14日、米統合参謀本部の統合体制係長であるTravis Norton中佐が、「AFA航空宇宙シンポジウム2015」で講演し、対テロ作戦等の地上目標対処に活躍しているMQ-9Reaper無人機が、海上目標に対しF-16等と連携して作戦能力を証明したと明らかにしました
お金を掛けず、短期間で実現可能なアイディアを色々試してみよう・・とのスローガンが聞こえてきそうな取り組みが「統合体制係長:Joint Readiness Branch」で行われているようで、米空軍も積極的に協力しているようです
なんで今までやらなかったの? と聞きたくなる気もしますが、120%実戦投入されて酷使されてきたMQ-9部隊ですから、攻めるのは酷でしょう
14日付Defense-Tech記事によれば
●ワシントンDC郊外で実施されているAFAシンポジウムで、米空軍のMQ-9と戦闘機がチームを組み、フロリダ沖の海上で海上目標への攻撃演習を行って成功裏に終えたと米空軍幹部が発表した。
●統合参謀本部のNorton中佐は、「海面環境でも、MQ-9がkill-chainの一部を構成し、完全に任務を遂行出来ることが証明された」と表現した
●同中佐はまた「MQ-9は、F-16やF-35等の他作戦機と融合して任務遂行した。仮設の任務は小型ボートで侵攻する敵の撃破であった」と場面設定を説明し、「両者は極めて効率的に連携した」と成果を表現した
●MQ-9は1機が「big picture」を攻撃機に提供し、もう1機が「敵か味方かを通報する役割」を担って分担した。無人機を活用することで「kill-chain」全体がスピードアップした
●(米空軍の)ISR部無人機課のMQ-9係長であるJason Willey少佐は、この演習は、有人機と無人機の組み合わせを今後空軍が積極的に推進していくことを体現したものであると表現した
●同少佐は、米空軍が将来無人機を空中給油や輸送機として活用する計画があるものの、それはずっと先の話で有り、まず小型機で物資を最前線拠点に輸送するような形で、C-17のような戦略輸送のイメージではない、と語った
●更に少佐は、無人機による空輸は、まず民間分野で開始されるのではないかとも語った
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先日、地上目標を補足して識別する米空軍のJSTARSが、初めて米海軍のP-8哨戒機とコラボし、海上目標の捜索を効率的に行ったとご紹介しましたが、いろんな面で海空軍の連携が深まることは好ましいことですし、効率性追求と重複排除に役立てて頂きたいものです
このような協力強化は、エアシーバトルが本来強調していたもので、その魂がサバイバルしているようで嬉しいです。
ホワイトハウス政権が中国を刺激しない配慮を求め、国防省エアシーバトル室を閉鎖してJ-7の片隅に名前を変えて追い込み、米海軍大学の研究者達には強烈に中国を批判するような発信はするなと釘を刺しているようですが、実質中身で勝負して欲しいものです軍人は。
初めて米空軍JSTARSと米海軍P-8が海上目標対処で協力し「海上目標の探知、追尾、識別分類に驚くべき能力を発揮することが、本演習で明らかに」
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-29-1