昨年12月27日、豪軍の参謀総長が地元紙に「地域の安定に寄与するため中国とのwar gamesを計画中で、米国も参加を望むだろう」と語った模様です
「War game」が机上演習なのか、実部隊が参加する演習なのか、27日付「Defense News」記事からは明確ではありませんし、「煮詰まっている」感じではありませんので、とりあえずご紹介です
David Hurley参謀総長は豪紙に・・・
●米国を含めた豪中でwar gamesに向けて協議を継続中である。近い将来を目指している
●更に、豪と中国の軍リーダーは、war gamesの原則的事項について議論を行った。誰もが実現に向け飛びつくような簡単なものではないが、確実に議題として卓上にある
●基礎的事項を議論している最中であり、今後詰めるべき細部が残っている。いつ、どこで、どのように・・・といった事項が今後の議題である
●我々は地域諸国の軍事関係強化を望んでおり、そのために中国を知る必要がある。彼らは我々を知る必要があるのだ。我々は建設的な計画に取り組んでおり、互いの信頼構築に資するものである
27日付「Defense News」記事は背景等を・・・
●中国が軍の近代化を進め、領土主張を強める中、米軍がアジア太平洋へのリバランスで当地域への海軍プレゼンスを強化し、海兵隊2500人を豪北部にローテーション派遣を開始している
●このような中、米軍の動きを中国政府が「冷戦時代のメンタリティーだ」と批判している。一方で12月上旬、中東で海賊対処に従事していた中国海軍艦艇が、豪中国交開始40周年を記念してシドニーに寄港した。
●Hurley参謀総長は「このような寄港が急激に増加することは無いが、しばしば見られるだろう」とコメントしている
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ここまで紹介しておいて今更ですが、昨年の今頃にも同様の発言が豪国防省から在りました。
しかし3カ国演習が実現したとの話は聞きません。そういったレベルの話なのかもしれません。
昨年の動きの概要は・・
●2011年11月22日、豪のスミス国防相は「豪は、豪と米国と中国の3国による軍事訓練を真剣に考慮している」と述べ、豪への米海兵隊配置を批判している中国との間における「誤解や誤算のリスクを低減するため」だと訓練の必要性を強調しました
●バリで開催された東アジアサミットで、インドネシアのユドヨノ大統領はギラード豪首相に対し、上記の3ヶ国訓練のような手段で緊張緩和や誤解防止を進めるべきだと勧めた模様
「豪が米豪中の海軍訓練計画へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-24
「米豪関係のミニ分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-12-1
「更に前進:米豪軍事関係」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-23
「米NZ軍事関係が改善へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-22