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米軍兵士を優先度で4階層に分けて検査
経済活動再開地域には2段階対処方針で
5日、エスパー国防長官とMilley統合参謀本部議長が記者会見して国防省と米軍内におけるコロナ対策の方向性について説明し、米軍兵士(職員含む?)を緊急度や優先度を基準に4つのグループ(4階層:four-tier)に分け、第1階層からウイルス検査を行い、合わせて抗体保持の状況を確認して今後の活動方針検討の資とすると明らかにしました。ちなみに、最優先の第1階層については全員の検査が既に終了しているようです
また、州毎に順次経済活動の再開が始まっていることから、通常体制に向かいつつある州に所在する米軍基地や国防省機関向けの対応指針を示すということです。更に、ウイルスの「人工説」や「意図的拡散説」については考えにくいと否定しています
米軍は、3月13日のトランプ大統領による「国家非常事態宣言」を受け、3月25日に全ての米軍人と文民職員の不要不急の移動を2-3ヶ月間停止すると発表、更に4月14日には指示を延長すると発言し、時期については複数の国防省関係者が夏ごろまでと発言していたところです
この意味するところは、中東やアフリカなど厳しい環境の地域に派遣されている部隊の交代ができず、前線部隊の負担が蓄積しているということで、何とか改善の糸口を見つけたい状況にあります
米国防省や米軍のコロナ対策・影響(随時更新・追記中)
5月5日時点で、米軍兵士の感染者は述べ4967名、文民職員や家族、基地内勤務契約業者の感染者延べ合計は7526名で、州兵の派遣数も5万名に近づいて増え続けています
→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-19
また、大規模な演習や訓練は中止や縮小に追い込まれ、F-35の開発試験や国防省が注力している統合の指揮統制システムABMSの開発や全ドメイン連接実験演習ADC2も延期や遅れが伝えられていますが、そんな中で、出口戦略の一端を明らかにした会見と考えられます
5日付米空軍協会web記事によれば
●5日、エスパー国防長官とともに記者会見を行ったMilley統合参謀本部議長は、米軍兵士を4つの階層に分けコロナ検査(a four-tier testing plan)を実施し、「無症状感染者:asymptomatic personnel」を含む米軍内の感染状況を把握すると説明した。
●4つの階層は、カギとなる戦略任務や国土防衛にあたる兵士(核抑止3本柱関連兵士と領海領空保全などにあたる兵士を指すものと推測)、戦闘地域で活動する兵士、戦闘地域から帰還した兵士、そしてその他の兵士の4つに分類され、第1階層の戦略任務や国土防衛にあたる兵士に対する検査は全員終了しており、第2階層への検査に現在取り組んでいると同大将は説明した
●エスパー長官は上記の方向で進めるためには、今後の感染の推移により変更があり得るが、国防省の現在の検査能力2万人/週を、5.6万人/週に拡大する必要があると説明した。一方で、全兵士に対する検査は必要ないと述べ、
●また4階層の優先度の高い3階層の検査を終えた後は、余裕があれば「その他の兵士」に対して「状況監視のための抽出検査:Sentinel testing」を行い、どのくらいの割合で無症状感染者が存在するのかを把握し、後の対処方針の参考にするとの構想を示した
●またエスパー長官は、経済活動を再開し始めたジョージア、フロリダ、テキサス州などの地域の米軍基地や国防省機関を念頭に、国防省として2段階の対応の基本指針を示す予定だと説明し、その一つは全ての国防省関係者に共通する指針で、もう一つは前述の共通指針を基にした、各基地司令官が定める地域の状況に応じた細部指針であると説明した
●更に長官は、様々な情報が交錯している「コロナウイルスの起源」に関し、国防省情報機関が引き続き情報収集と分析に取り組んでいると述べ、これまで集まった情報からすると、ウイルスが人工的なものでないことと、意図的に中国内で拡散されたものでない可能性が高い、と述べた
●一方で、ウイルスの拡散が武漢の市場から始まったものなのか、同市内の研究所などからなのかについては結論には至っていない、とMilley議長は述べ、「多くの機関が様々視点から分析を行っているが、中国が門戸を開き、国際的な調査を受け入れれば大きな助けとなろう」と語った
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ウイルスの起源等について、なぜ長官でなくMilley議長が説明しているのでしょうか? 国防省の情報機関は長官が束ねているイメージなのですが・・・。長官が触れると刺激的すぎるからでしょうか?
未だに、米国や英国や欧州で爆発的に感染者や死者が拡大している理由がよくわかりませんが、様々な海外の事例を学びながら、この危機を乗り越えていきたいと考える次第です。
それにしても、中国は如何なる理由で国際的な調査受け入れを拒否するのでしょうか? それでも国際社会は中国にすがって生きていくことになるのでしょうか?
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