MMA(Massed Modular Aircraft)計画の現在位置
当初の2031年から2029年に運用開始を前倒し
イラン作戦で45機損失のMQ-9に対し、180機以上の導入示唆
開発リスク犯さず、成熟技術で8割完成度で良し
まず7月の提案募集時(7月末締め切り)の要求や構想は・・・
●このMMA(Massed Modular Aircraft)計画では、大規模に機体導入し、損耗が出ても任務達成可能な機体体制構築を目指す。同時に敵を防御に忙殺させ、敵に防空兵器の消耗とコスト負担を強要
●提案採用企業は、契約後21カ月以内に実物大の試作機で飛行試験を実施し、2031年度までに初期運用態勢を納入20機で確立可能
●現有MQ-9の任務を遂行可能。つまり、長時間在空可能で、武器発射、情報収集、電子戦実施、通信中継等が可能
●最低2800ポンドの装備や弾薬搭載可能。搭載状態で最低2300nm(約5000㎞)の戦闘半径確保。また最低8000nm(14500㎞)の片道展開飛行可能
●最低飛行速度200ノット。6000フィート以下の長さの滑走路から離陸可
●一人の操作員が複数の当該機を制御可能
●低コストで大量生産容易な機体で、緊急時の増産に対応可能な機体。
●モジュール化された様々な装備や弾薬を搭載可能で、最新技術利用の多様な企業が提供可能なOpen Architecture仕様。
9月3日の会見で米空軍関係幹部は
(4日付Defense-Newsや米空軍協会web記事より)
●現有MQ-9A(推定約130機)で任務に支障無しも、急激な損耗増(45機損耗で全体の1/4相当)に迅速対応が必要との空軍長官指示があり、契約後1年以内にデモ機を作成し、2029年にも大規模配備目指す計画に前倒し
●競争環境を維持するため、複数候補企業と2027年度の第1四半期(2026年10月~12月)に契約締結の見込み
●少なくとも180機導入予定だが、恐らくそれ以上の機数になるだろう
●当初は製造ラインが閉鎖されたMQ-9Aの迅速補填に、現在も製造中の海上運用型のMQ-9B調達も検討したが、センサー等搭載装備「込み」で約80億円($50 million)のMQ-9Aより、更に高価格なMQ-9B導入は、作戦思想面からもコスト面からも排除した
●MMA機体は、センサー等搭載物「除く」価格で16億円($10 million)を目指しており、同じく機体価格30億円($20 million)のCCAの約半額。
●最終的なMMA機体像には柔軟性を持たせ、最先端の新規技術開発は追求せず価格高騰リスクを下げ、成熟技術の有効活用で『80%で十分』との開発姿勢で臨む
●MMA機体は恐らくMQ-9に似た、「long-aspect wings」で「turbopropエンジン搭載」となろう。
●ただし、現MQ-9Aより高レベルの自律性と自動化は追求し、スティックとスロットルではなく、マウスクリックとキーボード操作を増やすイメージで、一人で複数機運用を可能にしたい
●一方で、戦闘機と行動を共にする無人ウイングマン機CCAの「自律的に目標を探知して攻撃する」レベルは求めない。MMA機体はMQ-9と同様に、センサーや兵器を必要な場所に運搬するトラックのイメージ
●MMA機体は約4,000nmを飛行(CCA航続距離の2倍以上)可能なことを望むが、CCAより速度は遅くなる
MQ-9製造のGeneral Atomics報道担当の反応は
●(当初はA型より高価なMQ-9Bを提案した同社だが、)我社はMMA機体用に新設計の機体「Wildfire」を提案
●「Wildfire」は、示されたMMAへの要望事項をより高いレベルで全て見たし、コスト面でも優れた提案
●具体的には、航続距離10000nm、4発の長距離対艦ミサイル搭載能力、半自律制御で100機同時運用可能などの特長を提供可能となろう
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成熟技術を有効活用して安価に、また『80%で十分』との開発姿勢に好感を覚える「まんぐーす」ですが、7月時点では明確に「2031年に初期運用態勢確立」としていたところを、今次会見では「fielding it at scale within three years—as soon as 2029」と言葉を濁している点は気になります。
また会見した空軍幹部のコストに関する表現ぶりが微妙です。現有のMQ-9Aがセンサー等込みで約80億円($50 million)だと語りつつ、MMA機体に関しセンサー等搭載物別で15億円($10 million)を目指すとの説明は、「比較されたくない」との思いが滲んでいるようで気になります。
またCCAを無理やり比較対象に持ち出す説明ぶりには、「有人戦闘機の必要性は揺ぎ無き大前提」で、「戦闘機と行動を共にするCCAはレベルの高い別物」、「高度な判断が必要な有人戦闘機を支えるのがCCA」と、有人戦闘機への無人化要求をシャットアウトしたい思いが「あふれ出て」いて、興ざめ感を聞く者に与える結果になっています。有人戦闘機に取って代わる、無人戦闘機をシンプルに目指せば良いのに・・・と心から思います。
イラン作戦で1/4損耗のMQ-9補填対応:MMA
「安価消耗前提の機体募集開始」→https://holylandtokyo.com/2026/07/28/15223/
以前は「MQ-9の本格紛争対処」を検討も
「小型ドローン射出しNet構成試験」→https://holylandtokyo.com/2023/09/26/5061/
「電子妨害ポッド搭載初期試験」→https://holylandtokyo.com/2023/05/31/4674/
「前線基地で燃料弾薬補給」→https://holylandtokyo.com/2022/12/28/4096/
「本格紛争用に1/4を機体改修」→https://holylandtokyo.com/2021/04/28/118/


9月3日、米空軍担当幹部が記者団と懇談し、対イラン作戦で保有機数の約1/4に相当する約45機もの損失が出ている無人偵察攻撃機MQ-9の補填(&後継開発)に関し、7月の提案募集開始時には「まず20機で2031年に初期運用態勢確立」としていたが、Meink空軍長官からの指示により、約2年前倒しの2029年に大規模導入を目指すと明らかにし、また導入予定機数や開発の方針等について語りました。
