米軍全体:一部稼働率は2021年度67%→2025年度44%に低下
米軍全体:完全稼働率2021年度38%→2025年度25%に低下
米空軍:一部稼働率は2021年度71%→2025年度38%に低下
米空軍:完全稼働率2021年度54%→2025年度28%に低下
GAOは、この稼働率低下の原因について長年問題視してきた「部品サプライチェーン問題や部隊整備能力の問題」等々が継続する中、近年の「最新ソフトウェアTR-3の欠陥、スペアパーツの不足、キャノピー等腐食の問題」が追い打ちをかけていると指摘するとともに、
国防省F-35計画室JPO(Joint Program Office)担当職員がGAO聞き取り調査に対し、「稼働率低迷の根本原因は、F-35計画自体と米軍が、重要な整備修理能力構築より、計画初期段階で多くの機数調達を優先したためであり、歴史的に維持管理投資が不足している」、「現状の維持管理体制ではF-35部隊の十分なサポート不可能」、「維持整備体制の大幅変更がない限り、維持体制の不十分さは時間とともに悪化する」と告発していることもレポートで明らかにしているとのことです。
GAOレポートは、JPOが稼働率改善には、部品不足の解消、保守方法の改善、制約のあるサプライヤー基盤への依存度を下げる等の対策が必要で、そのための資金として2031年度までに約2兆円の追加資金が必要になると主張しており、2億円の内訳は、約1兆円が部隊や部品補給施設保有の予備
部品と資材ストック確保に充当され、約5000億円が軍の維持整備施設能力の拡張に、残りの約5000億円が整備費と燃料費だと説明しています。
しかしGAOはJPOの主張に関し、対策の半分以上を占める約1兆円強の追加部品や資材確保予算が、民間企業の供給能力に依存しているが、主要部品は依然供給能力が確保できていないと指摘し、ロッキード社が確認しているだけでも、飛行停止の原因であるキャノピー等48種類の部品に十分な調達の目途が立っていないとレポート内で指摘しています。
また2031年度までの改善対策費約2兆円の確保可能性に関しGAOは、米空軍は確保可能だと返答しているが、海軍と海兵隊は「不確実」だと回答しており、国防省JPO自身も資金調達計画は「楽観的な見積」に基づくもので、予算が確保できない場合は、結果として更なる維持整備費の増加による悪循環の恐れにも言及しています。
更に冒頭で紹介したように、GAOは報告書が「Operation Epic Fury」以前のデータで作成されたものであり、大規模な同作戦による追加飛行時間に伴う、作戦投入機体に対する優先部品調達や部品交換が生む、追加コストや作戦投入機以外の機体維持への影響は未知数であり、GAOも専門家も、2026年度の米軍全体でのF-35稼働率の更なる低下は避けられないと見ているようです
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米軍は現時点で800機以上のF-35を保有し、米空軍は最も多くの500機以上(F-35A)を運用しています。そしてオリジナルの計画に沿ってこのまま進めば、米空軍、海軍、海兵隊は、2040年代半ばまでに更に約1700機を購入する予定です。「まんぐーす」は無理だと思いますが。
航空自衛隊のF-35稼働率は公表されていませんが、SNS上やYouTube等では「日本人の職人技によって、米軍や他のF-35運用国に比して遥かに高い稼働率を確保しており、諸外国がノウハウを学びに来ている」との情報が流布されています。
私はこのネット情報を否定するデータを持ち合わせていませんし、空自組織や現場整備員や関連日本企業や政府の努力と連携により、日本の稼働率が高いことは十分にあり得るでしょう。しかし、仮にそうだとしても、世界中に分散され問題を抱えたサプライチェーンを頼って稼働率を維持するには、(他航空機より)膨大な労力が投入されているでしょうから、それは十分に「他任務を圧迫する余分な負担」だと考えるべきです
米GAOの同レポート掲載ページ
→ https://www.gao.gov/products/gao-26-108113
F-35や米空軍機の稼働率低下問題
「2024年度もF-35稼働率低迷」→https://holylandtokyo.com/2024/11/27/6455/
「F-35稼働率3年連続急降下」→https://holylandtokyo.com/2024/07/18/6077/
「米空軍機稼働率22年と23年比較」→https://holylandtokyo.com/2024/07/03/5968/
「20年と21年の比較」→https://holylandtokyo.com/2021/12/07/2465/


6月11日米会計検査院GAO(Government Accountability Office)が米軍F-35戦闘機の稼働状況に関するレポートを公開し、2021年度から2025年度にかけ、継続して稼働率が低下を続けており、本レポート作成の元資料となる米軍データ入手や聞き取り調査をGAOが行った後に発生した「Operation Epic Fury」による機体使用状況を勘案すれば、2026年度稼働率は更に低下するだろうと推定しています。