空軍長官:次期制空機200機と無人僚機1000機

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調達目標ではなく、種々検討の前提として想定と
近日公開2024年度予算で打ち出すと表明
他に20個近い新プログラムも予算提案すると

Kendall AFA8.JPG3月7日、Kendall空軍長官が米空軍協会シンポジウムで講演し、近日議会提出する2024年度予算案に、200機の次期制空機NGAD(Next-Generation Air Dominance)と1000機の無人戦闘僚機CCA(Collaborative Combat Aircraft)導入を種々検討の前提とした予算を盛り込んでいると語りました

「種々検討の前提:notional」としての200機のNGADと1000機のCCAとの表現は、この機数が最終的な調達予定数ではなく、あくまで仮置きの前提数で、この仮置き前提数で部隊組織編制や訓練体制や訓練空域割り当てや維持整備体制構築の基礎検討を行うための数字とのことです

CCA.jpgF-22戦闘機(2030年頃から退役開始)の後継機と位置付けられているNGADの200機要求は、F-22の現在保有数180機を少し膨らませた似た規模となっていますが、200機の根拠について同長官は全く触れませんでした

また無人僚機CCA は、高性能有人機(NGADやF-35を想定)に随伴して有人機からの指示や自律的飛行により、電子戦やSEADや空対地&空対空戦闘や通信を担う無人機ですが、1000機の無人僚機CCAの内訳は、200機の各NGADにCCAを2機づつ割り当て、300機の各F-35に2機づつ・・・とのざっくり計算から来ていると同長官は説明しています。

NGAD 2023AFA.jpg以前同長官は、「5機以内のCCAが有人機に随伴」との検討方向を示唆していましたが、なぜ各有人機に2機随伴する算定なのか、また米空軍が1763機導入予定のF-35の中の、なぜ300機だけにCCAが各2機割り当てられるのかについても、言及しなかったようです

Kendall長官はNGADとCCAに関して以外にも、長期的視点で取り組む「約20個の新しく大きく能力向上につながる取り組み:close to 20 new or significantly enhanced efforts」の端緒を2024年度予算案に含めて打ち出すと説明しています

Kendall AFA9.jpgそして同長官は米議会に対して迅速な予算案議論や検討を求め、「最も恐れているのは、米議会が迅速に予算案を議論や予算配分を行わず、新たな取り組みの開始を妨げ、中国にギフトを送るような行動をとることだ。これには耐えられない」と述べ、更にマッカーサーの言葉を引用し「軍事的失敗の原因はこの言葉に集約できる。その言葉はToo lateだ」と議会に強いメッセージを送っています
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「種々検討の前提:notional」については「this isn’t an inventory objective, but a planning assumption to use for analysis of things such as basic organizational structures, training and range requirements, and sustainment concepts」との説明ですが、まんぐーす的には「観測気球」でしょうか。

NGAD9.jpg同長官は昨年4月末にNGADの推定価格について、「1機数百億円:multiple hundreds of millions of dollars」と発言して物議を醸しており、今後の予算案と米議会等での関連説明ぶりにも注目して行きたいと思います

 

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