B-21は試験用実験機データ活用し順調

実験機による順調な徹底検証飛行で開発予定通り
ソフト改修も最小限の1回で予想を上回る進捗
性能面では「十分な余裕が確認されている」

3月5日、米空軍協会主催の米空軍関係者が一堂に会するイベントで、Northrop Grumman社担当部門CEOが、2023年11月に初飛行に成功し、2024年から加州エドワーズ空軍基地で「少なくとも週2回」の試験飛行を続けているB-21次期爆撃機に関し、各種センサーを満載した飛行試験用航空機(a flying test bed)によるフライトが順調に進み、機体や搭載システムの徹底的検証が「非常に満足な」ペースで進んでいるが、

飛行試験結果にも「非常に満足しており」、機体開発で問題となりがちなソフト開発面でも、微修正は最低限に抑えられており、本格飛行試験開始の初年度におけるソフト改修は「わずか1回」で、様々な新技術を搭載した航空機の試験が開始された直後の1年であることを考慮すれば、B-21開発は予想を上回る進捗だと言ってよく、かつ性能面では「十分な余裕が見られる」と語りました。

そしてTom Jones同社担当部門CEOは、この結果は、飛行試験用航空機(a flying test bed)による順調な1000時間以上の飛行試験と、広範な地上テストを通じた、B-21の「ハード、ソフト、航法機器、通信機器」等々の内部システム試験評価に基づもので、希望的観測からの発言ではない、と胸を張りました。

B-21試験機にはリアルタイムで試験データを取得可能な機器が多数搭載されており、試験飛行で起こったことは「機体がまだ空中にある間に」分析開始できる体制が整っており、民間企業での開発にヒントを得た「システム開発全体の情報を集約してソフトコード開発を効果的効率的に進めるsoftware factory」の設置と併せた効果により、「ソフト認証期間が5割短縮された」されたと同CEOは背景を説明したようです。
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Jones同社担当部門CEOは、順調な試験を支える同社の人材育成についても触れ、「Northropは、労働力を維持するために、中学校および小学校から人材を募集しています(Northrop is recruiting from secondary schools and primary schools, to maintain its workforce)」と語っており、具体的手法が気になりました。

引き続き秘密のベールに包まれ、いつ部隊配備になるのかも不明ですが、米空軍で唯一といってよいほど「稀な」順調プロジェクトB-21次期爆撃機ですから、期待したいと思います。
(まぁ・・・、同社には米空軍史上最大の問題プロジェクトである次期ICBMシステム開発との大きすぎる課題がありますから・・・)

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