米宇宙軍が宇宙から経空脅威監視のSB-AMTI任務に3企業追加

空飛ぶレーダーE-3や新型E-7の監視機能を衛星で担うSB-AMTI
Space-Based Airborne Moving Target Indicator (SB-AMTI)
圧倒的存在のSpaceXと5月に6500億円契約済で
2028年初期運用開始に向け、2027年から衛星打上げや宇宙での実証実験予定
今回はBack-Upで3企業と計1000億円規模の契約を追加

8月4日、米宇宙軍が「宇宙配備型の空中移動目標監視(SB-AMTI)」を担う企業候補に、5月に6200億円規模の契約を締結したSpaceX社に加え、Rocket Labs社とSTR社、更に企業名非公開のもう1社の計3社と合計約1000億円の契約を締結した模様です。3社の一つ「Rocket Labs社」が同日、約600億円の契約を宇宙軍と結んだと発表しています。

この「SB-AMTI:Space-Based Airborne Moving Target Indicator」機能は、これまで空飛ぶレーダーと言われるE-3早期警戒管制機(AWACS)が担ってきたものですが、老朽化による稼働率低下が著しく、5年ほど前からE-3後継を「航空機」で行うのか、思い切って「衛星」に引き継ぐのかで揉めてきましたが、一足飛びの「衛星」への移行に不安を持つ声が米空軍幹部やOBに強く、2026年初頃にはE-7導入予算確保を米空軍が決断していました

ところが2月末からの対イラン作戦で、中東展開中の「虎の子E-3」がイラン攻撃を受け地上で破壊される被害が発生し、「航空機命派」の空軍側も、「衛星によるSB-AMTI」能力に懐疑的だった米議会や専門家も、Meink空軍長官ら「衛星AMTI技術は成熟して確認段階は既に過ぎ、実証も完了」と主張の「衛星」派の意見を無視できなくなりました

その結果として「SB-AMTI」が急浮上し、5月29日には宇宙の巨人SpaceXと、2028年初期運用開始に向け、来年27年から衛星打上げや宇宙での運用試験を契約する約6500億円の大型契約が締結されました。

8月4日の追加3社との契約に関し宇宙軍担当の大佐は、「全ての卵を一つのカゴに入れたくなかった」、「第2弾契約の核心は、我々の能力を多様化し、単一企業の単一技術への過度な依存を避けること」、「多様な技術を今成熟させることで、将来の優位性や入手可能な最高技術を確保したい」と説明し、リスク分散と多様な技術育成を背景に挙げています。

ただし、契約の金額規模の差異が示すように、技術面でもコスト面でも、衛星事業におけるSpaceXの圧倒的優位は誰の目にも明らかで、SpaceXの実務を仕切る年収140億円のGwynne Shotwell女史は、「SB-AMTI関連の追加機能等、その一部は競争入札の対象となろうが、基本的にSpaceX社は発表済のものだけでなく、多くの関連事業のための契約を既に締結済です」と、涼しい表情で記者団に答えたの事です。
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「SB-AMTI」は初登場用語ですので、SB-AMTIと関連企業に関し、ググった内容を以下でご紹介しておきます。

●SB-AMTIは、従来の航空機や地上レーダーによる監視から、より広範囲かつ安全に監視可能な宇宙システム開発を目指すもの。航空機や地上センサーでは常続監視が困難な、極超音速兵器などの新たな脅威への対応にも期待

●SpaceXは、商用サービス提供中のStarshieldインフラに、AMTI用センサーを統合し、低高度軌道(LEO)に大量の衛星を配置して、高速の空中目標を発見追尾する仕組みを構築予定。前述のように2028年初期運用態勢確立予定
●Rocket Labs社は、民間&軍事向け小型〜中型衛星の製造・運用実績があり、技術基盤は十分成熟。NASAの月面探査計画にも参画。今次契約でAMTI用センサーの取り込みと製造能力の「規模拡大」に着手。同社主力の衛星「Photon」または次世代衛星の「Flatellite」をベースに設計。独自センサー搭載で衛星システムを開発

●STR(Systems & Technology Research)は、国防省DARPAとも連携する、高度な信号処理や関連アルゴリズム開発の専門企業。各種衛星が収集した未加工データから、ノイズを排除し航空機やミサイルの微細信号をリアルタイムで識別・抽出するソフト開発を担当する模様
●非公開な第3の企業は、SpaceX社方式とは異なる「代替センシング手法」を提供の模様。STR社と同様に、宇宙軍は新興技術を成熟させ、多様なセンサー確保を狙う模様。

E-7 導入決定・中止・復活の動き
「E-7導入の継続決定」→https://holylandtokyo.com/2026/05/08/14678/
「E-7阻止に固執」→https://holylandtokyo.com/2026/03/05/14045/
「導入復活か?」→https://holylandtokyo.com/2025/09/24/12851/
「国防省が導入中止決定」→https://holylandtokyo.com/2025/07/02/12025/
「導入中止を米政権が検討中」→https://holylandtokyo.com/2025/05/15/11591/
「E-7とE-3違い」→https://holylandtokyo.com/2023/03/30/4447/
「導入正式発表」→https://holylandtokyo.com/2022/04/28/3186/

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