英空軍トップが3月公表の国防予算計画を語る

Defense-Newsの独占インタビューです
Aaron Mehta副編集長が語る

Arron UK.jpg9日付Defense-Newsが、4月に訪米した英空軍参謀総長Mike Wigston大将に行った独占インタビューを紹介し、3月23日に英国防省が発表した国防予算計画「Defence in a competitive age」で、F-35購入機数に言及していない点やE-3後継のE-7早期警戒管制機の導入機数削減、更には次世代戦闘機TEMPEST開発予算の影響を受けるた事業について問いただしています
もちろん、疑問にきっぱり回答しているわけではありませんが、重要視している基本的考え方は参考になりますし、米軍と最も関係が深い同盟国英国の考え方を想像したいと思います

Aaron Mehta副編集長質問の背景には、
2021 UK.jpg●「Defence in a competitive age」では、「英国は、既に発注した48機を超えてF-35戦力拡大に取り組んでいく」と記されているが、2015年の国防計画文書SDSRに明示されていた138機体制構築計画への言及が全くなかった
同国防予算計画で、従来5機とされてきたE-3後継のE-7早期警戒管制機の導入機数が、3機に削減されている

仏独伊の共同開発連合に対抗し、スウェーデンとの共同開発がスタートしている次世代戦闘機TEMPESTの開発費に、今後4年間で約3000億円もの巨費を投じる計画が同国防予算計画で明らかにされている

Mike Wigston英空軍参謀総長は
質問1:国防予算計画では、本格紛争能力に多額の投資が行われる一方で、削減された計画もあり、極端すぎるとの批判も一部にあるがどうか?

Mosquito.jpg我々は過去数十年間、量と質のトレードオフに悩んでいた。しかし現在成熟しつつある技術は、8機のタイフーン戦闘機を、100機の無人機の群れや、また10機の無人ウイングマンと2機の有人戦闘機に置き換えることを可能にするかもしれない可能性を持っている
我々は大きな転換点に立っており、量と技術の両方を追求できると考えている

また我々は新たに備えるべき能力として、宇宙、データ分析、デジタル設計技術など新たな分野で、人材を確保育成する必要に迫られている
更に人材を育成する訓練手法においてバーチャルリアリティーや総合トレーニング等の新手法を導入する必要があり、また兵站や基地機能維持部門などでの高度な自動化を追求したいと考えている。これらは民間分野ですでに起こりつつある変革であり、その進歩を軍にも導入したい

質問2:E-7の導入機数が5機でなく3機に削減されたのはなぜ?

E-7 2.jpgまず英国政府が早期警戒管制機の重要性を認識し、老朽化するE-3後継としてE-7導入に同意してくれたことを喜んでいる。E-7はE-3に比し、飛躍的に高度なデジタル技術でセンサーを運用し、他機とのデータ共有も円滑に可能となる
5機から3機となれば能力が制約されることは明確だが、米空軍やNATO加盟国との連携を踏まえた広い視野で作戦運用して対応することを想定している。E-7のデータ共有能力をもってすれば、同盟国機との連携強化で相当部分が穴埋めできると考えている。将来的に5機に増強することを排除したわけではない。現時点では3機で対応しようということだ

質問3:138機のF-35購入目標はどうなった?まだ頭にある数字か?

F-35B.jpg我々はF-35導入の初期段階にある。当初の48機発注の内21機しか受領していない。今後来年は33機、その後は48機になる計画である。我々はF-35部隊の成長に取り組んでおり、その点で何も変わっていない
今も米国防省F-35計画室やロッキードと導入についての継続的に協議を行っている。このプラットフォームを潜在的に50年間運用する予定であり、短期的に最終的な数字に到達することを急いでいない

F-35B型購入から、A型購入に変更するオプションについては今も議論があるが、その決定は私の後任者の時代になされることであろう。今は空母エリザベスと空母プリンスオブウェールズに必要な十分な機体と運用要員を確保することに集中すべき時だ

質問4;次期戦闘機TEMPEST計画の犠牲になる他装備は?

英政府は今後4年間で約3000億円をTEMPEST計画に投資するが、政府が英軍に投資する全体額は3.7兆円であり、他の計画とのトレードオフはないと考えている
質問5:無人ウイングマン機Mosquitoの完成見込みは
TEMPESTは2030年代後半からの運用を想定しているが、Mosquitoは今後10年で最前線に送ることを目標に取り組んでいる。国際協力の機会であることは間違いない。米国や豪州の動きも注目している
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「質問1」に対するWigston英空軍参謀総長の対応は、今の空軍関連の技術動向を的確に表現していると思います

F-35 Sun-Set.jpg「現在成熟しつつある技術は、8機のタイフーン戦闘機を、100機の無人機の群れや、また10機の無人ウイングマンと2機の有人戦闘機に置き換えることを可能にするかもしれない」
「新たに備えるべき能力として、宇宙、データ分析、デジタル設計技術など新たな分野で、人材を確保育成する必要」
「人材を育成する訓練手法においてバーチャルリアリティーや総合トレーニング等の新手法を導入する必要があり、また兵站や基地機能維持部門などでの高度な自動化を追求したい」

残念ながら、F-35を共同開発国でもないのに大量の購入する(させられる)日本は、F-35の購入費と維持費で破産し、英空軍参謀総長の考える上記重要分野に配分する資源が残らないでしょう

英国防予算計画「Defence in a competitive age」関連
「英国の138機F-35購入計画は多くて60-72機へ!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-24

英空母エリザベスの悲しき現実
「英空母エリザベス米英のF-35B搭載で初出撃」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-07
「英新型空母と米駆逐艦が空母攻撃群を編成へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-22
「英空母エリザベスは米軍F-35B部隊と一体運用へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-26-1
「英空母が航空機不足で米軍にお願い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-10-03
欧州の戦闘機開発
「英戦闘機開発にイタリアも参加へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-11
「独仏中心に欧州連合で第6世代機開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07-2

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