次の太平洋空軍司令官は黒人パイロット

Brown.JPG16日、トランプ大統領は次の太平洋空軍司令官、つまり有事に対中国や対北朝鮮航空作戦を指揮する人物に現在中央軍副司令官を務めるCharles Q. Brown中将を推薦しました。なお同中将は既に、中東地域の航空作戦指揮をとる中央軍空軍司令官も経験しています
同中将は併せて大将への昇任も上申されており、議会で承認されれば、現在同司令官を務めるTerrence O’Shaughnessy大将が北米コマンド司令官に栄転した後の後任者になります。
Brown中将は、テキサス工科大学出身のF-16パイロットで、技量優秀な操縦者が務める「Weapons School」司令官経験がありますが、2008年5月に韓国Kunsan戦闘航空団司令官を終えた後は、中東べったり(欧州も少し含むが) の経歴で、頭を切り替えていただく必要がありましょう
Charles Q. Brown中将の経歴表を見ると
Brown2.jpgアジア経験は、中尉時代に韓国KunsanでF-16パイロットとして1.5年、大佐である同基地司令官として1年間のみ。朝鮮半島情勢が不安定な中、太平洋軍や太平洋空軍司令部のあるハワイ勤務経験はなし
●F-16操縦者としては米国内基地を複数経験し、「Weapons School」教官や司令官を務めた技量優秀者と推察。また米空軍大学のACSC(指揮幕僚コース)を優秀成績者として卒業した、頭脳明晰な人物と推察
●ワシントンDC勤務では、米空軍参謀総長の副官や空軍長官直属の特別検討チーム長を務めた経験を持ち、将来を嘱望されたパイロットであることが伺える
●経歴の特徴は、最近の中東エリアべったり感少佐時代の1997年から中央軍司令部の航空作戦スタッフを経験し、その後、韓国Kunsanやイタリアで航空団司令官を務めた後は、2011年から中央軍一色の職歴
●具体的には、中央軍作戦副部長、中央軍空軍副司令官、(欧州空軍作戦&戦略抑止部長をはさみ)、中央軍空軍司令官、そして現在は中央軍副司令官と、対シリア、対イラク、対アフガンの作戦に集中していた人物
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Brown3.jpgアジア勤務が韓国での飛行運用だけ、しかも2008年5月が最後・・・というのは不安材料です。日本や太平洋軍司令部の経験がないのも気になります
まぁしかし、これは仕方のないこととして、急いでお勉強していただく必要がありますが、パイロットとしての勘の良さと、中東地域の実戦感覚をアジアでも生かしていただきたいものです
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