ボーイング社が米海軍と空軍用に生産へ
射程は300nm(540㎞)と巡航ミサイル並みに
4月に海軍F/A-18が試験で射距離200nm&誤差数m
契約数量や単価は非公開もネットではキット単価1300-1500万円の噂
なお、本件を報じる6日付Defense-News記事は、最初の製品は米海軍用に提供されるが、約115億円での製造個数や単価について同社は言及していないと紹介しています。
JDAM(Joint Direct Attack Munition)は、重量投下型の500ポンド爆弾にレーザー誘導やGPS誘導が可能な尾翼キットを装着し、自由落下と尾翼による15nm(約27㎞)の誘導射距離延伸を可能にする画期的な初期型でスタートし、後に爆弾の中央部に翼をキットとして追加装着し、誘導飛翔距離を45nm(約80㎞)まで延伸可能な「JDAM-ER」まで開発導入され、ウクライナ軍も現在使用している兵器です
今回初期生産合意(initial production run)に至った「新型JDAM-LR(GBU-75)」用のキット(BSU-111/B Payload Delivery Unit)は、写真やYouTube映像やご紹介しているような翼と、Kratos社設計の300馬力以上を出すTDI-J85エンジンを搭載していますが、従来のJDAMシリーズが搭載可能な航空機であれば機体改修等の必要なく搭載可能な設計になっていると声明でボーイングはアピールしています
またボーイングは、「新型JDAM-LR(GBU-75)」は既存の生産ラインと誘導装置をベースにした改良版で、コスト抑制を強く意識しているとも強調しているようです。
更にボーイングは正式合意や契約には至っていないとしながらも、機雷敷設用バージョンとして、機雷に装着して遠方の空軍機から投下する「QuickStrike Long Range mining variantキット」の試験もB-52を使用して進められているようです。
また、移動している艦艇の喫水線より下に命中させて「即時の船体破断で沈没を狙う」QuickSinkとのバージョンも、新型シーカーや水中への円滑突入を可能にする先端形状の開発や試験が進んでいるとのことです。
なお、「新型JDAM-LR(GBU-75)」は、既に4月1日と3日に米海軍艦載機F/A-18から発射試験を行い、ジェットエンジン始動後に飛翔中の高度や経路変更を伴う約35分間の飛行後、発射地点
から約200nm離れて設置された目標点に誤差数mで着弾したとのことです
米空軍が取りまとめて海軍軍用両方の交渉を進めているようですが、最初に新型を受領予定の米海軍担当女性大佐は4月のF/A-18発射試験時に、「海軍航空部隊はJDAMに大きく依存しており、そのJDAMに更なる射程延伸型が誕生したことで、搭乗員が敵脅威からより安全に目標攻撃が可能になり、我の優位性が高まる」と声明を出しています
なお関連する5日付米空軍協会web記事は、CSISレポート引用し、2月末からの対イラン作戦で米軍は推定10000発のJDAMを使用したと紹介し、更に米海軍がJDAM-LRの「shipboard integration」(?)を試験している、とも報じています。
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公式には製造単価が公表されておらず、「初期生産にGOサインは出たが、価格交渉は継続中で契約まだ」との情報もあるようですが、ググってみたところ・・・
●JDAM(基本型)はキット価格が約310万〜430万円
●JDAM-ER(射程延長型)は約580万〜870万円で、
●JDAM- LR(ジェット推進型)は推定約1300〜1,880万円とされており、専門家はキット量産価格1500万円程度が妥当なラインと見ているようです。
500ポンド爆弾が1発100万円程度なことから、JDAMキットを装着しても「1500万円程度で射程500㎞以上の精密誘導兵器が誕生」だとボーイングは宣伝し、1発数億円と言われる対艦対地巡航ミサイル「JAASM」「LRASM」「トマホーク」との「桁違い」の価格差を前面に押し出しています。
こんなの、もっと早期に開発可能だったのでは? 巨大軍事企業が水面下で談合して、ロッキード製「対地JAASM」と「対艦LRASM」や、レイセオン(現RTX)製「トマホーク」との「住み分け」を画策してたんじゃないの? ・・・と疑ってしまう、ひねくれた「まんぐーす」です。
航空自衛隊も、QuickSink型も含め、導入を是非ご検討ください・・・。
軍事YouTuberによるJDAM LR解説映像(約28分)
様々なJDAM関連の記事
「B-2から艦艇攻撃JDAM試験」→https://holylandtokyo.com/2024/08/28/6208/
「艦艇攻撃用JDAM」→https://holylandtokyo.com/2022/05/13/3219/
「F-15EがJDAM輸送に」→https://holylandtokyo.com/2021/03/09/156/
「JDAM-LR開発中」→https://holylandtokyo.com/2020/03/06/775/
高価な巡航ミサイルJAASMとLRASMとトマホークの代替追求関連
「安価なトマホーク機能を募集」→https://holylandtokyo.com/2026/08/03/15299/
「安価CMを5年で2.8万発導入へ」→https://holylandtokyo.com/2026/07/27/15247/


8月5日ボーイング社が、自社資金約150億円を投入して開発してきたとアピールする「翼とジェットエンジンのキット(BSU-111/B Payload Delivery Unit)」を搭載し、射程距離を300nm(540㎞)に延伸する新型JDAM-LR(GBU-75)を、米海軍と米空軍用に約115億円で初期生産開始することに合意と発表しました。