10月伊空軍トップが来日し次期戦闘機協力協議へ

Defense Newsにイタリア空軍参謀総長が語る
英伊スウェーデン開発の将来戦闘機とF-2後継機の協力
微妙な技術協力範囲の調整が重要と示唆
欧州での次期戦闘機開発の一本化の可能性も

Goretti.jpg9月22日付Defense-Newsが、10月に日本の招待で来日予定のLuca Gorettiイタリア空軍参謀総長へのインタビュー記事を掲載し、英伊スウェーデンが共同開発中の次期戦闘機TEMPEST(FCAS:Future Combat Air System)計画と、航空自衛隊のF-2後継機開発における技術シェア可能分野を話し合う機会にもなるとのコメントを紹介しています

欧州の次世代戦闘機開発は、共に2018年頃からスタートした、英伊スウェーデンによるTEMPEST(FCAS)計画と、独仏スペインのFCAS計画がありますが、日本は三菱製の国産F-2支援戦闘機の後継機開発に英国との協力を模索して、日英企業間のエンジンやセンサー開発協力に「のろし」を上げているところです

Tempest3.jpg更に7月の英国Farnborough航空ショーで英国防相が、英国イタリア日本で次期戦闘機に関する「joint concept analysis」を進めており、年内に協力して何が出来るかを取りまとめることになっていると語っていましたが、この協議の一環と考えると、イタリア空軍参謀総長の来日とインタビュー発言が結びつきます

以下では、記事からGorettiイタリア空軍参謀総長の言葉をご紹介しますが、欧州と日本での運用環境や脅威環境の違いや、技術をオープンに出来る範囲など、協力関係の根本にかかわる重い課題が残されていることが示唆されています。

インタビューでイタリア空軍参謀総長は・・・
Goretti2.jpg●10月に航空幕僚長の招待を受け訪日するが、共通のプログラムに関し、ビジョンを共有し、ビジョンの共通しているところを確認する機会になろう。日本は彼らのF-X計画(F-2後継機計画)に導入可能な技術を、TEMPEST計画から得ることが可能になるかもしれないので、我々それぞれの軍需産業が何が何時出来るかについて、理解を深めることになろう
●(日本がTEMPEST計画に参画する可能性もあると示唆しつつ、)仮に日本のような国がTEMPEST計画に加われば、関係国それぞれが持つ(技術の)現実を知る良い機会になるだろう

Tempest2.jpg●(ただし、)我々はNATO諸国として、地中海や欧州がメインの焦点であり、FCAS計画(TEMPEST計画の別称)はNATOの安全保障規定に違反しないよう、技術交換に関し厳格に様々な側面から管理されている。
●NATOと日本はそれぞれに異なった戦略上の関心を持っていることから、専門家により如何に作戦コンセプトを共有して安全に技術情報協力が行えるか協議を進めている

欧州での次期戦闘機開発について
●(英伊スウェーデンとは別に、仏独スペインも次世代戦闘機開発計画を進めているが、仏Dassault社と独Airbus社の主導権争いで紛糾している状況に関連し、)TEMPEST計画と仏独チームの開発計画が合体する可能性はまだ残されていると思う。

Goretti3.jpg●戦闘機開発は巨大な投資を必要とし、単一国では行えない。欧州各国は投資コストを抑えたいと思っており、トーネードやユーロファイターの時と同じようなことが起こる得る。
●仏独は異なる道を進んでいるが、欧州で2つのプラットフォーム開発を同時に進めることは経済的に持続可能ではない。各国が要求事項を取りまとめ、一つのプラットフォームにまとまる可能性は十分あると思う
/////////////////////////////////////////////////

9月上旬まで豪州北部で行われた対中国を強く意識したPitch Black演習には、はるばる欧州から英仏独蘭4か国から戦闘機が参加しましたが、戦闘機開発と言う産業政策までを含む大きなお金の動くプロジェクトとなると、欧州とアジアの間には、まだ越えなければならない大きな壁があることを、イタリア空軍参謀総長の発言から感じました(邪推ですが・・・)

Tempest.jpgウクライナ関連で、欧州諸国は米国との関係も無視できないでしょうから・・・・。考えれば考えるほどハードルが高そうな気がしますが・・・

同参謀総長は1962年5月生まれの60歳で、2021年11月から同職についており、どれだけ任期が残っているのかわかりませんが、自国も参画している戦闘機プロジェクトに関し、他プロジェクトとの「合体」の可能性を示唆するとは、お国柄の違いというか、自由と言うか、日本での発言に注目(期待)したいと思います・・・。誰も注目せず、報道されないでしょうけど・・・。

英国の戦闘機関連話題
「2027年までにデモ機を作成発表」→https://holylandtokyo.com/2022/07/22/3480/
「英国がTyphoonレーダー換装推進」→https://holylandtokyo.com/2022/06/10/3303/
「英空軍トップが語る」→https://holylandtokyo.com/2021/05/19/1493/
「138機のF-35購入計画は多くて60-72機へ!?」→https://holylandtokyo.com/2021/03/31/174/

欧州の戦闘機開発
「英戦闘機開発にイタリアも参加へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-11
「独仏中心に欧州連合で第6世代機開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07-2

世界の安保・軍事情報を伝えたい ブログ「東京の郊外より」支援の会
米国を中心とした世界の軍事メディアが報じている、世界の標準的な安全保障情報や軍事情報をご紹介するブログ「東京の郊外より・・・」を支援するファンクラブです。ご支援お願いいたします。
ブログサポーターご紹介ページ: 東京の郊外より・・・
お支援下さっている皆様、ありがとうございます! そのお気持ちで元気100倍です!!! ●赤ちょうちんサポーターの皆様(3000円/月)  gueste29a9f838354様 ●ランチサポーターの皆様(1000円/月)   ●カフェサポーターの皆様(500円/月)  yaazooyaa...
タイトルとURLをコピーしました