米空軍が基地防空における新たな下士官専門職や部隊創設へ

6月上旬の米空軍主要幹部会議で方針決定
幾つかの基地に基地防空専門部隊「Point Defense Flights」設置も決定
イラン作戦で中東重要基地でのドローン等被害拡大の中で

6月30日付米空軍協会web記事が、6月10-12日に開催された半年に一度の米空軍の高級幹部会同(通称CORONA会議)で、ウクライナや中東での戦いで急速に注目を集めるドローン兵器等による被害拡大を受け、米空軍として基地防空を専門とする職域設置や基地防空専門部隊「Point Defense Flights」の創設の方向性が決定されたと報じました。

また同記事は、米空軍が昨年2025年10月に「Point Defense Battle Lab:ポイントディフェンス戦闘部隊」を指定し、市販の対ドローン技術を活用して国内基地防空を担う兵士のための戦術、技術、手順の開発に取り組んでいると紹介し、これまで各基地の司令官に「丸投げ」されて来た基地防衛の難題に着手し始めたが、特に国内外の基地で民間人居住地域に隣接する基地は、民間人巻き添え被害への懸念から、対応がより困難と紹介しています。

記事はこの決定の背景として、イラン攻撃作戦「Operation Epic Fury」で、20年以上中東での航空作戦に多国籍指揮所として活躍してきたカタールの航空作戦センターCAOCや、バーレーンのマナマ市街地近郊にある米海軍第5艦隊司令部が深刻な被害を受け、更にサウジのPrince Sultan空軍基地で早期警戒機E-3が破壊され1名の死亡者が出るなど、これまで安定的に使用してきた中東の主要拠点が、短期間に軒並みドローンやミサイル攻撃の被害を受けたことや、

ウ・ロシア国境から1000~4000㎞も離れたロシア戦略爆撃機等の基地に対し、ウクライナが2025年6月に実施した小型ドローンによる奇襲「くもの巣作戦」で、ロシア空軍の戦略爆撃能力の34%に相当する Tu-95MSとTU-22M3や、早期普戒管制機A-50を含む41機の破壊に成功した大戦果と、攻撃の様子を攻撃ドローン自身が撮影した映像は、米空軍高級幹部に感銘を与える一方で、米軍基地の防空に大きな懸念も抱かせた、と説明しています。

また最近の海外での軍事作戦だけでなく、例えば米国内基地でも、2023年12月に発生したバージニア州ラングレー空軍基地上空での発生を皮切りに、オハイオ州、ユタ州、英国の基地でも正体不明のドローン飛行事件が連続発生し、米空軍が米議会の調査対象になるなど、空軍基地やその他の軍事施設への脅威が高まりが認識され、

末尾の過去記事で扱った過去約1年の米空軍の関連取り組みでもご紹介してきた、国防省が進めるドローン対策兵器導入「Replicator 2」計画や、ヘグゼス国防長官の命で発足したドローン対策技術の迅速開発のための統合省庁間「Tasc Force 401」の取り組みも並行して推進されているところ、国防省をあげて様々な米軍基地防衛システムの見直しが行われており、その一環の米空軍の取り組みだと記事は表現しています。

ただ記事は同時に、米空軍による下士官の基地防空専門職種の具体的導入時期は不明で、専門職種創設に不可欠な「訓練カリキュラム」と「職種管理計画」の策定には時間が必要で、米空軍の各方面に問い合わせても回答を得られていないとしています。

また、基地防空専門部隊「Point Defense Flights」創設の際は、複数の職種から人材を集める予定だと米空軍は公表しましたが、例えば、既にドローン対処訓練を受けている核兵器基地や飛行場などの高セキュリティ施設に勤務する一部の警備部隊員は、この新部隊にどのように関係するのかも不明だとしています。
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ドローン防衛など基地防空に関する様々な国防省や米軍の取り組みの一環として、米空軍の下士官専門職や防空専門部隊の創設検討についてご紹介しましたが、記事内に気になる部分がありますので、併せてご紹介しておきます。

●中国の長距離兵器の射程圏内にある、特に日本の米空軍基地防衛は、米空軍担当者にとって依然として悩みの種となっている。
●PAC-3などの米軍主要迎撃システムは米陸軍が保有しており、空軍基地の防空責任は表向き米陸軍にあるものの、十分な数の防空兵器は未配備である。
●米空軍は2027年度予算案で、米空軍基地防空システム(ABADS)のミサイル防衛タイプを約2000億円で要求も、同システムが導入決定され運用可能になるには時間必要である

米軍:ドローンから基地や拠点を守る
「エネルギー兵器試験基地5か所」→https://holylandtokyo.com/2026/05/28/14742/
「空軍はND州基地でPDBL」→https://holylandtokyo.com/2026/05/15/14182/
「大混乱:南部国境レーザー使用で」→https://holylandtokyo.com/2026/02/17/13974/
「北米軍が緊急派遣チーム編成」→https://holylandtokyo.com/2025/11/25/13189/
「分散基地用の対処チームを」→https://holylandtokyo.com/2025/10/22/12984/
「航空管制と無人機センサー融合」→https://holylandtokyo.com/2025/10/10/12168/
「米国内の基地防御演習」→https://holylandtokyo.com/2025/09/10/12313/

日本も迎撃用ドローン急遽導入へ
「2027年中に配備へ」→https://holylandtokyo.com/2026/06/24/15045/
「欧米渇望のウ製迎撃ドローン」→https://holylandtokyo.com/2026/03/17/14163/
「ウ軍チームが中東で使用法伝授」→https://holylandtokyo.com/2026/03/23/14252/
「欧で米陸軍が試験しアジアへ」→https://holylandtokyo.com/2025/12/12/13330/
「ウが露ドローンを大量迎撃」→https://holylandtokyo.com/2025/09/18/12797/

ウクライナとイスラエルの革新的兄弟作戦
「防研のクモの巣作戦解説」→https://holylandtokyo.com/2025/07/14/12101/
「イ工作員の防空網破壊が口火」→https://holylandtokyo.com/2025/06/23/11962/
「空軍 OB が影響否定:クモの巣作戦」→https://holylandtokyo.com/2025/06/06/11771/

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