米空軍史上最大の空輸演習が初めて西太平洋で

「Mobility Guardian」演習が初めて海外で
Five Eyes(米英加豪NZ)と仏と日本が参加
ハワイ・グアム・豪州・日本の基地に展開訓練

Mobility Guardian.jpg7月5日、米空軍輸送コマンドが今回で4回目となる隔年開催の空輸&空中給油演習「Mobility Guardian 2023」を初めて海外(西太平洋地域)で開始し、参加同盟国(Five Eyes(米英加豪NZ)と仏と日本)空軍と共に、過去最大規模だった2019年の約3倍の規模で、対中国のためのACE構想(Agile Combat Employment)や多能力兵士養成(Multi-Capable Airmen)を支える実験的な訓練を7月21日までの予定で実施しています

Mobility Guardian2.jpg米空軍輸送コマンドからの参加は兵士約3000名と輸送機・空中給油機あわせて70機と公表されていますが、実際には関連航空機が展開するハワイ・グアム・豪州・日本の基地等々で、同盟国兵士等も含め15000名が関連する史上最大の米空軍空輸給油演習となっているようです

3日付空軍輸送コマンドの演習紹介記事も、6日付Defense-News記事も、具体的な演習の設定や予定や同盟国軍の参加規模等について触れていませんが、輸送コマンド記事は空輸や空中給油のほかに「患者空輸」「グローバル空輸支援システムGAMSS」「指揮統制」「人道支援・被害復旧」を主要な演習項目として挙げ

Mobility Guardian4.jpgDefense-News記事は参加兵士の声として、「空軍輸送部隊の新しい展開モデル「AFFORGEN」を実際に試すことに興味を持っている。発電機を抱えて展開し、通信を確立してテントを設営し・・・と言った環境に応じた対処を迫られるが、将来の戦いを考えればこんな訓練機会がもっと必要だ」とのC-17搭乗員の言葉を取り上げ、演習の雰囲気を伝えています

Mobility Guardian3.jpgまた空軍輸送コマンドのMike Minihan司令官は、「Mobility Air Force(MAF)」との言葉を用い、対中国作戦でのACE構想実現に必要な空輸&空中給油所要に対応可能なレベルに空輸能力を高めるため、同盟国アセットを巻き込んだ関連体制強化を図りたい、と本演習に向け抱負を述べています

過去3回の「Mobility Guardian」演習がどのようなものだったか把握していませんが、今回の演習計画担当の中佐は「歴史的にこれまで輸送コマンドは、中東地域での輸送任務に焦点を当ててきた」、「西太平洋地域は全く異なる環境であり、演習の焦点も全く異なる。TTP(戦術・技術・手順)全てでシフトを求められている」と語っており、

Mobility Guardian5.jpg対中国念頭の本演習は初めてなのかもしれません。(前回2021年演習はコロナの渦中で、今年の1/7規模だったようですので、対中国を具体的にイメージできるレベルの設定が困難だったのかも・・・)

今後「Mobility Guardian 2023」で検索いただくと、様々な画像や映像が公開されていくと思いますので、ご興味のある方はご自身でご確認ください。

Mike Minihan司令官関連の記事
「2025年に中国と戦う」→https://holylandtokyo.com/2023/01/31/4241/
「KC-46A空中給油機が36時間連続飛行」→https://holylandtokyo.com/2022/12/12/3974/
「KC-46を操縦者1人で試行運用」→https://holylandtokyo.com/2022/11/02/3881/
「不具合抱えたままKC-46運用開始宣言」→https://holylandtokyo.com/2022/09/21/3688/

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