ドローンのサイバー安全性診断「BlueとGreen UAS」制度

米国防省DIUが2020年開始の「Blue UAS」認証基礎に
軍用以外のドローン認証Green UASを民間団体が開始
ドローン部品からの情報漏洩リスク診断で安全を

Green UAS.jpg2月23日、民間団体AUVSIが市販ドローンのサイバー情報漏洩リスクを診断して安全なドローンに認証を与える「Green UAS」プログラムを開始したと発表し、米国防省や米軍以外の米国省庁、法執行機関、緊急事態対処帰還、交通機関、エネルギー・通信・農業・食料・製造業などなど、多様なドローン利用関係者の要請に応えていく事になりました

この「Green UAS」プログラムは、2020年に米国防省DIUが既に開始している、国防省&米軍用に米国製市販ドローンのセキュリティー面を検証する制度「Blue UAS」を、国防省以外のユーザー用に展開したもので、「Blue UAS」を運用する国防省DIUと連携し、非営利団体AUVSI(Association for Uncrewed Vehicle Systems International)が開始したものです

Blue UAS.jpg元祖である「Blue UAS」との制度をまんぐーすは今回初めて知りましたが、米国防省や米軍が導入する米国製ドローンに、中国製など外国製部品が組み込まれて使用されることによる情報漏洩リスクの有無を診断し、心配の無い市販ドローンを認証する制度です。

公式Webサイトや関連報道等によると、2020年8月に第一弾「Blue UAS 1.0」として認証した5機種を発表し、2021年10月に第2弾「Blue UAS 2.0」、そして現時点では15機種が「Blue UAS Cleared List」に掲載されています。

関係者が語る「Blue UAS」(約30分)

「Blue UAS」認証は国防省や米軍に採用されるための唯一の道ではありませんが、その手続き等の明確さや官僚制の鈍重さを極力排除した仕組みで高評価を得たことから、他の政府機関や公的機関、更に社会インフラを担う民間企業からも同様の認証制度を求める声が高まり、「Blue UAS」関係者の支援も受けて「Green UAS」制度がスタートしたということです

Green UAS2.jpgAUVSIの幹部は、「Green UASはドローンセキュリティー認証分野における新たな革新であり、日進月歩で進化を続ける市販ドローンが、様々な分野で多様な役割を果たすことを期待する使用者に供するものである」、「この新制度は、ドローンセキュリティーやサプライチェーン確認課題への対応であり、市販ドローン提供者とユーザーと連邦政府のためのものである」、

更に、「安全でセキュリティーが確保されたドローンの提供により、ドローンへの高まる社会の期待と健全な競争環境育成への期待に応えるもの」とその意義を語っています

Blue UAS2.jpgなお、国防省や米軍での使用を想定した「Blue UAS」と、それ以外を対象とした「Green UAS」では多少認証の基準が異なるようですが、双方の関係者は、「Green UAS」認証を受けた市販ドローンが「Blue UAS」認証を受けるための追加基準を明確にし、セキュリティー上の問題がない優れた市販ドローンが有効に活用される仕組みづくりに貢献したいとの姿勢を示しています
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具体的な「Blue UAS」や「Green UAS」の認証基準や手続きについて全く把握していませんが、ご興味のある方は、以下に示す関連webサイトやYouTube映像で細部をご確認ください。

国防省組織DIUによる「Blue UAS」制度
https://www.diu.mil/blue-uas

「Blue UAS」により診断され使用承認されたドローン15機種
(2023年2月25日現在で)
https://www.diu.mil/blue-uas-cleared-list

「Blue UAS」プロジェクト解説記事(英語)
https://advexure.com/blogs/news/everything-you-need-to-know-about-the-blue-uas-program

情報共有と漏洩防止のはざまで
「開発担当次官が課題を語る」→https://holylandtokyo.com/2022/01/26/2649/
「外国製ドローン購入規制」→https://holylandtokyo.com/2021/09/21/2240/
「軍需産業との情報共有に乗り出す」→https://holylandtokyo.com/2021/01/18/300/
「半導体での米国巻き返しを討論」→https://holylandtokyo.com/2021/09/14/2168/
「中国製部品排除に時間的猶予を」→https://holylandtokyo.com/2020/08/15/524/
「上院による偽部品レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-23-1
「米国製兵器は偽物だらけ!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-29
「中国製にせ部品との戦い」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-10

危機に乗じた中国資本の米軍需産業への浸潤を警戒
「再びLord次官が警戒感」→https://holylandtokyo.com/2020/05/11/668/
「米国防次官:中国資本の浸透警戒」→https://holylandtokyo.com/2020/03/27/791/

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