧師(chaplains)の支援強化を目的に設置
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末尾の過去記事でご紹介している様に、ヘグゼス長官と米軍将官リーダーとの関係は良くありません。元陸軍少佐でプリンストン学士でハーバード修士のヘグゼス長官が追求する、能力主義と「戦士の精神」への回帰姿勢と、保守的な米軍人幹部との軋轢は、改革派と保守派との単純な構図では表現できない状態にあります。

同時に、あのトランプ大統領の下で、良く勤務が続けられるなぁ・・・とも思いますが、引き続き生暖かく見守りたいと思います。小泉防衛大臣もご苦労様です!

米国防省の「State of the Force」演説関連webページ
https://www.war.gov/News/News-Stories/Article/Article/4615637/hegseth-delivers-state-of-the-force-address-outlines-series-of-new-initiatives/

2026年夏に上院が軍による創設を許可する法案提出済(下院は放置)
「ロボット・自律システム軍」→https://holylandtokyo.com/2026/07/10/14998/

ミニ原発を2028年9月までに米軍基地に
「米陸軍が米本土5基地にミニ原発を」→https://holylandtokyo.com/2026/09/02/15535/
「米空軍がミニ原発建設へ」→https://holylandtokyo.com/2025/07/16/11872/

米軍高官が次々実質更迭
「米陸軍で長官が」→https://holylandtokyo.com/2026/09/03/15569/
「陸軍参謀総長を更迭」→https://holylandtokyo.com/2026/04/04/14415/
「米海軍でも長官が」→https://holylandtokyo.com/2026/04/27/14589/
「米空軍では参謀総長+副参謀総長」→https://holylandtokyo.com/2025/08/20/12609/

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