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C-130派生型の州空軍ソリ付きLC-130 Skibirdが
南極観測支援主体から北極圏を見据えた挑戦
完全巡り対立のカナダと現場はがっちり協力し
3月5日、ニューヨーク州空軍第109航空団のみが保有する主に南極観測支援用に開発＆使用されてきたスキー付改修のC-130輸送機派生型LC-130「Skibird：スキーバード」が、約60年ぶりに「海水氷より薄い氷でも強度を確保可能な淡水氷」上に着陸し、温暖化により大国間の覇権争いが激化する北極圏での物資輸送に新たな道を開いたと、11日付米空軍協会web記事が紹介していますまた記事は、この「淡水氷への着陸」が、北極圏戦力投射をテストするカナダ軍との共同訓練「Nanook-Nunalivut：ナヌーク・ヌナリヴト」の一環として行われたと紹介し、トランプ政権による関税強化措置により、政治外交面では緊張状態にあるカナダと米国が、両国軍の最前線部隊では緊密な関係を維持し訓練していることを強調しています
海水の氷は、凍る際に塩分によって結晶構造が破壊されるため、ひび割れが生じやすくなる特徴がありますが、淡水の氷は海水の氷よりも純度も密度が高いことから、氷が薄い状態でも輸送機が着陸可能な強度を確保可能とのことで、LC-130がまだ米海軍所属であった1960年代前半（1999年に米空軍移管）までは淡水氷着陸の記録があるようですが、その後は南極観測支援が主任務の同機の淡水氷着陸は実施されていなかったとのことです。
それが地球温暖化に伴に北極圏への注目が高まる中で、同じ気温でも強度の高い表面が成形される「淡水氷」の特徴が掘り起こされ、約60年ぶりのチャレンジにつながったとのことで、米空軍が保有する10機すべてのLC-130を保有する同州空軍第109航空団の訓練派遣部隊指揮官は、「他の航空機ではアクセス不可の地域に米国がアクセス可能となる。LC-130と第109空輸航空団の将来が楽しみだ」とコメントしています。
また同航空団報道官は、今後の具体的作戦の拡大について、「撃墜された航空兵や航空機の回収、氷上での北極前方作戦拠点の設置、北極圏の陸上部隊への補給など、滑走路のない遠隔地への人員、装備、物資の迅速な配備に可能性が広がる」とコメントを発表しています。
米海軍と米空軍では、E-2D早期警戒機やC-130輸送機などT56エンジン装備機のプロペラを4枚から8枚へ交換する離陸性能等の向上改修を進めていますが、LC-130も2008年にこの改修を完了しており、当分LC-130も飛び続ける模様で、北極圏で10機の活躍場面が増えそうだと記事は締めくくっています。
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なおLC-130輸送機が装着の特殊なスキーはボート形状で、ボードの真ん中からタイヤが少し露出した状態にあり、滑走路など固い表面に着陸時はタイヤが機体を支え、氷雪上に着陸の際はスキーが機体を支え機体が雪にめり込むことを防ぐ仕組みで、スキー使用の世界最大の戦術輸送機だそうです。
またLC-130は推進力強化用のロケット4基を機体側面に装着可能で、荒れた滑走路や整形されていない雪上で、短距離離陸が必要時に活用可能な構造も備えているとのことです
トランプ政権立ち上がりの「ゴタゴタ」は、多方面で摩擦を引き起こしていますが、カナダと米国の最前線部隊が粛々と淡々と協力関係強化を進めていることに安心させられます。
初飛行から70周年のC-130
「70周年に」→https://holylandtokyo.com/2024/09/12/6264/
「飛行時間1万時間越えの強者」→https://holylandtokyo.com/2024/10/25/6408/
特殊C-130の話題
「ハリケーン観測部隊の活躍」→https://holylandtokyo.com/2024/05/29/5898/
「ACから105㎜砲取外し検討」→https://holylandtokyo.com/2023/11/10/5219/
「MCで飛行中航空機のサイバー対処」→https://holylandtokyo.com/2021/12/23/2548/
「AC用のレーザー兵器開発」→https://holylandtokyo.com/2021/10/21/2332/
「MCに海面着陸フロートを」→https://holylandtokyo.com/2021/10/13/2296/
「MCからミサイル投下発射」→https://holylandtokyo.com/2022/11/15/3936/
