4日付Defense-Neswによれば、NATO軍事報道官がバルト3国の領空保全のために加盟国が派遣していた戦闘機を、9月から現在の16機体制から8機体制に縮小すると明らかにしました。
「軍事的な要求がそれほどではない」との説明ですが、ロシアの活動の実態に変化があるのかは良くわかりません。とりあえずご紹介しておきます
4日付Defense-News記事によれば
●4日NATOは、ロシア軍機の地域での活動活発化に対応し、バルト3国の領空保全のため派遣している戦力を、9月から削減すると発表した。
●NATO軍事報道官は「9月1日をもって、NATOはバルト航空警戒任務に割り当てた戦力を8機にする」、「現在NATOは16機の戦闘機を本任務にアサインしているが、この機数は軍事的要求を上回っている」とAFPに述べた
●リトアニアのJuozas Olekas国防相はこの削減を大したことではないとの認識を示し、地域の安全保障に影響はないと語った
●同国防相は「最近は領空侵犯がない。ロシア軍機はNATO要撃機のエスコートを度々受けているが、領空侵犯は防げている。これらを勘案し、戦力の合理的な活用の観点から決断されたものである」と語っている
●NATOは昨年初めから、ウクライナを巡るロシアと西側との緊張が高まるにつれ、露がバルト3国を不安定化させるのではとの懸念が高まり、徐々にバルト3国周辺空域保全のための派遣戦闘機数を増加させてきた。
●航空戦力に欠けるバルト3国がNATOに加盟した2004年以降、同国領空の保全に当ってきた
アイスランドへは継続派遣
●7日付NATO発表によれば、チェコ空軍のグリペン戦闘機（JAS-39）4機が、対空警戒任務のためアイスランドのKeflavik基地に到着した。8月29日まで同基地に展開する
●本派遣は空軍戦力を持たないNATO加盟国へのNATO戦力の派遣で、通常1回の派遣は3～4週間、年3回戦力ローテーション派遣が行われている
●米空軍がアイスランドから撤収した2008年から、空軍戦力を持たない同国へのローテーション派遣は行われている。英国に配属されている米空軍F-15Cも、今年4月には同国に派遣されていた
●声明によれば、到着したチェコ空軍機と60名の整備員等は、必要時には至短時間で最大戦力による対空警戒が行えるよう訓練する。
●チェコ空軍がNATO加盟国に派遣されるのは4回目で、2014年にはアイスランド、2009年と2012年にはバルト3国に派遣経験を持つ
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9月からの航空戦力削減が、ロシアの（息切れや航空事故多発による）活動鎮静化を示すものなのか、逆にNATO諸国の息切れによるものなのかは不明です。
ロシア側の息切れであることを希望しますが・・・。今後の情報に注目いたしましょう。
米軍の首脳陣交代が全て議会で承認され、統合参謀本部議長、同副議長、陸海海兵隊のトップが8月中には交代することになります
軍人指導者の交代で大きな政策転換はないでしょうが、これを機会に新機軸を打ち出す作戦はありえます。F-35削減とか・・・
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おまけ：トルコから発進はまず無人機
●4日、トルコ軍空軍Incirlik基地からの米軍航空機による最初の対IS攻撃に向かったのは、機種は不明ながら無人機だった。しかし米空軍報道官は、無人機の機種や攻撃成果については言及しなかった
●一方で同報道官は、トルコ国内にISR用無人機が存在し、同無人機に攻撃兵器を搭載することは簡単だと語った。この発言はMQ-1またはMQ-9が攻撃を行った可能性が高いことを示している
●同報道官は、現時点では無人機のみによる攻撃に限定されているが、有人機が「近い将来」これに加わるための準備が行われているとも述べた
●地上作戦の可能性について問われた同報道官は、「今言えるのは、米軍が訓練して装備を提供した穏健派シリア勢力と協力していく戦略に変化はないという点である」と応えた
9日6機のF-16がイタリアから到着
（9日付Defense-News記事）
●9日、対IS作戦に参加する6機の米空軍F-16が、イタリアのAviano空軍基地（第31戦闘航空団）からトルコ空軍のIncirlik空軍基地に飛来し、約300名の整備員等もF-16と共に到着した
●トルコ政府が、トルコ空軍基地に対IS作戦に参加する多国籍軍機の受け入れを表明して以降、有人機が飛来するのは初めて。
●なお、4日からは米軍の無人機による対IS攻撃が開始されている
関連の過去記事
「英・ノルウェーがバルト3国防空」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-01-1
「トルコ軍基地を使用し対IS空爆開始へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-24
NATOがバルト3国への派遣戦闘機削減へ
安全保障全般