専門家・企業関係者・OBが集合するイベント冒頭の基調講演で
米国防省高官として衛星兵器の保有&配備に初言及
「Space Control Weapons」との慎重な表現で
記者団に「事前によく検討した上での発言だ」と講演後に
兵器のタイプや能力については一切答えず
中露の活発な宇宙活動を念頭に、抑止力強化狙いか
中露が宇宙での攻撃的な活動を活発化させる中、米国は2025年12月にトランプ大統領が大統領令を発出し、宇宙軍の任務において、我の宇宙アセットの防御だけでなく、敵アセットの攻撃も重要だと強調していましたが、中露の宇宙での活動はますます脅威度を増しており、その危険な実態と米国の対処能力について、よりオープンに発信して抑止力強化につなげるべきだとの声が米国内で高まる中での発言と、各メディアは位置付けています。
同日付米航空宇宙協会web記事によればMeink長官は
●(基調講演で、)「今、我々は、変化し進化する脅威がどこにあろうと、それらに対応可能な態勢を引き続き確保している。そしてそのため、宇宙軍は敵対勢力から米軍を防御可能な軌道上の宇宙制御兵器(Space Control Weapons on orbit today)を保有している」
●(講演後の記者団との質疑で、)「(講演発言は、)事前によく検討した上での意図的な発言だ」、「軍事面および経済的安全保障面で、米国が制空権だけでなく、宇宙でも優位を維持することが極めて重要」、「脅威に適切な対処が可能なよう、対策が必要だった」
●(同質疑内で長官は、宇宙配備兵器がkineticかnon-kineticかを含め、言及することを拒否し、)「米国の宇宙兵器が軌道上に存在することを認めることは抑止力向上に必要だが、詳細を話すことは役に立たない。テストの有無や現状等については話さない」
また同長官は宇宙軍の特に重要な「Golden Dome」2事業の状況を説明
●宇宙配備型迎撃ミサイル計画(SBI:Space-Based Interceptor)
・最初の契約から軌道上への打上げ可能なハードウェア準備完了まで、1年余りで進むことができる。宇宙軍は費用対効果と拡張性を評価し、2028年までの初期的能力実戦配備を目指し、競争入札を主導している
・提案の設計評価と部品レベルの試験を経て、応募企業の全てがプロトタイプ製造に進むことになる。そして各提案者は宇宙空間で能力を証明し、迎撃ミサイルがGolden Domeシステムに適合することを示すことが期待されている
●宇宙配備型空中目標監視システム(SBATI:Space-Based Air-Moving Target Indication constellation)
・経空脅威の発見追尾は、長らく(E-3等の)航空機で実施されてきたが、宇宙軍は国家偵察局NROと協力して衛星をこの任務に担わせ、敵の防空A2ADシステムに対抗することを目指している
・2026年5月に宇宙軍はSpaceX社と約6000億円の契約を結び、宇宙配備型AMTI衛星群の構築を開始した。最初の衛星は9月に打ち上げ予定だ。(9月に何機の衛星を打ち上げ、最終的に衛星何機で体制を構築するのか等については言及せず)
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記事末尾でご紹介している9月9日付ブログ記事でご紹介したように、特に静止軌道上の重要な役割を果たす敵対国の衛星に対し、衛星の「RPO技術」(ランデブー・近接運用技術)を駆使して接近し、精密にその能力を分析した上で、
妨害電波等でnon-kineticな攻撃を行ったり、通信ネットワーク経由でサイバー戦を仕掛けたり、ロボットアームや攻撃兵器でkineticに衛星のアンテナやセンサーや太陽光パネルに損傷を与える等々の手段が考えられますが、「kinetic」と「non-kinetic」の両方の手段を備えた「Space Control Weapons on orbit today」なのかもしれません。今後の続報に注目いたしましょう。
防衛研究所による宇宙軌道戦(Orbital Warfare)解説
「宇宙ドッグファイトの現状」→https://holylandtokyo.com/2026/09/09/15563/
Golden Dome関連の記事
「米議会CBOの経費推計に反論」→https://holylandtokyo.com/2026/05/21/14788/
「CBO推計は国防省の7倍」→https://holylandtokyo.com/2026/05/14/14751/
「2大企業急転換は月面装備狙い?」→https://holylandtokyo.com/2026/03/02/14023/
「宇宙配備迎撃ミサイルは無駄」→https://holylandtokyo.com/2026/02/09/13890/
SB-AMTI 関連の記事
「SpaceX以外に3企業追加」→https://holylandtokyo.com/2026/08/24/15430/
「E-7導入の継続決定」→https://holylandtokyo.com/2026/05/08/14678/
「E-7阻止に固執」→https://holylandtokyo.com/2026/03/05/14045/


9月14日、米航空宇宙協会主催の一大恒例行事である「秋のAir, Space and Cyber Conference」の開会基調講演でMeink米空軍長官が、「Space Control Weapons on orbit today」との表現を用い、米国防省高官として米国が宇宙空間で攻撃能力を保持していることに初めて言及し、更に講演後の記者会見で「事前によく検討した上での意図的な発言だ」、「制空権だけでなく、宇宙でも優位を維持することが極めて重要」と語りました。
