艦艇攻撃用に改良のGPS誘導JDAMが実弾試験

昨年8月のGPS誘導模擬弾に続き実弾で
「QUICKSINK」との名称も細部は不明
GPS誘導で艦艇剛撃ポイントを細部指定可能なのか?

JDAM QUICKSINK3.jpg5月4日付Defense-Newsは、米空軍研究所が4月28日に実施した、艦艇攻撃用GPS誘導JDAM(2000ポンド)の実艦艇を目標とした試験が成功したと報じています。なおこの改良型GPS誘導型(GBU-31)JDAMは、「QUICKSINK Joint Capability Technology Demonstration」と呼ばれているようです

対中国作戦を想定するとき、中国軍の多数の艦艇を攻撃目標とする必要がある中、高価な魚雷や対艦ミサイルだけでは対処が難しいことから、より安価な攻撃兵器としてJDAMの艦艇攻撃用バージョンの検討が進められてきました。

JDAM QUICKSINK2.jpgただ、想定する敵艦艇の防空能力が飛躍的に向上する中、JDAMの中でも、目標命中まで発射母機が目標周辺に在空して目標にレーザー照射を継続する必要があるレーザー誘導型JDAM(GBU-24)ではリスクが大きいことから、母機からリリース後は自ら目標に向かうGPS誘導型(GBU-31)の改良を追求することになったようです

GPS誘導型は、レーザー誘導型のように雲や雨に影響されない全天候対応能力を備えていることも特長ですが、更に「QUICKSINK」設計に際し米空軍研究所は、柔軟に多様な企業が部品供給に参加できるよう「open systems architecture」を追求し、企業間競争によるコスト低減と性能向上を狙っているとアピールしています

JDAM QUICKSINK.jpgしかし、レーザー誘導型が艦艇のどの部分に命中させるか選択しやすいのに対し、GPS誘導で目標艦艇の「艦橋」「推進機関」「弾薬庫」「燃料タンク」などの具体的部分を狙って攻撃できるのかは、今回の実弾試験発表でも言及されていません

2021年8月に第1弾試験として模擬JDAM試験を行った際、米空軍研究所AFRLの担当大佐は、『「目標ポイント:aim points」に爆弾を投下可能かを確認するために試験を計画した』と説明していましたが、どの程度の精度で目標ポイントを選択できるかへの言及は避けていました

JDAM QUICKSINK4.jpg一方で同担当大佐は当時、『爆弾の先端部分を再設計し、水面で爆弾がはじかれずに水面下の目標地点に到達できるよう検討している。我々は水面にはじかれないように物理学や運動力学を学ぶ必要がある』と語っており、水面下の艦艇部分も攻撃対象箇所として設計思想に反映されている模様です

なお「QUICKSINK」は、従来のJDAMを搭載可能な航空機全ての搭載可能で、特別な機体改修は必要なく、試験を担当した第85試験評価飛行隊幹部は、地域戦闘コマンド司令官により多くの兵器オプションを提供できると説明しています
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JDAM QUICKSINK5.jpg艦艇剛撃用GPS誘導JDAM「QUICKSINK」の細部性能は今後少しずつ明らかになるでしょうが、対中国で米空軍航空アセットが活躍できるよう、米空軍自らの発案で始まった者でしょう。

いずれにしても、中国の艦艇対処は同盟国にとっても重要な任務ですので、米空軍から航空自衛隊への提供も前向きにご検討いただき、空自も早めにしっかりと首を突っ込んで、F-15やF-35の働き場所を見つけた方が良いかもしれません

米空軍の弾薬調達を考える記事
「2023年度米空軍の弾薬調達予算案を考察」→https://holylandtokyo.com/2022/04/15/3098/
「米空軍が艦艇攻撃用にJDAM改良中」→https://holylandtokyo.com/2021/09/29/2234/
「F-15Eで完成弾JDAMを運搬」→https://holylandtokyo.com/2021/03/09/156/

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