ロシアの核攻撃監視衛星が機能停止

Maidanovich3.jpg6月30日付「Moscow Times」によれば、ロシアへの核攻撃を早期警戒する衛星システムが不調に陥り、後継システムの衛星打ち上げも予定より遅れて11月以降になる模様です。
誰もロシアを核攻撃しようなどと考えていないでしょうが、プーチン大統領が先頭に立って勇ましく振る舞っている割には、いろんな重要システムに「ガタ」が来ているようです
同30日付Defense-Tech記事によれば
●タス通信を引用した30日付「Moscow Times」によれば、ロシア軍の航空宇宙防衛軍は、予定より遅れて数ヶ月先まで新しい核攻撃警戒衛星システムを稼働出来ないようだ
Maidanovich.jpg●ロシア軍は新システム用の衛星打ち上げを少なくとも4ヶ月遅らせることになり、その間、宇宙を経由した核攻撃(核弾道ミサイル攻撃)を探知出来ない
●「United Space System」とタス通信が呼ぶ新システムの最初の衛星は、11月に打ち上げられる予定である
●30日にOleg Maidanovich航空宇宙防衛軍司令官(少将)は、「最初の衛星の打ち上げ準備はほぼ整っているが、打ち上げは11月になるだろう」とのべ、なぜ打ち上げが11月まで遅れるのかに言及しなかった
●「Moscow Times」は、ソ連時代の旧式の早期警戒衛星システムが、技術的トラブルから昨年からほとんど使用出来なくなっている
新しいシステムは、地上の早期警戒レーダーとも融合し、より地球規模のミサイル発射状況を警戒する事を目指しているが、完全運用体制になるのは2018年だと「Moscow Times」は報じている
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Maidanovich2.jpg先日、ロシア空軍が短期間に3件の大事故を起こしたとご紹介した際、「維持や整備費が削減されている」との報道を取り上げました。
より厳密に言うと、ロシア軍全体の2015年軍事費は、プーチンの大号令で約3割増になっているようですが、細部は不明ながら勇ましい部分に増額予算が投入され、地道な維持・整備予算に目が向いていないようです
「事故多発のロシア空軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-13
3件連続の航空大事故と早期警戒衛星システムの不調・・・これだけでロシア軍全体を勝手に類推することは出来ませんが、良い方向に向いているとは思えません
国外に優秀な人材が流出する中、ロシア軍の士気も懸念されます。そして関連で気になるのが、ロシア核戦力の管理状態です。米軍でさえ装備の老朽化が深刻化する中・・・

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