台湾の新型国産潜水艦が西側支援を受け完成&進水

老朽4隻に代わるディーゼル電気潜水艦を8隻導入計画
2500トン規模で浅い海での活動を想定した特徴
米国潜水艦搭載の各種装備を搭載

taiwan Hai Kun.jpg9月28日、台湾海軍の新型国産ディーゼル電気潜水艦(diesel-electric attack submarine)の1番艦が、中国神話の海中生物にちなんで「ハイクン:Hai Kun」と命名され、台湾南部の高雄市にあるCSBC造船所で、蔡英文総統も臨席する形で進水式を迎えました。

台湾海軍は現在4隻の潜水艦を保有していますが、第二次世界大戦中に建造された旧米海軍の潜水艦2隻と、1980年代後半に取得した旧オランダ海軍の潜水艦2隻で構成されており、老朽化が大きな問題となっていましたが、「ハイクン」は海上試験を経て2025年に台湾海軍で任務就役する予定となっています

taiwan Hai Kun2.jpgこの「ハイクン」型ディーゼル電気潜水艦(推定排水量は約2,500トン、長さは70メートル)を台湾は8隻導入する計画ですが、9月29日付Defense-News記事によれば、進水式の写真から、浅海での作戦用にX舵構成を持ち、一対の小さな水平フィンが追加されていることが確認できたということです。

また同記事は、同潜水艦部品の4割は国産であるが、多大な外国援助を受けており、支援には米海軍原潜で使用されているAN/BYG-1潜水艦戦闘管理システムの台湾版や、デジタルソナー、統合戦闘システム、潜望鏡などの補助装備が含まれている模様です

taiwan Hai Kun3.jpg更に、英国政府は(英国)企業に、約300億円相当の潜水艦技術と部品を台湾に輸出する許可を与え、日本の三菱重工業と川崎重工業の退職技術者が技術支援を行ったと言われています。またロイターによれば、2021年11月に、台湾が米国、英国、オーストラリア、韓国、インド、スペイン、カナダから技術者と退役した潜水艦乗組員を採用し、潜水艦の建造と運用について台湾海軍に助言していると報じています
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進水式典の様子(3分40秒)

taiwan Hai Kun4.jpg潜水艦についても素人に近いまんぐーすですが、海上自衛隊の潜水艦が2750~3000トンで全長80m前後であり、今回進水した「ハイクン」型(約2,500トン、70m)と同規模です。なお米海軍攻撃原潜のバージニア級は、7800トンの115mです

正面切って、中国の大規模艦艇群や大量の対艦ミサイルと、台湾海軍が対峙するのは無茶な話であり、このように隠密性の高い潜水艦戦などで対抗していくのが「あるべき道」だと思いますが、1番艦が今進水とは、気の長い話です・・・

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