トランプ大統領がBoeingへの公的資金投入に言及

追記
(18日付ブルームバーグ報道)
●ボーイングは、自社およびサプライヤーのために少なくとも約6兆4400億円の支援を米政府に求めている
ボーイングの17日付資料によると、連邦支援は「融資保証を含む公的および民間流動性」などを網羅するものとなる見込み。事情通によれば、提案の詳細はまだ固まっていないが、資金支援の大半はボーイングを通じて部品メーカーのネットワークに流れることになる
→https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200318-98548236-bloom_st-bus_all
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商用部門から救済要請があった模様
軍事分野への影響も不可避:事業切り売りも

Trump Boeing3.jpg17日、ホワイトハウスでの記者会見でトランプ大統領が、B-737MAX墜落事故2件連続発生とコロナウイルス関連で苦境に陥っているボーイング社に関し、「我々は何としてもボーイングを守らなければならない。助けなくてはならない」、「航空関連企業が厳しい中、ボーイングはうまくいっていない。助けることになろう」と発言し、一般企業への何等かの形での公的資金投入を示唆しました

CNBC報道によれば、大統領のこの発言は、ボーイングの商業部門幹部が政府に対し、難局を乗り切るために、当面の操業資金の短期資金融資を要請したことを受けたものの様ですが、少なくとも公になっている範囲では、軍事部門からは同様の資金融通要請はない模様です

米大統領は会見で細部に言及しませんでしたが、事はそんなに単純ではありません

Trump Boeing2.jpg●ボーイングにぶら下がる多数の部品供給企業などの膨大な範囲のサプライチェーンを含めるのか?、そんな事が可能なのか?
軍需産業部門にも支援することになるのか? 間接的にでも軍需部門を支援することに競合他社が黙っているのか?
●そもそも、株主に膨大な配当金を分配してきた一般製造業に「公的資金」など、納税者の許しを得ず可能なのか?

B-737MAXの事故原因はボーイングのいい加減な製品開発にあると多くの国民が承知している中で、多数の雇用に影響するとはいえ、国民が納得するのか?
投資金融アナリストのByron Callan氏は、仮に公的資金投入となれば、株主への痛みを伴う措置は避けて通れないと述べ、更にコロナウイルスの航空業界全体への影響が数ヶ月続くと予想されることから、ボーイングは大きな決断を迫られるのではないかと見ており、具体的には
●「厳しい状況となれば、ボーイングの軍需産業部門も影響を受けざるを得ないだろう。1年もこの厳しい環境が続けば、ボーイングは(軍需部門の)アセット売却を始めざるを得ないだろう。このことは軍需産業界の新たな再編に繋がるものとなる」と分析しています

ボーイングの軍需関連事業には、グダグダのKC-46A空中給油機以外にも多くの重要装備品があり、記事として最近取り上げたものだけでも、以下のようなものがあります

ボーイング関連の記事
「やっぱりだめ:KC-46は更に遅れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-04
「イヤイヤF-15EXに進む米空軍」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-30
「JDAMに推進装置で射程延伸」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-01
「EA-18Gを無人改修し編隊飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-05-1
「MQ-25が初飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-20
「ICBMから怒りの撤退」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-07-27
今後の展開が気になりますが、とりあえず、会見でのトランプ発言をご紹介しておきます

17日付Defense-News記事によれば
●我々は何としてもボーイングを守らなければならない。助けなくてはならない。航空関連企業が厳しい中、ボーイングはうまくいっていない。助けることになろう
Trump Boeing4.jpg●ボーイングは長年に渡り優れた業績を残してきており、過去にこれほどの困難に直面したことはなかった。ただし今、同社はいくつもの側面で困難に直面している。これまでの歩みを振り返れば考えにくいことだ。

1年前までは、世界で最も優れた企業の一つだった。それが今、15もの異なった面から困難に直面している
●ボーイングは新たな経営者を迎えた。私は新たな経営陣と最近面談したが、素晴らし会談だった。(ボーイングの新しいCEO、Dave Calhoun氏らのこと語っていると思われる)
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ボーイングを対岸の火事としていられないような世界経済の見通しですが、サプライヤーを含めれば全米で数万人(数十万人かも・・・)の雇用に直結する巨大企業ボーイングですから、世界がトランプ大統領の動きに注目するのは当然ですし、ボーイングだけでなく、他にも多くの雇用を抱える大企業が窮地に陥る可能性は十分です。

大統領選挙を睨んでの動きとか、いろいろメディアでは論評されている最近のトランプ大統領ですが、一つの正念場でもありましょう。

ボーイング関連の最近の記事
「やっぱりだめ:KC-46は更に遅れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-04
「イヤイヤF-15EXに進む米空軍」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-30
「JDAMに推進装置で射程延伸」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-01
「EA-18Gを無人改修し編隊飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-05-1
「MQ-25が初飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-20
「ICBMから怒りの撤退」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-07-27

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