オレゴン州Portland空軍基地で最終準備に入る
「2027年度」(2026年10月以降)に嘉手納配備開始を予定と発表
ただF-15EX製造は「スト+部品調達難」で大幅に遅延中
最初の部隊(2024年運用開始)でも21機予定の11~13機のみ受領の惨状
それでも米空軍は同機調達予定を129機から267機に倍増発表
嘉手納基地には40年に渡りF-15C/D型48機が配備されていましたが、老朽化のため2022年10月に同機種の段階的撤退&退役が発表され、2024年7月3日に「嘉手納F-15Cを36機のF-15EXへ」&「三沢F-16を48機のF-35Aへ」更新する計画(更新時期には言及無し)が米国防省から公式発表されました。
その後2025年7月に、嘉手納基地へのF-15EX配備が2026年春から開始と米空軍が発表し、嘉手納の同機部隊は米空軍2番目のF-15EX部隊となり、初の海外F-15EX部隊でもあるとアピールしましたが、2026年5月に空軍長官が、ボーイング社工場ストライキ等の影響で配備開始が2027年になると米議会証言で明らかにし、今に至っていたところです。
3日の嘉手納用1号機の工場出荷発表に併せ、受け入れ部隊である嘉手納のJohn Gallemore第18航空団司令官は、「我が部隊はF-15EXを迎える準備ができており、この戦闘機を操縦、整備、運用する前線空軍兵士に届けるための重要な一歩だ」とコメントを出していますが、嘉手納F-15EX部隊の実質的な形が整う見通しは、以下に説明するように全く立っていない模様です。
9月2日付米空軍協会web記事等によれば
●米空軍で初のF-15EX部隊はオレゴン州空軍Portland空軍基地所属の第142航空団だが、2024年6月に運用開始宣言(たった1機で)したものの、現時点で配備予定21機のところ、僅か11~13機程度しか受領していない(他にフロリダ州エグリン基地に試験用が約8機)
●今後もボーイング工場のストライキ(25年8月~11月)の影響や、部品調達難(特にエンジン、射出座席、操縦席ディスプレイ等)で、今年中は今後追加で2~3機程度しか提供されないと推定
●嘉手納用の機体は「製造ロット3(計12機)」から提供開始予定だが、最初のF-15EXの部隊提供は、7月末時点の見積もりでは、早くとも2027会計年度の第1四半期(2026年10月~12月)になる見込み(→この機体が3日発表の機体かも・・・)
●物価高騰もあり、部品調達難は回復見込みがなく、嘉手納配備機を多数含む予定の「製造ロット4」も、当初は2026年中に納入開始予定だったが、現時点では早くとも2028年まで納入が期待できない
●米空軍は2026年4月に2027年度予算案文書の中で、F-15EX調達総機数を従来の129機から267機に倍増するとの計画(F-35最新型の開発遅延やF-15C/D退役やF-15E能力向上で前線配備数減少の穴埋めのため)を明らかにしたが、F-15EX機体価格は電子戦装備(EPAWSS)追加等でF-35Aより1割程度高くなっており、予算面での実行可能性が既に危ぶまれている
●更にF-15EXはF-35Aより機体寿命が2.5倍あるが、敵防空兵器の進化が激しい中、非ステルス戦闘機を長期使用前提で多数導入することへの反対は根強い。米空軍は、「先鋒(F-35)」と「後づめ重火力(F-15EX)」と役割分担を説明しているが・・・
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2024年6月に米空軍で最初のF-15EX運用部隊となった部隊が、2年後の今でも10機+数機しか保有機体が無いとは、州空軍とはいえ「士気の上がりようがない」と思います。嘉手納のF-15EX部隊が「36機体制」を確立できるのは、早くても2030~32年頃になるのでは・・・とざっくり予想を提供させて頂きます
米空軍の戦闘機部隊では、「給料数倍」に惹かれた民間航空会社へのパイロットの流出が続いており、更に若い整備員も、高給で働きやすい民間航空会社、防衛産業、またSpaceXのような宇宙・IT企業に流れ、欠員比率が10~20%にもなっているようです。もちろん「高給」は大きな誘因でしょうが、戦場での「ドローン」台頭を目の当たりにして、戦闘機部隊の魅力が急減し、士気が低下していることも「隠れた大きな要因」だと思います
F-15EXと嘉手納関連
「嘉手納配備は27年に遅延」→https://holylandtokyo.com/2026/05/25/14822/
「EX配備時期は依然情報なし」→https://holylandtokyo.com/2026/05/11/14721/
「EX配備の遅延発表」→https://holylandtokyo.com/2026/02/25/14009/
「嘉手納部隊2026年完成」→https://holylandtokyo.com/2024/09/18/6281/
「嘉手納にF-15EXを」→https://holylandtokyo.com/2024/07/05/6097/
「初号機は正規軍でなく州空軍へ」→https://holylandtokyo.com/2024/06/13/6009/
「試験配備直後に大規模演習参加」→https://holylandtokyo.com/2021/05/25/1710/
「初号機を米空軍受領」→https://holylandtokyo.com/2021/03/22/166/


9月3日米空軍嘉手納基地は、同基地が配備受け入れ予定F-15EXの初号機(ボーイング製造22機目)が、ボーイング社工場のあるセントルイスから、米空軍でF-15EXの最初の部隊が編成されているオレゴン州空軍Portland空軍基地へ8月28日に移動し、2027年度(2026年10月以降)の嘉手納配備に向け準備を行うと発表し、嘉手納基地第18航空団所属を示す「ZZ」や「18 WG」の標記が垂直尾翼にされた機体写真など数枚を公表しました。
