海洋監視型の中型ドローンMQ-9Bを追加で17機を一挙
国産対潜哨戒機P-1の稼働率低調で会計検査院指摘受け追加調達困難で
運用&整備要員の軽易な確保や維持整備負担の軽減も念頭に
低脅威不明機への対領空侵犯措置を空自が同無人機で検証検討も
MQ-9Bは、米空軍がISRや攻撃用に330機以上導入して30時間以上連続飛行可能なGeneral Atomics社製MQ-9Aを海上運用用に改造し、海面監視センサー搭載の他、航空機の衝突防止装置の強化、機体表面への氷付着防止装置や塩害防止措置強化等が施された機体で、豪軍が12機のほか、台湾軍も4機を導入決定している装備です
海上保安庁も2022年10月から1機で運用を開始し、2023年5月に3機、そして2026年3月27日に更に2機を追加して、当初の八戸基地からが現在は北九州空港に拠点を移動して尖閣付近の監視強化に対応しており、2030年頃までに10機体制への倍増を計画している日本ですでに実績のある機種です。
海上自衛隊は、2023年5月から八戸基地でGA社からのレンタル形式で同機の運用テストを行い、2024年に正式導入を決定。2027年度に2機、28年度に追加2機の計4機を受領し、その後毎年数機ずつ機数を増強し、2030年代半ばに23機体制(鹿屋と八戸に各10機程度配備)を完成する計画を持っていました。
今年になって一挙に2027年度予算で17機要求する背景は
●東シナ海のみならず日本の太平洋方面でも中国空母等の活動が活発化し、太平洋側を含む日本周辺海域全般の広域な警戒監視体制強化が急務となっている
●国産の有人対潜哨戒機P-1の稼働率低迷(僅か2~3割)を2025年に会計検査院から指摘を受け、今後のP-1追加取得が危うくなっている
●中国ドローンなど低脅威機への対領空侵犯措置を、空自が将来的には無人ジェット機での実施検討を開始(今夏のValiant Shield演習で空自も確認のMQ-28も候補)しており、まずMQ-9B型で今年度に試験する計画もあることから、小出し調達ではなく、GA社の生産ライン確保面からも前倒し調達に傾いた
●有人機に比し、無人機は運用や整備要員の育成が短期間に可能で、運用開始後の維持整備負担が少ないことから、人材確保難に直面する防衛省としてドローン導入を推進する動きが加速
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「国産の有人対潜哨戒機P-1の稼働率低迷&会計検査院指摘」は「日本の防衛産業基盤の実態」として頭の痛い問題も、無人機積極的導入に踏み切る「日本政府の決断」は高く評価したいと思いますし、「低脅威機への対領空侵犯措置を無人機で検討」は素晴らしい発想です。
しかし、海自は海上保安庁に先を越された形で、「P-1」にしがみ付いた付けが重くのしかかっていますねぇ・・・。航空自衛隊も有人戦闘機にいい加減見切りを付けないと、ついでに言えばGCAPへの巨額投資を見直さないと、大きな付けを後世に残すことになりますよ・・・
Valiant Shield演習で空自も確認MQ-28
空自が対領空侵犯措置用に導入検討か
「演習はマリアナ諸島・日本で実施」→https://holylandtokyo.com/2026/07/07/15105/
MQ-9Bの日本や他同盟国の導入
「海自がレンタルでお試し」→https://holylandtokyo.com/2024/03/04/5603/
「台湾が追加導入へ」→https://holylandtokyo.com/2024/04/18/5755/
「豪州へ12機輸出承認」→https://holylandtokyo.com/2021/04/29/119/


9月14日付乗りものニュースが「防衛省要求が爆増の理由・トリプルピンチの解決策は“民”にあり」との記事をYahooに提供し、防衛省が8月末提出の2027年度予算概算要求に、海上保安庁が2022年から運用を開始し、現在は5機まで機数を増やしている1機約170億円の海洋監視型ドローンMQ-9B型を、一挙に17機(推定約3000億円)追加要求していると取り上げ、その背景を説明しています。