現在まで4550機製造も、5000機到達の勢い
米空軍の2030年代後半まで使用示唆で、海外需要大復活へ
現時点でもロッキードは約7兆円の受注
23日付米空軍協会web記事は、第5世代戦闘機や次世代の戦闘機開発が話題になる中でも、手頃な第4世代戦闘機F-16への需要は根強く、更に米空軍が2030年代後半までの継続使用示唆で部品供給への不安が薄らいだこともあり、今後もF-16の新規導入や近代化改修は当面続き、2060年代での使用は現時点でも固く、2070年代でも運用の可能性が極めて高いと紹介しています
1970年代に導入開始のF-16は約4550機が全世界に提供され、世界25か国で現在も使用されており、現時点でも128機が製造待ち(バーレーン、ブルガリア、スロバキア、台湾、非公開国)です。米空軍だけでも現在約930機を運用しています。
その米空軍が最近、初期型F-16を123機2026年までに退役させたいが、残る800機程度は徐々に減勢しながらも2030年代半ばでも600機程度使用するイメージを打ち出し、F-35の出来次第(維持費削減の程度次第)ではあるものの、部品供給や維持整備支援が長期にわたり安定する見通しが立ってきたことから、F-16運用中の中小国が一斉に継続運用や最新型導入に傾き始めたということです
もう一つは、機体寿命の延び傾向にあります。インドが114機の導入検討中と言われるF-16最新型のインド国内生産型「F-21」は、機体寿命が米空軍使用中の約2倍の12000時間を目指すと言われており、約32年の運用を想定することになります
更にF-35製造ライン増設のため、F-16製造ラインをテキサス州からサウスカロライナ州のGreenvill工場に移転するのに伴い、部品や技術支援の供給体制の長期安定への期待が高まったこともあり、世界のF-16使用国から近代化改修や最新型に関する問い合わせが急増しているようです
実際、今年1月現在で、405機の近代化改修を含めて約7兆円の受注契約を抱えた状態で、F-16の今後には明るい見通ししかなく、128機の受注残以外に、予想される将来受注量は300機から500機と様々にロッキード幹部が発言している状況です
F-16運用国はABC順で
●Bahrain, Bulgaria, Chile, Columbia, Croatia, Egypt, Greece, India, Indonesia, Jordan, Morocco, Korea, Oman, Pakistan, the Philippines, Poland, Romania, Singapore, Slovakia, Slovenia, Taiwan, Thailand, Turkey, UAE, USA the United Arab Emirates
日本は「亡国のF-35」ではなく、F-15Jの仲間でもあるF-15EXや、世界中で運用されているF-16最新型を導入しておけばよかったと思います。日本のような環境では、有事に戦闘機が活躍する場面は極めて限定されると思うからです
F-16関連の記事
「F-16人気にロッキードニンマリ」→https://holylandtokyo.com/2020/04/29/739/
「F-16生産移設であと200機」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-21-3
「米軍F-16延命へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「稼働率8割はF-16だけが達成見込み」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-06
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「台湾F-16V型ようやく納入」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-27-2
米空軍の戦闘機構成議論
「戦闘機の近未来体制は」→https://holylandtokyo.com/2021/05/21/1709/
「戦闘機は7機種から4機種へ」→https://holylandtokyo.com/2021/05/18/1496/
「戦闘機混合比や5世代マイナス機検討」→https://holylandtokyo.com/2021/02/22/266/