明けましておめでとうございます!
「おとそ」に相応しいゆるい話題も考えましたが・・・ちょっとコメントを
12月27日にウィラード太平洋軍司令官(Adm. Robert Willard)が朝日新聞のインタビューに答え、「DF-21Dが実戦配備直前の段階に入った」と発言した事実を世界中のメディアがフォローする騒ぎになっています。
対艦弾道ミサイル(ASBM)はAir-Sea Battleの重要な脅威対象でもあり、実現すれば世界初となるため注意しているのですが、この記事には若干注釈が必要と考えます。
Holylandは朝日新聞の当該記事を確認できずにいるのですが、・・・
●一般にメディア等で報じられている表現・・・
「中国軍の ASBMが初期運用能力(IOC)に到達した。 当初設計された飛行パターンは達成し、今後数年間テストが続けられる」
●英語メディアの表現(どこからの引用かは不明。口述表現らしいが)は・・・
–While the U.S. hasn’t seen an “over water” test of the missile, Willard says that the fact that the system is at IOC, means it can likely hit intended targets.
–Typically, to have something that would be regarded as in its early operational stage would require that that system be able to accomplish its flight pattern as designed, by and large.
–He goes on to say that while the missiles are not yet as serious a threat to American aircraft carriers as submarines are
(日本語ではだいたい・・)
–同ミサイルの水上テストを確認していないが、目標に命中できる初期運用能力(IOC)段階にあるのは事実だ。
–(ミサイルの場合)設計された飛翔パターンを実現できる程度のシステムを初期運用段階にあると見なすことがある。
–同ミサイルは未だ中国の潜水艦ほど米軍空母にとって脅威ではない。
●Holylandの解釈
–DF-21Dは、DF-21シリーズを改良するモノであり、地上目標に対して命中させることは既にA~C型で実現済み。ある意味でDF-21Dは、最初からIOCに近いミサイル
—中国にとって最も難関なのは、広大な海上での目標位置確認と移動する目標への終末誘導、及び一連の情報のミサイルとのやりとり等のターゲティング関連技術。
–中国が海上移動目標に対する試験を実施した場合、米国は全センサーを投入してその状況をモニターするであろうから、DF-21Dの飛翔状況やシステム全体の能力を程度把握できる。
–中国の内陸での試験を米国がどこまで把握しているかは不明ながら、軽易に「現状では潜水艦ほど脅威でない」とは言わないであろう。
–ウィラード司令官が「現状では潜水艦ほど脅威でない」と表現するのであれば、潜水艦がよほど気になるのか、DF-21Dはまだ未熟なのだろう
(関連記事)
「中国がASBM基地建設か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-01
「中国が対空母演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-01
「シャングリラ・ダイアログ演説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-05
「(質疑)シャングリラ演説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-10
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読売の「グローバルホーク導入検討」との記事(「2015年度まで(延々と)検討する」と米国には言い訳しておこう・・)もそうですが、よく読むと内容がほとんど無い記事が年末のこの時期には登場します。
このブログもそうですが、年末年始はネタが枯渇するのです・・・
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