米空軍が同盟国等との下士官協力を強化

「to become interchangeable」有事の相互運用狙い?
まずは「Five Eyes」同盟国との関係強化
アジア太平洋地域での作戦遂行を見据え

Flosi.jpg8月28日、米空軍が主催した「国際上級下士官サミット」でDavid Flosi米空軍最先任軍曹らが、アジア太平洋地域での(対中国)大規模紛争に備え、米空軍と同盟国軍下士官の間での交換プログラム(international exchange program)を拡大させたいと述べ、その狙いは「単に互いに学ぶ」ことだけではなく、「互いに交換して相互支援可能になる」ことにある(to not only learn from each other, but to become interchangeable)と述べました

そして交流拡大の手始めとして、米国と高レベルの機密情報交換協定を結んでいる「Five Eyes」同盟国(米英豪加NZ:United States, Australia, Canada, New Zealand and the United Kingdom)を対象として進めるとし、既に豪州空軍との間で具体的内容の検討作業を進めているが、迅速に拡大に取り組みたいと説明しています

Senior Enlisted2.JPGDavid Flosi米空軍最先任軍曹は取り組みの背景について、中東では(過去20数年間にわたり)空軍は快適な滑走路、確実なサプライチェーン、強固な通信ネットワーク、そして完全な制空権を備え、比較的争いのない環境で活動していたが、インド太平洋戦域にはそのような環境は存在しないし、滑走路、補給ルート、通信など全てが厳しい状態に置かれている、と語っています

またFlosi米空軍最先任軍曹は、国際下士官交換「international enlisted exchanges」をどのように機能させるかの細部や、実施のスケジュールは検討中だと語りましたが、カウンターパートの豪州空軍Ralph Clifton准尉は先に紹介した、「単に互いに学ぶ」ことだけではなく、「互いに交換して相互支援可能になる:to become interchangeable」、と説明しています

Senior Enlisted3.jpg更にFlosi先任軍曹は、豪州空軍との間では、8月16日にB-2爆撃機を豪州空軍アンバリー基地に派遣した機会にも交流を推進したことに触れ、また「Five Eyes」同盟国以外との交流も機会も推進していると説明し、事例としてサウジとヨルダン空軍の下士官との協力関係の拡大や、NATOの新加盟国であるフィンランドとスウェーデン空軍とも交流する機会を持ったと語っています
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Senior Enlisted5.JPG「To not only learn from each other, but to become interchangeable」をどう解釈するかによりますが、中東と異なり、アジア太平洋では環境が厳しい点を強調していますので、「interchangeable」は、例えば「米軍兵士の代わりに豪州空軍兵士が航空機の再発進支援や機体整備を行う」、「米空軍展開基地の警備や防空を豪州空軍兵士が担う」ことになると考えるのが自然でしょう

Flosi先任軍曹の話や記事に、「日本」との単語は出てきませんが、対中国最前線の日本列島ですから、当然、関係ないでは済まされません

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