AI無人F-16が自動で有人機ロックオン&戦闘迎撃機動

F-16魔改造AI無人試験機「VISTA」でセンサー情報活用に成功
2024年の人間によるロックオンからAIによる自動ロックオンへ進化
赤外線センサーPOD「Legion Pod」データをAIに供給
いつものように半年前の試験結果を今頃静かに発表

8月4日、米空軍は2026年年初から4月にかけ、F-16D戦闘機を魔改造したAI搭載無人試験機「X-62」(通称VISTA:Variable In-flight Simulation Test Aircraft)を用い、機体搭載のセンサー情報を基に搭載AIが自動で目標機(有人T-38)をロックオンし、交戦飛行機動を行う飛行試験を8回実施し、様々なパターンの迎撃機動確認を27回行ったと発表しました。

この試験は、2022年から24年にかけ行われた、人間操縦者によるセンサー情報の認識と目標照準動作(ロックオン)後に、搭載AIが目標迎撃機動を引き継ぐ試験フローから大きく前進し、センサー情報を搭載AIが解読して目標機を照準するロックオン動作までもAIが行った点が飛躍的で、ロッキード社担当副社長は「sensor-to-action ループを無人機搭載AIが全て可能なことを実証できた」、「AI搭載機による制空権獲得のための決定的な前進:decisive advance toward delivering AI-augmented air dominance」と表現しています。

米空軍は6月に、無人ウイングマン機CCA第1弾の2機種製造を開始しましたが、このCCAはあくまで半自律型であり、自律的に飛行可能な無人機ですが、有人戦闘機からの指示を受けて任務を行うことが前提となっており、今次のVISTA試験機に関する米空軍の発表でも、無人機赤外線センサーデータを搭載AIがリアルタイムで解析し、目標迎撃に必要な飛行機動を誘導した点を、画期的だと強調しているようです。

本件を報じる4日付米空軍協会web記事によれば、今回の試験は、試験機X-62を使用した「HAVE HEAT」と呼称される一連の確認試験で、「搭載AIがセンサーと機体を制御することで飛行任務の自律性実現する」ことを狙いとしており、試験で使用されたセンサーは「ロッキード社の赤外線捜索追跡システムセンサーPODのLegion Pod」とのことです。

また試験機X-62には現在、最新型のRTX社(レイセオン社の親会社)のPhantomStrikeとのAESAレーダー搭載が予定されており、地上試験をほぼ終えて飛行試験を2026年末まで行い、2027年には試験機X-62(VISTA)の機上レーダーとして運用開始される計画で、電磁波レーダーも含めた搭載AIによる活用飛行に来年以降進むものと考えられているようです

更に「HAVE HEAT」確認試験と並行し、「HAVE HOLIDAYS」と呼ばれる「モジュール式で入替え&導入可能な最新技術活用」の確認試験実施も発表され、「Open Mission System Architecture computer」の特徴を生かして「ロッキード社以外の企業が開発したAI」を含む提案がモジュール投入され、安全確認や評価されたとされています。
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赤外線センサーPODのLegion Podは、2022年からF-15に搭載され、F-16やF-15EXに搭載が進められているセンサーで、ステルス機の普及を受けた電磁波AESAレーダーの補完等が期待されているセンサーで、AESAレーダー情報も融合して搭載AIにデータを提供でき、機体機動に反映できれば、AI搭載無人機が有人戦闘機を空中戦闘で「圧倒」することは過去の試験結果から明らかです。

「まんぐーす」は思います。仮に米空軍(や米海軍)が戦闘機の有人型に固執していなかったら、つまり「AI無人機での制空権獲得」を明確に目標に掲げていれば、現存のAI活用無人機新興企業(AndurilやShield A等々)は、2-3年前に「HAVE HEAT」や「HAVE HOLIDAYS」確認試験を完了し、意思決定が遅い米空軍に邪魔されのろのろ進行中のCCA開発より、遥かに早く安価に、土俵に乗せるに値する無人戦闘機が完成可能だと思います。

AI搭載無人機「X-62」(VISTA)の試験情報は、いつも半年遅れで、かつ「断片的」で「控えめ」にしか発表されませんが、有人戦闘機開発用の資金調達への悪影響影響を恐れる米空軍戦闘機族の「悲しいまでの立ち回り」が透けて見え、「ため息」しか出ません。

日本で言えば、「戦闘機命派」が「最後の砦」として固執するだろう、有人戦闘機による対領空侵犯措置にも(対処要領の簡明化&ネガティブリスト化等の法的対応マニュアル整備と併せて準備すれば)投入可能な、360度センサー等を備え、遠隔操作可能な「対領空侵犯措置用の無人機」も十分に実現可能で、強くそうすべきだと思います。

そしてそのことにより、「有事に役立たない高価な有人戦闘機への投資を局限」し、「真に日本の戦略&戦術環境に見合った、強靭性を備えた国防装備体系の構築」に投資配分すべきだと思います。

無人機空中戦検討プロジェクト
「有人F-16と空中戦機動」→https://holylandtokyo.com/2024/05/14/5838/
「VISTAで自立AI総合検証試験へ」→https://holylandtokyo.com/2024/04/26/5788/
「22年12月コッソリAI無人機試験」→https://holylandtokyo.com/2023/02/27/4326/

「8企業がAI空中戦で有人F-16に挑む」→https://holylandtokyo.com/2020/08/19/528/
「米空軍研究所は2021年に実機で」→https://holylandtokyo.com/2020/06/10/620/
「空中戦用AI開発本格化」→https://holylandtokyo.com/2020/05/22/678/

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