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計26機調達を予定し、2032年までに24機導入
稼働率崩壊の既存E-3の約半数15機を今年退役へ
2月28日、米空軍はボーイング社とE-7A戦闘管理指揮統制機(E-7A battle management and command-and-control aircraft)(E-3は早期警戒管制機でしたが)の初号機納入契約を価格上限1600億円で結んだと発表し、同機を計26機調達予定だと明らかにしました。
老朽化が著しく稼働率が6割を割り込み、稼働機確保に部品共食いなどを繰り返す現場整備員から、米空軍や部隊指揮官に対する強い不平不満がメディアを通じて報じられて問題となったE-3の後継に、豪州用に開発され英空軍も導入し、韓国とトルコも発注しているE-7Aが2022年4月に決定しましたが、具体的な調達計画をボーイング社と煮詰めて契約発表との運びとなったようです
今回の契約は、米空軍の細部要求性能を満たす米国製システムを既存のE-7Aに搭載して確認する「rapid prototyping」と呼ばれる初号機で、既導入の豪州や英国E-7Aとの相互運用性等の確認も目的とした機体で、2025年から製造に着手し、2027年納入を予定するものです
その後は2032年までに計24機をボーイングから米空軍が受領し、最終的には26機体制で米空軍は同機を運用するとのことです。一方で稼働率低下で困難な運用を迫られているE-3は、現有機の約半数に当たる15機を2023年中に退役させ、残りの機体でE-7Aが導入されるまでの期間の早期警戒管制と戦場管理任務を引き続き担うことになります。
E-3の15機2023年退役については、米議会から「能力ギャップ」が生じると懸念の声が出ていますが、B-737をベースとするE-7Aの調達速度をこれ以上早めることはB-737機体確保上から不可能で、E-3については現役機として維持していても維持整備費がかさむだけで全体の稼働率向上が難しいことから、退役させて部品取り用に活用した方が得策との本音が裏にはあるようで、「体裁をつくろっている余裕はない」のが現状と思われます
申し送れましたが米空軍は28日の契約発表で、E-7Aには「その優れた空中目標の探知、識別、追尾、情報提供能力と地上移動目標探知追尾能力を持って、統合作戦における戦闘管理、指揮統制強化と、先進多用途レーダーを用いた空中戦闘管制能力による遠方攻撃支援能力の強化にも期待している」と説明しているところです
E-3老朽化が顕著で部隊運用に支障をきたしていることが明らかな中でE-7A導入決定が遅れた背景には、米空軍が早期警戒管制機に代り、衛星による地上目標や空中目標の探知追尾システム構築を当初目指していたためで、開発中の衛星システムが予算面でも技術成熟面でも間に合わず、仕方なく「つなぎ」のような位置づけで遅まきながらE-7A導入が決定したためです
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現有E-3の方がE-7Aより、レーダーが大きく回転して死角が少なく性能がよさそうに見えるのは「素人」だからでしょうか・・・。
米空軍がE-7Aを導入決定した際にも思いましたが、日本が保有するE-3タイプのレーダーシステムを搭載した「E-767」の維持整備は今後大丈夫なんでしょうか???
平均年齢44 歳のE-3と後継機の話題
「E-7導入を正式発表」→https://holylandtokyo.com/2022/04/28/3186/
「予算案通過なら2023年から退役へ」→https://holylandtokyo.com/2022/04/01/3074/
「後継機検討のRFI」→https://holylandtokyo.com/2022/03/01/2711/
「急にE-3後継機が大きな話題に」→https://holylandtokyo.com/2022/01/31/2669/
「米空軍航空機は依然高齢です」→https://holylandtokyo.com/2021/12/08/2475/
「空軍長官が7つの優先事項を語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-12-12
「PACAF司令官:E-7ほしい発言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-27